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二日酔いの朝に〈八丁味噌湯〉

昨年、愛知県の醸造元を数軒めぐったのですが、そこで教えてもらったのがこの『八丁味噌湯』です。八丁味噌とは岡崎城より西へ八町(約800m)離れた八丁村でつくられていた味噌。現在、その製法を守っているのは東海道を挟んだ二軒──カクキューとまるや八丁味噌の二軒です。もちろん、八丁味噌以外でも豆味噌であれば同様につくることができます。「二日酔いの朝に飲むと最高なんですよ」とのこと。

水 200cc
八丁味噌(濾し味噌でも粒味噌でも) 15g

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材料は至ってシンプル。水と味噌だけです。作り方にコツがあります。

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まずは味噌を湯で溶きます。うちには味噌漉しがないので、そのまま溶いていますが、八丁味噌は溶けづらいので味噌漉しを使うのが普通です。粒味噌の場合は包丁で削り、それを煮出してから濾す、というような手間を踏みます。しかし、そのままでも粒感があって、それもまたいいものです。

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八丁味噌を溶かすコツはゴムベラで鍋底に押し付けるようにしながら混ぜることです。湯の量は少なめのほうが溶きやすいと思います。

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通常、味噌汁に使う味噌は沸騰させてはいけない、と言われています。しかし、豆味噌の場合は別。沸騰したら弱火に落とし、ことことと5分間煮ます。煮ている間に味噌から味が出てきます。味噌もやわらかくなるので、そこで溶かすといいでしょう。

水の分量を200ccにしていますが、蒸発するので最終的に180ccくらいになるはずです。

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出来上がり。ふうふう言いながら飲みます。出汁を使っていないのですっきりとした豆味噌本来の風味が生きています。味噌をぐつぐつ煮るということに抵抗があるかもしれませんが、考えてみれば味噌煮込みうどんや味噌カツのたれなど八丁味噌の味は長く煮込んでこそ味が出てくるものばかりです。一度は試す価値があります。これ、個人的には結構、発見でして、というのも日本料理の世界では赤味噌(豆味噌)は「鰹食い」といわれ鰹節との相性がいいので、濃い目に出した鰹出汁を合わせるのが一般的だから。しかし、長くに出すことで味に厚みが出ますし、すっきりとした味わいが生きてきます。出汁がありゃいいってものでもないんですね。

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