cakes連載の第24回。テーマはパンケーキ。

ふっくらパンケーキは生地を寝かせるな、混ぜ過ぎるな！ | 「おいしい」をつくる料理の新常識 | 樋口直哉 | cakes（ケイクス） 食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。26回目のテーマは『パ cakes.mu

今回のパンケーキはベーキングパウダーで膨らませた。さらに軽くしたいという場合には卵の力を借りることになる。つまり、メレンゲを混ぜるのだ。

軽いパンケーキ
材料
小麦粉　　　100g
グラニュー糖　大さじ2
塩　　　　　ひとつまみ
ベーキングパウダー　小さじ1
卵　　　　　1個（卵黄と卵白にわける）
牛乳　　　　100cc

その前にベーコン風味のメープルシロップをつくる。これはイギリスのシェフ、ヘストン・ブルメンタールのアイディアで、ヘストンさんにはベーコンエッグ風味のアイスクリームという名作も発表している。（イギリスの朝食を模した料理で紅茶のゼリーなどを添えて提供される）

準備するのはスモークベーコンとメープルシロップ。

cakesではフライパンで焼いたけれど、ベーコンはオーブンで焼くのが実はベスト。安定しておいしく仕上がる。190度のオーブンで10分、焼いた。

この状態。このまま食べるわけではないので、焼き色をちょっと強めにするのがコツ。

メープルシロップ100ccに焼いたベーコンを漬ける。一時間以上、理想は一晩漬けて香りを移してから使うのだ。

さて、パンケーキづくり。

卵黄と卵白をわけ、卵黄と牛乳は混ぜ合わせておく。

卵白はメレンゲに。メレンゲの泡立て方、及び原理はこちらの記事を参照ください。しっかりと固めに泡立てます。

粉と液体（牛乳＋卵黄）を加えて混ぜ、途中でメレンゲを加えて切るように混ぜる。

あとは焼くだけ……なのだけれど空気がたくさん入っている分、火が通りづらいので……

火加減を弱めにして、蓋をして加熱。

焦げ目がついたら……。

裏返す。もう反対側も蓋をして同じように焼けば出来上がり。

メープルシロップの方はベーコンを濾し、とりのぞいておく。

シンプルに切ったバナナを載せて

ベーコン風味のメープルシロップをかける。ベーコン風味のメープルシロップは甘じょっぱくて癖になる味。

余談ですが、ネットで検索するとヨーグルトやマヨネーズを配合したレシピをよく見かけます。PHを酸性に傾けるとベーキングパウダーはよく反応するので、この2つを加えるとふっくら感が増します。とはいえ、メイラード反応が進まないという弱点も。メイラード反応は中性からアルカリ性でよく進みますが、酸性だと起きづらいからです。解決策は重曹を1gほど足してPHを調整すること。メカニズムが理解できれば色々と工夫できるのもパンケーキづくりの楽しいところです。