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豚バラ肉の黒胡椒煮付けの作り方

cakes連載の更新。

テーマは『豚の角煮』でした。この豚の角煮の問題点は『一度目の下茹で90分』→『二度目の本加熱60分』と時間がかかること。その点を踏まえて、こちらでは30分くらいの煮込み時間でなんとかおいしく食べられる豚バラ肉料理を、というコンセプトで考案したレシピをご紹介します。

豚バラ肉 300g
砂糖   15g
塩    3g
酒    100cc
水    200cc
醤油      大さじ1
砂糖   大さじ1
黒胡椒  好みで

豚バラ肉は加熱時間を短くするために小さく切ります。薄く切れば切るほど煮込み時間は短くなりますが、いわゆる肉らしい満足感は減るので妥協点を見つける必要があります。

今回は1.5cm厚にスライスしました。この後の工程ですが、はじめは酢でマリネしたり(phを酸性に傾けるとコラーゲンの分解が早く進むため)酒でマリネしたりしてみたのですが、加熱時間にたいした差はなし。結論的にいえばもっとも柔らかな仕上がりにするために有効な手法は〈砂糖でマリネする〉ことでした。このあたりは角煮と一緒です。

豚バラ肉(300g)の重量に対して5%の砂糖(15g)と1%の塩(3g)を振って、15分常温で置きます。常温で置いても2時間以内であればその後、加熱するので安全性に問題はありません。

こんな状態になるので、表面に浮いてきた水分を拭き取ります。

油抜きを早く済ませるために、皮目からテフロン加工のフライパンで加熱していきます。茹でるよりも高温で加熱することで、脂が多く抜けます。

砂糖が入っているので焦げやすいので注意。皮目をしっかり焼いたら、片面を焼いてきます。

キッチンペーパーで出てきた脂肪分を拭き取ります。豚バラ肉表面の糖分がカラメル化するので味に深みが出ます。中国料理の豚の角煮の場合は砂糖を焦がしたところを紹興酒などで伸ばしたりしますが、原理的には一緒です。

酒100cc、水200cc、醤油大さじ1、砂糖大さじ1を加えて沸騰するまでは強火。あとは弱火に落として30分煮ます。

レシピには入れていませんが、台所にネギがあったのでぶつ切りで入れてみました。

仕上げに胡椒をいっぱい振りました。角煮よりもインパクトの強い味にするためです。韓国産の粉唐辛子でも面白いと思います。

30分たった状態で煮汁が多ければ強火でいい感じになるまで煮詰めれば完成です。煮詰め具合が弱くても、しっかり煮詰めてもどちらでも違うおいしさになります。

角煮と違ってほどけるような柔らかさではなく、しっかりと噛んで味わう肉料理です。そのため、味付けを強めにして、ご飯などにあう味にしています。

煮付けと煮込みの違いですが、煮汁をそのまま煮詰めていく(炊き上げといいます)のが煮付けで、煮汁の量にかかわらず一定の長さで煮込んでいくのが煮込みです。したがってこちらは煮込みではなく、煮付けという名前になります。豚バラ肉は安価なので、そのぶん時間をかけておいしくしましょう。身も蓋もない言い方をすれば、時間をかけるか、お金をかけるか、おいしい料理を食べたければこのどちらか、です。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!