春野菜のスープ

この春野菜のスープはフランス語でPotage Culeivateur(ポタージュキュルティバトゥール)という料理です。キュルティバトゥールとは畑を耕す人=農夫の意味。農夫風という素朴な名前がついてますが、味わいは簡素にして優雅。その秘密は小さな三角形に切った野菜を薄切りにする工程にあります。野菜を小さく切ることで、火が均一に通り、食べるときにひとさじで数種類の野菜がすくえるので、口の中で複雑な風味が味わえるのです。

フランスだとこんな風に薄く切った野菜の冷凍品が売られているので手軽といえば手軽につくれる料理なのですが、日本だとちょっと腕まくりしてつくる感じになります。なので、いつもより分量はかなり多め。6人前くらい一度につくっています。残った分は冷凍して、ちょこちょこ食べられば労力は報われるはずです。

春野菜のスープ(6人前)
ベーコン 80g
新玉ねぎ 1個
春ニンジン 1本
セロリ   半分
小カブ   1個
水     1.2l
キャベツ  90g
ジャガイモ 1個
さやいんげん 6本
無塩バター 30g+α
塩 白こしょう

まずは野菜を薄切りにしていきます。新玉ねぎは半分に切り、それを縦に三等分に切リ込みを入れ、それを端から薄く切っていきます。

ニンジンは細い部分と太い部分があるので注意が必要。

半分に切って、細い部分は二等分にしてからスライス。

太い部分は三等分にしてからスライスしてきます。セロリも同様に1cm角になるようにスライスします。玉ねぎ、ニンジン、セロリは同じ仲間なので一つのボウルやバットに入れておいて大丈夫です。今回はカブも入れるので、カブも縦に切ってから三等分し、薄切りにしておきます。カブはやや大きい感じがしますが、やわらかくなるので心配無用です。

ジャガイモとキャベツも同様に1cm角になるように切り、性質が異なる野菜なのでわけておきます。ジャガイモは使うまで水につけておくと色が変わりません。

ベーコンは棒状に切って、熱湯で30秒茹でて燻製の香りを洗っておきます。野菜の香りを生かすためには必要な手間です。

厚手の鍋を中火にかけて、バター30gを溶かします。

玉ねぎ、ニンジン、セロリ、カブを投入し、塩を小さじ1/2加えてから、弱火でゆっくりと炒めていきます。ここで加える塩が重要です。野菜から水気と甘みを引き出す、とされていますが、もうすこし厳密にいうと、塩を加えることでペクチンが溶けやすくなり、野菜に早く火が通るのです。

蓋をして蒸らしながら汗をかかせるように炒める工程をシュエと言いますが、ここには時間をかけましょう。この料理にはブイヨンを使わないので、野菜の味をしっかりと引き出すことが大事。事前に油脂で加熱するメリットは野菜の芳香成分が油脂に溶けることと味が濃縮すること。

あ、残っていたタイムを入れてますが、これは必ずしも必要というわけではないので無視してください。

15分経過しました。蓋の内側についている水蒸気には風味がかすかにあるので、なるべく内側に落とすようにしましょう。

20分経過。ここまでやわらかくしてから、水1.2Lとベーコン、キャベツ加え、火を強火にします。

沸騰したら弱火に落として、ことことと30分間煮ます。

そのあいだにさやいんげんとカブの葉っぱを下茹でしておきます。熱湯で2〜3分間茹でてから水にとり、細かく刻みます。

30分経過の段階でジャガイモを投入し、さらに5分間煮ます。

5分経過。さやいんげんとカブの葉を入れてさらに5分煮込みます。最後に塩小さじ1/2弱と胡椒で味を整えます。塩加減はやや控えめにしておくのがコツ。必要ならテーブルで足しましょう。

皿に少量のバターを置き、

そこにスープを注ぎます。こちらのレシピはジョエル・ロブションのルセットがベースになっていますが、特徴的なのは二点。ベーコンを茹でて燻製香を抜いておくことと、最後に皿にバターを入れ、風味を加えているところです。このあたりがロブションさんっぽい。食べるときに好みで粉チーズを振り、ガーリックトーストを添えてください。たまにはこういう料理をつくると基本が確認できるので、料理が上達すると思います。

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