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第6章 銀河と宇宙 57,58

天文宇宙検定1級公式参考書極・宇宙を解く-現代天文学演習」を読んで、わからない用語や整理したい内容をまとめています。
ど素人がまとめていますので、誤り等指摘いただけると嬉しいです。

光線の湾曲

重力場は【時空】を歪める。結果、そこを【直進】しているはずの光線は進路そのものが曲がっているため、光線が湾曲する。
強大な重力を持つ天体の周りの時空は歪められ、その近傍を通過する光線が曲げられることにより、あたかもレンズを通したように観測することになる。この現象を重力レンズという。

1919年の皆既日食の際にエディントンらの観測隊により、一般相対性理論で予言された重力レンズの存在が確かめられた。

重力レンズの観測

双子クエーサー

クエーサー0957+561A,Bはおおぐま座に位置し、1979年、分光観測により全く同じスペクトルを示していた。
当時、たまたま同じスペクトルになっていると考えられていた。
しかし実際は途中に位置する銀河の重力場によって光が曲げられ、増光された結果であることがわかった。

アインシュタインリング

遠方の天体・重力源・観測者の3つが一直線に並んだ場合、その対称性からリング状に歪められた像が見える。
この像をアインシュタインリングと呼ぶ。

(Credit: NASA/ESA/SLACS Survey Team: A. Bolton (Harvard/Smithsonian), S. Burles (MIT), L. Koopmans (Kapteyn), T.Treu (UCSB), L. Moustakas (JPL/Caltech))

重力レンズの性質

  • 中心天体に近いところを通る恒星ほど屈折角が大きい

  • 屈折角は光の波長によらない

  • 天体の見かけの明るさは、重力レンズ効果がなかった場合に比べて「像の大きさの拡大倍率」倍となる

  • レンズ天体がある程度の広がりを持っている場合、レンズ天体中を通過してくる光線も存在する

重力レンズからわかる天文学・宇宙論

  • 重力レンズの光を集めたり拡大する性質を利用すると、暗すぎたり小さすぎたりする天体の観測が可能になる

  • 重力レンズ像の解析により、レンズ物体(重力場)の特性がわかる

  • 遠方の天体=原始天体の観点から、天体の進化についての研究を担うことになる

重力波事象GW150914の発見

2002年から稼働していたレーザ干渉型重力波天文台LIGOは、2015年9月14日に約0.2秒ほどの歪み振動を起こした。
解析の結果、地球の裏側の南天方向から到来した重力波であることが判明した。

ブラックホールの合体

重力波とは時空の振動が波として伝わる現象である。
GW150915の場合、約13億光年離れたかなたで、太陽質量の約35倍と約30倍のブラックホールが合体し、約62倍の自転するカー・ブラックホールが形成された現象と考えられている。

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