Day 20 A song that has many meanings to me（自分にとってたくさんの意味がある曲）


〇0 choir/UVERworld


この間失恋した時にこの曲に出会って狂ったように聴いてました。失恋すると世界、マジで汚れて見えます。何気なく生きていた日常にも嘘がまみれていたこと、その時点で気づいてしまうからね。お前そんな顔して同時進行だったのかよと叫びたいような気持ちで、汚れた世界にNoを突きつけていたころ。

新しい恋をすることが怖くなりました。愛することとか、愛を表現することが怖い。この先どれだけ人を好きになっても、こんな風にずっと拒絶されていくだけなんじゃないかと思って絶望していました。そんなことはないはずなのだけど、この時はどうしても、恋愛に対してポジティブなイメージを持つことができなくなってしまいましたね。失恋したんだから当たり前のことですけど、この時は結構きつかった。

UVERの歌詞って、「よくわかってる人が書いてる」って感じで昔から好きなんですよ。孤独をわかっている人が書いている。愛をわかっている人が書いている。得ることも失うことも経験した人が、自分の身を絞るようにして書いている。そんな必死さが伝わってくる詞なんですよね。本気感というか。TAKUYA∞さんのことはあまりよく知らないのですが、おそらく相当の人生経験と、それを言葉にするための高い技術力を持ったアーティストなのだろうと思います。特に彼が「逸脱」を描くとき、それがすごくクリアでリアルに映る。「普通って場所はここから何光年先の場所なんだい？」は本当に天才。自分と普通との間に距離を感じている人みんながこの歌詞に惹きつけられることでしょう。谷川俊太郎に言わせたら20億光年ってことになるんでしょうか、とにかく普通という場所はここから果てしなく遠いです。


それでも、それほどまでに孤独でも、いつかは心を開きたいと、心を開くときのイメージを持たせてくれるのがUVERの曲だと思っています。「リンゴの皮を剥くように」って最高じゃないですか。わたし包丁へたくそなのでたぶんそうならないんですけど、上手な人がやると一本の紐みたいになってくるくると綺麗ですよね。あれになりたい。くるくると剥がれていく心の表面と、つるつるのリンゴ。誰か上手な包丁さばきを見せてくれないだろうか。わたしの心をくるくると剥がして、上手に、無理やりじゃなくそっと、丸裸にしてはくれないだろうか。もっと心開けたらよかったなとか、もっと早く裸になってしまえばよかったとか、後悔することばかりの人生にこの歌詞が沁みます。わたしの皮がくるくると円を描いて剥けていくところを想像するととても気持ちがよくて、そういうイメージを持つことはメンタルの回復にだいぶ貢献してくれました。

どんなにわたしの皮が綺麗に剥けていこうとも、わたしの大好きな誰かに迷惑をかけるわけではないな、と思うのです。もしかして誰かをがっかりさせちゃうんじゃないか、とか怖かった日もあったけれど、そんなことでがっかりするような人の期待に、そもそも応える必要ないし。この曲は愛し愛される勇気をくれる曲というだけでなく、愛に執着しない勇気をも授けてくれるところがあって、ダブルミーニングだなあと思うなど。いろいろな含みを持たせながら、「世界は素敵だからまだ死にたくない そう思えるまで」と締めくくるところが愛だなあと感じます。世界、今はなかなか綺麗に見えてます。