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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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記事一覧

レタスの炒めもの 2種類

サラダに使われるレタスってこんな風に少しだけ余ったりしませんか? 余ったレタスは加熱することで嵩が1/3になるので、効率よく食べられます。茹でてドレッシングで食べたり、煮物なんかにしてもおいしいのですが、さっとつくれるという意味では炒め物がおすすめ。 レタスの炒め物の場合、味付けにオススメなのがオイスターソース。 オイスターソースは色々なメーカーから販売されています。どの銘柄でもいいのですが、塩味や濃度が異なるので量の調整が必要。今回使用した光食品のオイスターソースは濃

枝豆の茹で方、ベターな方法は?

暑い日が続きますが、枝豆が店頭に並んでいました。今回、入手した品種はサッポロミドリ。 枝豆は品種が多く、それぞれに異なる味わいがあります。鮮度がモノを言う野菜(枝豆は大豆の未熟果ですが、農林水産省的には枝豆は野菜で、大豆は穀類です)なので、買ってきたらなるべく早く茹でましょう。色が鮮やかで、ふくらんだ豆の粒の大きさがそろっているものが良品。部分的に黒ずんでいたり、傷がついたものは鮮度が落ちています。 枝豆の茹で方はためしてガッテンが紹介した「4%の塩水で3分30秒茹でる」

牡蠣料理レシピ〈生牡蠣〉と〈牡蠣のビスク〉

クリスマスも近いので、今日は牡蠣を使った料理を二品。まずは生牡蠣から。ポン酢やレモンなどで食べてもいいのですが、フランスでポピュラーなワインビネガーソースを添えます。 さて、生かきです。生食用を使います。何回か説明していますが、牡蠣は加熱用も生食用も鮮度は同じ。違いは指定海域や浄化処理の有無によるものです。 指定海域:採取したかきをそのまま生食用かきとして出荷できる海域 条件付指定海域:採取したかきを人工浄化(おおむね20時間換水することによ って生食用かきとして出荷で

塩うにのクリームパスタ

瓶詰めで売っている粒ウニを使ったスーパーシンプルなクリームパスタです。 うにはそのままでは保存が効きません。酵素が多いので、自己分解してしまうからです。そこで塩を加えて脱水し、アルコール(昔は焼酎だったようですが)を加えることで、保存期間を伸ばしたのが粒うにや練りうにといった食材です。本場は福井県(越前)で、日本三大珍味の一つ。 そのまま食べて、日本酒と合わせたり、タレにしたり……といろいろ仕事もできる食べ物です。最近は生うにが主流になったので、あまりフォーカスされません

玄米の炊き方

先日、ご飯の炊き方の記事をnoteにアップしました。 とはいえ、これは精白米での話。「玄米はどんなふうに考えたらいいですか?」という質問が時々、来るので、ちょっとまとめてみます。 はじめに注意点を3つ。一つは玄米にはセルロースやヘミセルロース、リグニンなどの成分が含まれているため、炊きあがりがパラっとした、あるいはプチッとした食感になります。(プチ感は胚芽に由来します) この食感がおいしいのですが、人間は牛や山羊といった草食動物とは違い、セルロースなどの成分を消化できま

焼きトマトソースの作り方

スーパーと道の駅に行ったところ、トマトがずらりと並んでいました。おいしいトマトが手に入ったときにはまとめてトマトソースづくりです。今日はとびきりおいしいトマトソースの作り方をご紹介します。 トマト 650g程度 ドライオレガノ 少々 にんにく    1片 オリーブオイル 25g 塩       3g まとめて作ったほうが楽なので、多めにできる分量です。トマトについて復習しておきましょう。 トマトは固くて薄い外皮(いわゆるトマトの皮)と外側の果肉壁、中央の芯、趣旨のまわり

いちじくの天ぷらの作り方とベスト天ぷら粉の話

さて、今日の料理は『いちじくの天ぷら』です。 ずばり、いちじくの天ぷらはご飯のおかずにはなりません。純粋に旬の味を楽しむ料理屋さんの料理。 いちじくは地中海、及び中東地方が原産の果物。クワの木の親戚です。乾燥地域の代表的な果物で、その歴史は古く、聖書にも頻繁に登場します。この果物は非常に変わっていて、果物というよりも花に近く、内側の雌花の一つ一つが小さな果実になっていて、さくさくしています。潰れやすく、腐りやすいので、生産量のほとんどは乾燥されて、流通しています。ちなみに

アスパラガスと目玉焼き

桜も咲いて、すっかり季節も春という感じです。スーパーに行くとアスパラガスが並んでいました。 基本の茹で方はこちら。アスパラガスの料理は色々とありますが、結局は茹でるか、焼くかして、シンプルに食べるのが一番おいしい気がします。特に出はじめの野菜はあれこれ工夫するよりも、そのものを素直に味わいましょう。 というわけで、今日はアスパラガス+目玉焼き+パルメジャーノチーズの料理を作ります。ビスマルク風として有名な料理です。 ビスマルク風はアスパラガスに限った名前ではなく、目玉焼

まさに贅沢「わさび丼」の作り方

わさびは日本固有の野菜。飛鳥時代から薬として使われ、江戸時代になると栽培が広まります。1892年に開発された畳石式という栽培方法の普及によって、生産量は飛躍的に伸びました。日本固有の野菜というのは非常に数が少なく(他に山菜くらいでしょうか)日本を代表する食材、日本料理には欠かせない食材といっていいでしょう。 とはいえ、現在は「チューブわさび」が主流。最近は少なくなりましたが、昔は粉わさびが多く、本物のわさびを使う機会はほとんどないのでは。 ちょっと気が利いたスーパーであれ

にんじんドレッシングの作り方

ニンジンが1/2本余りました。 普段はみそ汁やスープに入れるか、スムージーにして飲むことが多いのですが、今日は気が向いたのでドレッシングを作ります。 ドレッシングの基本は酢と油ですが、野菜のピュレをベースにするとまろやかで日本人好みの味わいになります。ビネガーの割合を減らせば(保存性はやや落ちますが)魚や肉料理のソースにも使えます。 材料表に米酢と書きましたが、僕はこういった場合、千鳥酢を使っています。酢の味わいが重要なので、この配合で作ってみて「酸っぱいな」という場合

かんぱちのごま和えとその丼

スーパーで売られていた養殖カンパチ。カンパチはブリに似た身質のお魚です。天然が希少のため、養殖が盛ん。中国から稚魚を輸入して育てる方式が一般的でしたが、最近は近海で賄ったり、人工種苗を使った完全養殖も試みられています。 養殖、わりと脂がきついのでしゃぶしゃぶがおいしいんですが、今日はお刺身で。 包丁を引くようにして使います。まな板の手前に魚を置くのもポイント。 切れたら包丁を横にずらして、続けて切っていきます。 包丁はなるべく長く使うように、柄に近い部分から引いていき

キッシュロレーヌの作り方

リクエストにあったキッシュの作り方です。パートブリゼ=ショートクラフトペストリー生地や具材のバランスなど何度も試作する必要があり、遅くなってしまいましたが、ようやくご紹介できます。クリスマスシーズンに向けて持ち寄りパーティなどにもいいでしょう。 まずはパートブリゼという塩味のタルト生地の解説から。サクッと崩れるような軽い食感のペストリー生地にするためのポイントはグルテンの生成を抑えること。そのためには水和というメカニズムを理解しておきましょう。 小麦粉が水にふれるとデンプ

noteクリエイターフェスティバル『焼き芋の話』

noteクリエイターフェスティバルが10月15日(金) 〜 10月17日(日) に開催されます。樋口はお声がけいただき、10/16(土)の14:00-14:30にお料理します。 当日「何を作るか」という話なんですが『秋の味覚』というテーマをいただいたのでここは焼き芋だろう、という話になったので、まずは基本となる焼き芋の作り方から。 さつまいもは常温、または新聞紙で包んでから野菜室で保存します。芽が出ることがありますが、手でポキポキ折ってしまえば問題なく食べられます。あと、

万願寺とうがらしの素揚げの作り方

万願寺とうがらしは甘長唐辛子の一種。 夏も終わりつつありますが、夏の楽しみの一つ。今日は素揚げにして食べます。 青唐辛子の素揚げ、というとバスク地方のパドロンという料理が有名。パドロンとは辛くない青唐辛子の名前で、それを素揚げにして食べます。日本のスペイン料理店ではパドロンが入手できないので、ししとうで代用しているところが多いようです。 ししとうもいいんですが、万願寺とうがらしもかなりいけます。ししとうと比べて皮がやわらかいのがいいんですよね。軸の硬いところだけ切り落と