見出し画像

カブのソテーをジューシーにする下処理

冬はカブが美味しい季節。焼いたカブは美味しいですが、火を通しすぎた......という経験はありませんか? 今回はそんな失敗を回避し、カブをジューシーに仕上げる下処理をご紹介します。

小カブを使います。表面をよく洗い、へたを少し残して、葉を切り落とします。 葉は捨てないでください。水にしばらくつけておくとへたの部分が開いて土が落ちや すくなります。必要なら竹串などで土を落としましょう。

根のついているほうを切り落とします。カブは皮の下に硬い繊維が走っています。

ペティナイフで切込みを入れ、その部分を指で押さえて引っ張ると硬い繊維と 皮が一緒に剥けます。慣れると簡単です。

別の角度でみるとこんな感じです。ちなみに皮は漬物に向いていますので、2%の塩 で揉み込んで、しばらく置いて食べましょう。

皮を剥いたらナイフや皮むき器で表面を整えます。この作業は省略してもOK。 次の下処理がジューシーなカブに仕上げるポイント。

カブを60度の湯に20分、漬けます。(もしくはスチームコンベクションオーブン で60度、20分間加熱してください)この工程でカブに含まれるペクチンエステラー ゼという酵素が働かき、表面を硬くすることができます。(酵素を利用することでペクチンを硬化させ、煮崩れを防ぐ手法はレトルト食品や給食などの大量調理の現場で活用されています)

かぶは冷水にとって冷まします。もちろん、そのまま加熱してもかまいません。調理するまでは水に浸けておくとかなり日持ちしますし、硬化処理によって味の流出もある程度抑えることができます。

焼くので簡単なソースをつくりましょう。醤油でもいいのですが、あっさりしたカブ にはちょっと濃厚なソースがあうので、今回は春菊を使ったソースにしました。

市販の温泉卵を使います。

ミキサーで回して、

サラダ油で薄めたオリーブオイルを少しずつ加えてマヨネーズをつくっていきます。 サラダ油100ccに対してオリーブオイル50ccです。

乳化しました。これはオリーブオイルのエマルジョンというソースで、塩、胡椒で味付けします。今回はカブと同じ冬の野菜である春菊で風味付けしましょう。

春菊を茹でてから刻んだものと一緒にミキサーにかけます。必要ならこの後、漉しますが、ミキサーの種類によっては濾さなくても充分に滑らかになる場合もあるので状態に応じて。この半熟の卵(65℃)の卵を使ってソースに濃度をつけるテクニックはフランスのシェフ、ミシェル・ブラスがハーブを使ったソースに濃度をつけるために活用している技法です。

カブを焼いていきましょう。香ばしくなるように中火でじっくりと焼いていきます。

下処理によってカブは食感を保ったままで、焼いている最中に崩れるようなこともありません。表面を硬くしたあとで加熱することで、しっかりと加熱しても硬さを保ってくれるため、噛むとジューシーに感じられる、という仕組みです。カブは好みでもっと焦がすと別の風味が出ます。

皿にソースを敷いて、焼いたカブを盛りつけます。水菜とハーブ、黒胡椒を添えまし た。下処理をしたカブは驚くほどジューシー。焼き上げたカブは塩で味付けするだけでも美味しいと思います。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!