cakes連載〈「 おいしい」をつくる料理の新常識〉第21回余談『豚肉じゃが』

cakesの連載の更新。テーマは『肉じゃが』

肉じゃがの肉といえば関西圏では『牛肉』、関東圏では『豚肉』が一般的。境界線はかなり曖昧ですが愛知までは豚肉という感じ。この境界線は関東と関西の味付けの境界線とほぼ重なります。とはいえ関東の人も牛肉を使った肉じゃが、食べますけどね。どっちだって別にいいのです。おいしければ。

最近の料理研究家の方に関西圏出身の方が多いせいか、牛肉の肉じゃがのレシピが一般化した感もありますね。いつのまにかテレビに増えていたよしもと芸人みたいな感じか(←違う)

気を取り直して、今回の余談。肉じゃがのレシピを再検討したわけですが、まず行ったのは調理工程の見直し。加熱時間のかかるじゃがいもを先に煮て、あとから牛肉切り落としを入れる形にしました。最高の肉じゃがをつくるのであれば牛バラ肉などの煮込み用の部位を塊のまま煮込み、最後にじゃがいもを加えるといいと思います。

とはいえ、切り落とし肉を使った場合の一体感も捨てがたいところ。本文に少しだけ書きましたが肉じゃがの本質が「すき焼き」にあるとすると、薄切り肉のほうが肉じゃが的には正しいでしょう。

次に行ったのは材料の検討です。加熱時間のかかるニンジンは削除。白滝も削りました。白滝に含まれるカルシウム分には野菜のペクチンを硬くする作用があるので、ジャガイモの口溶けが悪くなるからです。煮崩れ予防に効果的なのでたくさん煮る場合には入れたほうがいいかもしれませんが、煮る量が少なければ入れないほうがおいしくできます。

noteでは豚肉ジャガをご紹介します。cakesで紹介した牛肉じゃがとの作り方の違いに注目してください。

豚肉じゃが
豚バラ肉 150g程度
じゃがいも 5〜6個(500g〜600g)
玉ねぎ   1個(150g〜200g程度)
水     500cc
醤油    50cc
ミリン   80cc(90g)

ジャガイモは皮を剥きます。(参考 ジャガイモの皮剥き、基本+α

豚バラ肉を使うレシピです。豚バラ肉はコラーゲンの多い部位なので加熱時間がかかります。そこで最初からジャガイモと一緒に煮ていきます。

じゃがいもは2.5cmから3cmを目安に切ります。厚めに切ることで加熱時間を稼いでいます。

冷たい行平鍋に玉ねぎと豚肉を入れて、中火にかけます。牛肉じゃがの場合は肉が鍋にくっついてしまうことを避けるために牛脂だけを加熱しましたが、この場合は違います。

この場合はくっついてしまっても問題ありません。ただ、無理に剥がすのではなく、鍋肌に焦げ目がついてきたら、水を加えます。

水を注げばくっついた豚肉は剥がれます。豚肉と鍋肌のあいだに水分が入り込むことで浮くからですね。

ゴムベラか木べらで鍋底から剥がします。煮汁にも豚肉の焦げ目に由来する風味がつきました。

ジャガイモを投入し、ミリンを注ぎます。cakesの連載では砂糖を使っていますが、ミリンのほうがまあ複雑でおいしいですよね。(コストがかかりますが)

醤油を投入。

沸いたら弱火に落として20分間煮ます。表面に浮いているアクはとる必要は特にありません。

20分たったら火を止めて、10分間放置します。

出来上がり。豚バラ肉はしっかり煮たほうがとろけるような食感になり、おいしくなりますね。ちなみに以前、ロース肉を使ったレシピでは(煮含め型の肉じゃが)脂身側だけを炒めて、肉は後入れしました。肉じゃがと言っても使う部位や状態によって作り方は様々。おいしさのためにはレシピを覚えるよりも適切な調理法を選択することが重要ということですね。

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おいしさの新常識、スピンオフ

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