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第6章 銀河と宇宙 51,52,53

天文宇宙検定1級公式参考書極・宇宙を解く-現代天文学演習」を読んで、わからない用語や整理したい内容をまとめています。
ど素人がまとめていますので、誤り等指摘いただけると嬉しいです。

活動銀河

一般的他銀河に比べ、中心部が極めて特異な活動をしている銀河を活動銀河と総称する。
主な特徴は以下の5つである。

  1. 通常の銀河に比べてその中心核が100から1万倍明るい

  2. 電波やX線領域で星起源の放射をしている

  3. 数十日から数百日のタイムスケールで急激に変光する

  4. ジェットなどしばしば特異な形状をしている

  5. 超光速現象など、ときとして相対論的な現象を示す

活動銀河の種類として
・セイファート銀河(1型、2型)
・電波銀河(広輝線電波銀河、狭輝線電波銀河)
・クエーサー
・BL Lac銀河(ブレーザー)
などがある

活動銀河のスペクトル

連続スペクトルは電波からX線にかけて全体を見ると大雑把にべき乗型をしている。

輝線スペクトル

再結合線:水素ガスやヘリウムガスが電離した後に再び電子と結合するときに出る輝線
禁制線:非常に希薄なガスから放射される輝線。[ ]付きで表す
光電離:ガス雲中で紫外線放射などで電子が電離されること
広輝線領域(BLR):ガス運が激しく運動することで輝線にドップラー幅ができ、この幅の広い再結合線を放出している領域。逆は狭輝線領域(NLR)

活動銀河の統一モデル

セイファート銀河は1型と2型があるが、銀河の見る方向(地球からみた銀河の角度)により、分類されているのではないかというのがセイファート銀河の統一モデルである。

活動銀河では細長いプラズマの噴流(ジェット)が吹き出ているが、ジェットからの光は相対論的効果のため、ジェットの進行方向に集中している(相対論的ビーミング)
ブレーザーに至ってはジェットを真正面から見ているのではないかと想像されている(0型活動銀河)
このように活動銀河全体を統合するのが活動銀河の統一モデルである。

X線強度の時間変動

一般に天体の電磁波強度が変化するタイムスケールは、その電磁波を放出しているエリアの大きさを反映していると考えられている。
結果、変化のタイムスケール$${\Delta t}$$は、光速を$${c}$$、エリアの大きさを$${r}$$とすると、以下のようになる。

$${r \leq c \Delta t}$$

X線スペクトル

放射メカニズムの違いから以下の4つに分けられる

べき乗型(power law)連続成分

2から10 keVのスペクトルにおいて支配的になる成分

反射(reflection)成分

主に10 keV以上の領域で支配的になる成分

軟X線超過(soft excess)成分

主に2 keV以下の領域で支配的になる成分

暖かい吸収体(warm absorber)

2 keV以下の見られる複数の鋭い切り込み(吸収構造)の原因となる電離吸収ガス

望遠鏡の空間分解能

望遠鏡がどの程度の角度まで天体の構造を分解して見られるかという性能のこと(人間で言えば視力に相当し、視力1とは1分角の分解能に相当する)

原理的には望遠鏡の回折限界で決まり、$${\lambda}$$を観測対象とする波長、$${D}$$を望遠鏡の口径とすると、空間分解能$${\phi}$$は

$${\phi = \lambda / D}$$

で近似することができる。
電波は可視光よりも波長が長いので、同じ口径の場合、光学望遠鏡(可視光で見る望遠鏡)に比べて空間分解能は大きくなる。

電波干渉系の原理

電波干渉系は1940年代にイギリスの天文学者マーチン・ライルが考案したアイディア
人間の目のように2つの電波望遠鏡を距離$${B}$$離して設置し、同一の天体を同時に観測する。
観測データを集めて干渉させることで、あたかも口径$${B}$$に相当する望遠鏡と同じ空間分解能を得られる。

クエーサーからの電波放射

活動銀河核の1割程度からは、電波領域で強いシンクロトロン放射が検出される。
VLBI(超長基線干渉系:Very Long Baseline interferometer)の観測により、ミリ秒以下の極めて微小な放射領域(コア)が発見されており、巨大なブラックホール近傍から放射されるプラズマジェットの根本部分と考えられている。

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