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ティラミスの作り方

ティラミスはイタリア料理の定番デザート。オリジナルを考えだしたのは トレヴィーゾの有名リストランテ、レ・ベッケリーエとされています。(異論もあるようなのですが、とりあえず一番有力とされる説です)ワシントン・ポストの記事には信頼性のある話として「子供が生まれた女性(とその子供)に元気をつけるために考案した」という風に書かれています。店で出されたの は1970年代のはじめのこと。歴史のない新しいデザートがあっという間に世界に広まったのですからすごいものです。

ところでレ・ベッケリーエが発明したというオリジナルレシピは1981年に料理ジャーナリストのジュゼッペ・マッフィオーリという人によって公表されています。

卵黄 12個 12 egg yolks
砂糖 500g 1 lb 2 oz (1⁄2 kg) sugar
マスカルポーネチーズ 1kg 2 lb 4 oz (1 kg) mascarpone cheese
フィンガービスケット 60本 60 ladyfinger (savoiardi) cookies
エスプレッソコーヒー  Espresso coffee, as necessary
ココアパウダー  Cocoa powder, as necessary

材料は至ってシンプル。砂糖がチーズの半分の量入るという恐ろしいレシピでもあります。ま た、注目すべき点はお酒が入っていないこと。今ではティラミスといえばマルサラ酒やラム酒を入れることが一般的ですが、当初は母親から子供まで食べられるレシピだ ったので入っていないんですね。

ところでティラミスと検索すると下記のようなティラミスは実は色っぽいお菓子という記事が一杯出てきます。

私を上に引っ張って?「ティラミス」の意味に隠れた大人の情事」(macaroni)「ティラミスの意味・名前の由来が衝撃的だった!」(暇つぶし情報サイト)
【男子失神】イタリアのお菓子『ティラミス』の意味がムフフすぎる件」(ロケットニュース)etc……

ティラミスという言葉を直訳すると「私を引っ張り上げて」で意味としては「(倒れている)私を起こして」とか、そこから転じて「元気にして」という意味。それを強引に考えれば色っぽい……と受けとれるかもしれませんが、上述のような経緯から由来としてはちょっと考えづらいです。残念ながらデマの類かと思われますが、どうなんでしょう。

それはともかくオリジナルのレシピは強烈に甘く、濃厚な味が特徴。そんなオリジナルに敬意を表しつつ、今日は新しいレシピを考えます。

ティラミス
 卵黄 3個
 グラニュー糖 60g
 マスカルポーネチーズ 250g
 生クリーム 100cc
 濃い目に入れたインスタントコーヒー 適量(250cc相当)
 フィンガービスケット 12本
 好みのアルコール 大さじ1

材料は本家ティラミスにあわせ、シンプルに。ここからひねりを加えていきます。

まずは卵黄とグラニュー糖をあわせて泡立て機で混ぜていきます。

しばらく混ぜていると砂糖が溶けて白くなります。オリジナルよりも砂糖の量はかなり控えめ。

ここでマルサラ酒を大さじ1入れました。やはり脂肪分の多いお菓子なので、マルサラ酒の酸味があったほうが食べやすいのはたしか。オリジナルに習うなら入れなくてもOKです。アルコールはブランデーでもいいですし、ラム酒もあいます。ヴィンコットやリモンチェッロもおすすめ。

そこにマスカルポーネチーズを一パック250g投入します。

うりゃうりゃ、と混ぜているとそのうちなめらかになります。ここでホイップクリームを加えて、口当たりを軽くします。

オリジナルのレシピには生クリームは入ってませんが、角が軽く立つまで泡立てた生クリームをゴムベラで混ぜていきます。

生クリームを混ぜると口当たりが軽くなります。生クリームではなく卵白1個分を泡立てたメレンゲでも大丈夫ですが、クリームのほうが味はおいしいです。(その分、カロリーは上がりますけど)

フィンガービスケットをコーヒーにくぐらせてから

器に並べ、クリームを注ぎます。

冷蔵庫で最低二時間は冷やします。

さて、ティラミスは器を変えることでアレンジすることもできます。今回、登場するのは1個98円の植木鉢。植木鉢をつかったティラミスはイギリスのシェフ、ヘスト ン・ブルメンタールのアイディアです。

コーヒー をくぐらせたフィンガービスケットを敷いて、

ジップロックなどの袋にクリームを入れて、袋のはしを切ると絞り袋の代わりになり ます。

こんな風に絞っていきます。

フィンガービスケットをもう1段。

もう一度、マスカルポーネクリームを絞って冷蔵庫で冷やします。

型の方にはココア(またはエスプレッソコーヒーの粉)を振りますが、ココアの粉に
は味がありません。そこで植木鉢の方には、、、

クリームを除去したオレオ・ビスケットをミキサーにかけ、粉にしたものを使います。 チョコレートの土です。ヘストンさんは水と砂糖を135度まで加熱し、チョコレート を混ぜた「チョコレートのカラメリゼ」とナッツなどを混ぜたもっと凝った土をつく っていますが、今回は手軽にブラックココアのビスケットにしました。

表面にオレオビスケットの粉をふりかけます。これでも結構、土っぽく見えますし、 味もいいです。ちなみにこの土はバニラアイスクリームにかけるだけでもおいしいです。

バジルを飾り、ティラミスの植木鉢の完成です。バジルはミントでもOK。

ヘストン・ブルメンタール風のティラミスです。植木鉢を使ったアイディアは元々 Nomaのレネ・レゼッピが下にハーブヨーグルトのソースとモルトでつくった土を盛 り、ラディッシュなどを挿した料理がオリジナル。そのためヘストンさんはこのティ ラミスを紹介するときにも植木鉢に盛り付けるオリジナルアイディアを発表したレネ・レゼッピの名前を明示していま す。

料理には著作権がないので、コピーをするのは自由ですが、いくら罰則がないからといって、自分のアイディアのように発表する恥ずかしい人がいるのは困りもの。いつもオリジナルへの敬意を忘れないようにしたいですね。それでは。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!