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天文宇宙検定1級キーワード 数式

距離指数

天体の見かけの等級を$${m}$$
絶対等級を$${M}$$
天体までの距離(pc)を$${r}$$
見かけの明るさを$${l_m}$$
10pcでの明るさ(絶対等級)を$${l_M}$$ とすると、距離指数は

$${m - M = 2.5 \log ( l_m / l_M )}$$

となる。
この時、10pcでの明るさなので、$${( l_m / l_M )}$$は$${(r / 10)^2}$$となり、

$${m - M = 2.5 \log (r / 10)^2 }$$
$${    = 5 ( \log r - \log 10) }$$
$${  = 5 \log r - 5  }$$

となる

見かけの等級と絶対等級から距離を求める

見かけの等級$${m}$$が21等級、絶対等級$${M}$$が−4等級の時、距離指数の式

$${m - M = 5 \log r - 5 }$$

の左辺は25となる。
つまり(ちょっと丁寧に行きます)

$${25 = 5 \log r - 5 }$$
$${-5 \log r = -25 - 5     }$$
$${\log r = -30 / -5   }$$
$${\log r = 6      }$$
$${r = 10^6    }$$

となります。
$${r}$$は[pc]ですので、天体までの距離は1メガパーセク(Mpc)となります。

距離指数と天体までの距離および星間塵による減光

$${m-M=5 \log r-5+A}$$

左辺が距離指数(天体の見かけの等級$${m}$$から絶対等級$${M}$$を引いた値)
右辺の距離による減光は$${5 \log r−5}$$で求められ($${r}$$はパーセク)、星間塵の影響による減光を$${A}$$としている

天体の見かけの角距離と実際の距離

見かけ上0.5度離れている天体AとBまでの距離が、ともに太陽系から7kpc離れている場合、AとBの距離は

$${0.5[°] × (π[rad] / 180[°]) × 7000[pc] × 3.26[光年/pc]=199光年}$$

となる

恒星の質量と光度と寿命

主系列星では光度$${L}$$は、質量$${M}$$の3から4乗に比例する
恒星の寿命$${τ}$$は主系列星の期間とみなして良いので、質量$${M}$$に比例し、光度$${L}$$に反比例する。
これを数式で表すと

$${ τ ∝ M / L ∝ M / M^{3〜4} = 1 / M^{2〜3} }$$

となり、質量の2から3乗に反比例することになる。

質量と質量密度と個数密度

質量を$${m}$$、質量密度を$${ρ}$$、個数密度を$${n}$$とすると

$${ρ = nm}$$

が成り立つ
(個数密度とは単位体積あたりの粒子の数であり、単位体積あたりの全質量は個数密度に質量をかけた値となる)

円運動の位置エネルギーと運動エネルギー

質量$${M}$$の天体の周りを、半径$${r}$$で円運動する質量$${m}$$の天体がある
この時の位置エネルギーを$${Φ}$$、運動エネルギーを$${T}$$とすると以下の関係が成り立つ

$${2T + Φ = 0}$$

重力定数を$${G}$$とするとき、位置エネルギーは

$${Φ = -GmM / r}$$

となる。
天体が公転する場合、遠心力と重力が釣り合うので、円運動の速度を$${v}$$とすると

$${mv^2 / r = GmM / r^2}$$

となり、$${V^2 = GmM / r}$$が得られる

音速

音速$${C_s}$$は、温度$${T}$$の平方根に比例し、平均分子量$${μ}$$の平方根に反比例する。

$${C_s = \sqrt{γR_gT / μ}}$$

※ $${R_g}$$:1モルあたりの気体定数、$${γ}$$:比熱比

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