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cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第12回余談『口に入れるとすぐに溶けるほうじ茶ゼリーのレシピ』

cake連載の更新。

ここは一つ方向性を変えてデザートに。

掲載したレシピは極端に甘味の少ない配合なので、好みで増やしてください。プロは板ゼラチンを使いますが、驚くのは家庭用の粉ゼラチンの使いやすさ。顆粒状に加工してあるので熱い湯に入れて、かき混ぜるだけで溶けます。水に戻す必要もなし。

コーヒーを煎れて、300ccをはかり、砂糖を適当に入れて、ゼラチン一袋を溶かせばコーヒーゼリーになります。できたコーヒーゼリーには市販のアイスクリームか、プリンを組み合わせてください。特にプリントの組み合わせはおすすめです。

ゲルの科学は料理と密接に関係しています。マッシュポテトもデンプンがゼラチンの役割を果たし、水分を閉じ込めているゲルです。(究極のマッシュポテトのレシピ

で、記事の後半では寒天を紹介しています。

寒天(agar)は日本で古くから使われているゲル化剤ですが、むしろ海外で様々な使われ方をされています。ゼラチンとは違い、たんぱく質ではなく、多糖類の一種。ガラクトースとアンヒドロガラクトースの重合体です。ベジタリアン向けのゼリーの材料として重宝します。

寒天はゲル化する力が非常に強く、0.05%からゲル化はじまり、0.15%で半ゼリー状になります。低濃度の寒天でつくった低濃度のゲルは非常に面白い性質があります。物理的な衝撃を与えると、液体に戻るのです。

口に入れるとすぐに溶けるほうじ茶ゼリー
ほうじ茶 1L
粉寒天  4g
グラニュー糖 60g

1 ほうじ茶と粉寒天、グラニュー糖を混ぜ合わせ、強火にかけます。沸騰したら火を止めて、熱いうちに容器に注ぎ、粗熱がとれたら冷蔵庫で数時間、冷やします。

出来上がり。1Lまで増やすともはや切れません。物理的な衝撃を与えると崩れるのでまな板にうつすことも困難ですから。で、容器に入れて固めています。

このゼリー、口に運ぶと、一瞬で液体になります。新感覚ゼリーのようですが、寒天が昔ながらの材料というあたりが面白いのではないでしょうか。日本料理店のデザートにもゼラチンが多用されていますけど、寒天の性質をもっと深掘りしても面白いと思います。もちろん、冷製スープにも応用できます。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!