30 Day Song Challenge Day 14

Day 14 A song I’d love to be played at my wedding(結婚式で流したい曲)

〇Ich gehör nur mir/Elisabeth(musical)

ミュージカルから2曲目。大好きな演目です。この世に存在する演劇の中でエリザベートが一番好き。愛の話であり、死の話であり、自由の話であり、権利の話であるこの作品は、ずっとわたしの心を飾るバイブルです。宝塚版は映像でしか観たことがないですが、東宝版、宝塚版それぞれ大好きです。どちらにも固有の良さがある。
エリザベートがどんなに自由を愛し重んじていたか、そしてそれを完璧に達成することが彼女の生きた時代、ハプスブルク全盛期のオーストリア・ハンガリーではどんなに難しいことだったかが、胸が痛くなるほどに詳細に描かれています。エリザベートのラストシーンは、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかと頭を抱える方もいらっしゃるかもしれませんが、いいえ、これがハッピーエンドでなくて何でしょうか。最後、トートと抱き合って幸せそうな顔をしているシシィの姿を見ていると、これこそがこの物語にふさわしいエンディングだと確信させられます。相手は死なのにね。でも時としてそれは正解になりうるし、そのようにしてしか解決できない物事も世界にはあるのだと、この作品は静かに、しかし雄弁に語っているように思えます。そしてそれがどんなに悲しく、切実なことであるかも。
ドイツ語がわからないので、本場の言語で理解できないのが悲しいのですが、日本語版の「私だけに」の歌詞を聴いただけでも、十分にシシィの抱いていた強い希望と宮廷に対する反発がうかがえます。「あなたのものじゃないの この私は」とはっきり言われた時には、よくぞ言ってくれた! それこそ我々の総意! と思ったし、「義務を押し付けられたら出ていくわ私」と歌い上げた時には、そうだそうだ! と野次を飛ばしそうになりました。この曲のほかにもエリザベートには素敵な曲がたくさんあって、名前を挙げればきりがないのですが、特に代表曲であるこの曲には一番シシィの魂が込められているような気がするので、思い入れもひとしおといった感じです。

人生のあらゆる局面で、気を確かに、気持ちを強く持っているためには、自分は自由であり、何者にも縛られない存在であると何度も確認し続けなくてはなりません。誰にも支配されない、自由な心を持っているからこそ、我々は大きな心で誰かを愛し、添い遂げることができるのですから。