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南仏のソース、タプナードの作り方

今回、ご紹介するレシピはタプナード。言ってみればオリーブのペーストで、ディップのようにパンに塗ってスナックとして、あるいは焼いた魚にも肉にもあう、という万能ソースです。主な材料はもちろんオリーブ。

タプナード
黒オリーブ 170g
ケッパー 70g
アンチョビ 50g
オリーブオイル 大さじ3
レモン 2分の1個(15cc)

分子料理学に詳しいエルヴェ・ティス教授は「タプ ナードは乳濁液である」と言ってます。荒く刻んだオリ ーブにオイルが浮いているようなタプナードもありますが、今回はティス教授流に水中油滴型(O/W型)のタプナードを目指します。

オリーブは必ず種つきを使うようにしてください。種抜きで売られているオリーブは浸透圧の関係で味が抜けてしまい、味がやや落ちます。

種のとり方は簡単です。ボウルやコップなど底の平らなもので潰すと……

簡単に種がとれます。薄いコップを使うと割れるので注意。

一気にやるときは天板などで潰します。

すべての種を抜きました。ここまできたら後は簡単。オリーブオイルを除いた材料をフードプロセッサーにかけます。

重要な材料はレモン。

酸性の液体であるレモン汁は乳濁液を安定させ、また水分は乳化に必須の条件です。さて、タプナードは水中油滴型の乳化液。乳化に必要なのは水分と界面活性剤分子で す。タプナードでは水分はケッパーとレモン汁、界面活性剤分子はオリーブとケッパ ーに含まれています。

乳化を安定させるためには界面活性剤分子を分散させる必要があるので、フードプロセッサーをよく回します。

この工程により粘性が生じ、キメがこまかくなります。材料は常温のものを使うよう にしましょう。冷たいと分子の動きが悪くなり、油分を覆うことができなくなります。

今回のレシピには入れていませんが、ニンニクも南仏料理には欠かせない材料なので、加えてもいいでしょう。さらににんにくは界面活性力を持っているので、油の粒子を細かく(完璧とは言えませんが)でき、油っぽさを軽減してくれるはずです。

フードプロセッサーを回しながらオリーブオイルを少しずつ加えていきます。マヨネ ーズをつくるときの原理です。乳濁液における油の粒子の大きさは撹拌する力が大き いほど、小さくなります。油の粒子が小さければ小さいほど油っぽさを感じさせず、 また乳化が安定します。

タプナードのできあがりです。どこまでオリーブを細かくするのかは好みですね。

刻んだバジルやミントを加えるのが個人的には好みです。非常にリッチなタプナードです。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)

樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)など。新刊『新しい料理の教科書』が1/17日に発売されました!

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