簡単スフレの作り方~アボカドとチョコレートのスフレ~

ディナーの最後にふわふわに焼き上がった熱々のスフレを出せば拍手喝采。しかし、スフレは難しいとされるデザート。しかし、難しい理由は失敗しやすいレシピが多いからです。今日は簡単なスフレのレシピ。

アボカドのスフレ(2人前) 
アボカド 1個(正味120g)
バニラペーストまたはバニラオイル 少々
卵白 2個分
砂糖 大さじ3
ブラックチョコレート 半分
粉糖 適量

スフレで重要な材料はメレンゲ。〈メレンゲの科学〉でも触れましたが、メレンゲの大敵は3つ。油脂、洗剤、卵黄です。

一番、難しいスフレはバターと小麦粉を炒めてルーをつくり、そこにチーズと卵黄を加え、泡立てた卵白を混ぜ込んで……というレシピです。バター、チーズとメレンゲの大敵である油脂分を増やしていっているわけですから高難易度なのは当然。仕上げに卵黄を混ぜ込むのも卵白の泡が壊れる原因になるので、わざわざ難しくする方法です。

そんなことはせずに、卵白だけを使えば簡単。しかし、卵白だけでは味気ない上に強度が足りず、自重で潰れることがあるので、油脂分を含まないピューレ(例えばジャムのような)で補強します。今日、ピューレに選んだのはアボカドですが、もしもピューレの濃度が足りなければコーンスターチなどのデンプンで補強しておきます。

ピューレではなく、チーズやチョコレートなど脂肪分を含む食材で風味付けしたい場合もありますが、その場合にも小麦粉かコーンスターチなどのデンプンで油脂分をコーティングすればOK。スフレには卵黄ではなく、クレームパティシエール(カスタードクリーム)を使うケースが多いのは、卵黄の油脂分を小麦粉のデンプン質でコーティングして、卵白に触れさせない技法です。

オーブンは190度に温めておきます。熱いオーブンに入れることもスフレを成功させるポイント。高いオーブンに入れることで、水分を蒸発させ、卵白の泡を膨らませます。低いオーブンに入れると蒸気があまり出ないうちに卵のタンパク質が固まるので上手に膨らみません。

まずはアボカドの半分、種にそって包丁を入れます。皮を器に使うので、すこし丁寧に。

種にナイフを差し込んで、ねじればとれます。

果肉はフードプロセッサーにかけるか

裏ごして、滑らかなピューレにします。

ボウルにアボカドのピュレを移し、バニラで香り付けしました。便利なバニラペースト を使いましたが、本物のバニラを使ってももちろんOKですし、バニラオイルでも問題なし。ちなみにバニラの棒を使う場合は半分に切って種をとりだして使いますが、香りが多く含まれているのは実は鞘の部分。バニラペーストには鞘から抽出されたエッセンスと種の部分が一緒に入っているので効率的なのです。

さて、器も用意します。ココット型を使う場合は内側にバターを塗り、グラニュー糖を振っておきます。小さめの器を使うのもコツで、大きい皿を使う場合は低めの温度で長く焼かないと火が通らないうちに外側が焦げてしまいます。しかし、前述した通り低めの温度で焼くとスフレの膨らみは弱くなるので、銘々の小さな器を使ったほうが失敗は少ないです。

冷やしておいたボウルと卵白を泡立てます。

メレンゲの泡立て方は前述の記事(メレンゲの科学)を参照してください。

機械で泡立てる場合は最初に少量の砂糖を加えて一気に泡立ててから、残りの砂糖を加えますが、手作業の場合はある程度、泡立ってきてから徐々に砂糖を加えます。1度に加えずに3回にわけて大さじ1ずつ足していきましょう。砂糖を加えて、泡立て、また加えてから泡立てる、 という感じです。

角が立つまで泡だったらOK。

アボカドのピュレに三回にわけて加えます。ゴムべらで泡をつぶさないように切って 折りまぜるように。

ふんわりとしたスフレ生地ができました。

さきほど準備した容器やアボカドの皮にスフレ生地を入れ、中心にチョコレートを差し込みます。チョコレートは油脂分なのでスフレの泡を潰してしまいますが、固まりのまま入れれば卵白が膨らんだ後に溶けるので、失敗も少なくなります。

上に生地で蓋をして、オーブンに入れます。

焼いている最中にオーブンの扉を開けると失敗すると書いてある料理書もありますが、別に最初の段階で卵白が膨らんでしまえば開けても大丈夫です。8分間くらいでいい感じにふくらむと思います。加熱時間は長くても10分でしょう。

取りだして表面に粉糖を振ります。

熱いうちに食べましょう。

スプーンを入れると中からチョコレートがとろり。小麦粉やコーンスターチの入っていないので軽い仕上がりが特徴。アボカドとチョコレートは相性のいい組み合わせですし、グリーンもきれいで す。ハフハフと食べてもいいですし、夏場はアイスクリームを添えてもいいでしょう。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)

樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)など。新刊『新しい料理の教科書』が1/17日に発売されました!

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