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洋梨の赤ワインコンポート

洋梨のシーズンです。僕は洋梨が好きでよく使います。一番、おいしいのはまるごとロースト、だと思うのですが、デザートして提供する場合には作り置きできた方が楽なのも事実。そこで今日はコンポートにします。

洋なしの赤ワイン煮(コンポート)
洋なし   2個
赤ワイン  1本
砂糖   100g
レモン  半分スライス
シナモンスティック

まずは赤ワインの選択から。コンポートには写真のような安いワインを使うことが多いですがそれなりのコシがあるワインを使ったほうがおいしくはできます。

赤ワインにはいかり肩のボルドータイプとなで肩のブルゴーニュタイプの二種類がありますが、コンポートに向いているのはタンニンが少ない後者です。ちなみにタンニンの多い赤ワインは肉料理などのタンパク質系の料理に向いています。タンパク質とタンニンは結合するので、結果としてまろやかで深い味になるからです。苦い紅茶にミルクを入れるとまろやかになり、コクがアップするのと同じ理屈ですね。

今回はピノ・ノワールを使いました。ピノ・ノワールは加熱をしても色が濁らないのが特徴。色のきれいなガメイ種も向いている、と思います。

他に使う材料はグラニュー糖(100g)とレモンです。砂糖は手に入りやすいグラニュー糖を使っていますが、より美味しく仕上げたい場合は75gの果糖(フルクトース)に置きかえます。果糖を使う理由は冷たくするとひんやりとした甘みが出るからです。(ちなみにフルクトースは低温では砂糖の1.5倍の甘味度を示すため量の調整が必要)果糖は製菓材料店などで購入することができます。

ワインを1本鍋に注ぎます。通常のコンポートは水とワインで煮ると思いますが、今日は贅沢にワイン100%で煮ていきます。もしも、ボルドータイプのワインを使うなら水とワインを足して750ccになりように調整します。

そんなにいいワインを使えないよ、という場合はカシスのリキュールを足して色を補う場合もあります。ただ、洋梨の香りよりもカシスの香りが強くなるので、僕はあんまり好きじゃないですけど。

なにか香辛料があったほうがいいのでシナモンを1本入れました。

洋梨は皮を剥きます。底の部分が残りがちなのでここだけはちゃんと包丁でくり抜きます。さらに丁寧にするならスコッチブライトのスポンジで表面をこすると、洋梨の表面がなめらかになります。

沸騰させたところに

洋梨を投入。

キッチンペーパーで落し蓋をして、弱火でコトコト20分間煮込みます。洋梨を煮る時、理想は軸をワインの液面から表に出しておくことです。軸からエグみが出る場合がまれにあるので。

金串がすっと刺さればOK。串を上に刺すと、みっともないので、刺す時は底の部分を。

そのまま氷水につけて冷まします。

この状態で冷蔵庫で保存します。

一晩経つと色がきれいに染まります。ワインが安かったのでちょっとコシがないですが、水で薄めて使うよりはずっと味が出ます。理想は倍量のワインを使い、はじめに1本分を1/3量になるまで煮詰めてから、残りのワインを足し、同様に煮ることです。とはいえ、それだけコストがかかるので厳しいところ。コストと味のバランスを考えながら色々と試してみてください。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!