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Mitakaカスタマイズ(離陸・着陸地点)

Mitakaは国立天文台が、 国立天文台 4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U)で開発している天文学の様々な観測データや理論的モデルを見るためのソフトウェアです。

星空観望会などで曇ってしまい実際の星が見えないとき、星空シミュレーターとして使用することもできます。

地球上から星空を見上げると、観測地点によって見える星が違います。
Mitakaは国立天文台が東京都三鷹市にあるため、デフォルトの表示位置が「三鷹市(北緯35.7度、東経139.5度)」になっています。

デフォルトで複数の着陸地点(観測地)が登録されていますので、選択する事で変更はできますが、一旦終了させて再度実行するとデフォルト観測地(三鷹)に戻ってしまいます。

では、デフォルト観測地を変更するにはどうすれば良いでしょうか?

Mitakaインストールフォルダにある
 >programs¥default_program.prg
の9行目を変えることでデフォルト観測地を変更できます。

default_program.prg

9行目に"INITIAL_LANDING_SITE"で指定されている地点を変更します。
指定可能な地点は、8行目で読み込んでいる"locations.json"に記載します。

locations.json

"default_program.prg"の9行目を"Sapporo"に変更し、Mitakaを再度実行します。(一旦終了させる必要があります)

default_program.prg修正後

これでデフォルトの観測値が「札幌」に変わりました。

"locations.json"にない観測値は自分でファイルを編集する事で追加が可能です。
 "Pos":観測地点の座標(東経と北緯、度単位)
 "EllipsoidalHeight":観測地点の楕円体高(メートル単位)
 "TimeDelta":世界協定時(UTC)からの時間差、日本の場合は"9"

このうち「"EllipsoidalHeight":観測地点の楕円体高(メートル単位)」については聴き慣れないかと思います。
楕円体高は簡単にいうと「地球中心からの距離」になります。地球は完全な球体ではないですのでそれを加味したものになります。

楕円体高(ジオイド)については、国土地理院のWebサイトで調べる事ができます(ジオイド計算
さらに標高を加算することで、「"EllipsoidalHeight":観測地点の楕円体高(メートル単位)」を求めます。
標高については地理院地図 / GSI Maps|国土地理院で調べられます(左下に表示されます)。

札幌市(東経141.35度、北緯43.0667度)の場合ですと
 ジオイド:31.9613 m
 標高  :17.3m
ですので、楕円体高は
 31.9613m + 17.3m = 49.2613m ≒ 49.3m
となります。

宜しければサポートをお願い致します。ご厚意は天文ボランティア活動の資金とさせて頂きます。 これからも星空に興味を持っていただけるような記事を書きたいと思っています。