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望遠鏡と双眼鏡

望遠鏡と双眼鏡。
よく似ていますが、違いは結構あるんです。

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簡単に比較すると

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といったところでしょうか。

双眼鏡は主に地上物を手軽に見るのに適しており、バードウォッチングや演劇鑑賞などにも使われます。
そのため、手持ち出来る程度の大きさで、レンズの大きさも数㎝程度になります。
(展望台などにある大型のものでも15㎝ぐらいまででしょうか)
また、見る対象が地上物であるため、像が上下左右反対にならないようにプリズム(正立プリズム)が入っています。
両目で見ることができるため、左右の視差により立体的に見ることもできます。
フィールドスコープのように片目で見るものもありますが、こちらも像が反転しないようにプリズムが入っています。

対して望遠鏡は天体というはるか遠くにある対象物を見るため、両眼で見ても立体的に見るのは難しいです。
(月のように比較的近い場合は立体的に見えることもあります)
その分、対象物が暗いため、レンズ(反射望遠鏡の場合は鏡)を大きくし、たくさんの光を集める必要があります。
また、接眼レンズ(アイピース)を変えることにより、倍率を変えることができるのも大きな特徴です。
(倍率については『なぜ望遠鏡の倍率は変えられるのか!?』の note で取り上げましたので、そちらをご覧ください。)

望遠鏡のもう一つの特徴として、三脚等に固定するというのがあります。
これは対象となる天体が地球に日周運動(自転)により動いているためで、倍率を高くすればするほど視野(見えている範囲)から天体がズレてしまうためです。
天体を追尾するために『赤道儀』や『経緯台』といった台(架台)が用いられます。
(この辺の詳しい話は長くなるので、別の機会にいたしましょう。)

ここまで読んで、こう思った方もいるのではないでしょうか?
「望遠鏡を二つ並べたら双眼鏡になるんじゃね?!」

はい。その通りです。
同じことを考える人はいつの時代も、どこの場所にでもいるもので、比較的安価な(それでも十数万円)望遠鏡を2つ並べて『双眼望遠鏡』なるものを自作する人が結構います。
もちろん、基本望遠鏡なので、倍率は変えられます。
そして、基本望遠鏡なので、天体を見るように上向きになります。

しかし、ただでさえ高い望遠鏡が2つに、その接眼レンズも2つ必要
(接眼レンズって意外とするんですよ)

なんともお高い双眼鏡ですが、月や惑星、多くな球状星団などの美しさは素晴らしいもののようです。
興味のある方は、調べてみてはいかがでしょうか。

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