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〈食と生活〉休日の料理とジェノベーゼの冷製パスタ

GW明けで、一日遅れの食と生活です。ところで「さぁ、休みましょう」と言われてみんなで休むのがどうにも納得がいかないので、いい加減日本も好きなときに好きなように休めるようにしたらいいのに、と思います。そうしたら混雑も分散できるのにね。ま、いろんな事情があるんでしょう。

さて、北欧、スウェーデンに「フェビケン」というレストランがあります。食いしん坊の方にはよく知られたお店で、OADのレストランレビューがいい感じなので引用します。

どんなアートもクラフトもその陰にはフィロソフィーがあり作品はそのフィロソフィーを具現化し生活の一部と繋がって行く。徹底した自然主義とサイエンスのコンビネーションが近代料理を定義するとしたら マグナス・ニルソンのレストランは確実にその好例である。 スエーデンの真ん中の森の中に建っている(一番近い町まで車で30分かかる)。フェビケンは人間が大自然と共存していた頃を再現している。 レストランのある環境は殺風景でこの世の果てのような感じがする。ニルソンの料理は 焦げたクリームだけが塗られているような感じだがこの上無く美味しいラングスティンに代表される。徹底したミニマリストである。 ダイニングルームは17人しか座れない。レストランまで到達する困難も美食体験の一部となって加味される。レストランに着くと何ものにも犯されていない過去の中に入り込んだ感じになる。

『何ものにも犯されていない過去の中に入り込んだ感じ』という比喩がイケてますし、自然主義とサイエンスの融合というのが近代料理(どちらかというと訳は現代料理のほうが適切な気もしますが)という定義も感心します。先日、このお店の閉店が発表されました。

閉店っていうと後ろ向きなイメージがあるんですが、北欧のレストランは本当によく閉店するんですね(笑)友人のデンマーク人に「どうして?」と聞いたら「転職みたいなものだと思う」と言っていました。「こっちの人はよく転職する。辞めても保障があるから決断しやすいというのもあるけど飽きっぽい人が多いんじゃないかな」

日本ではやはり「何十年も続けた老舗」みたいなものが尊ばれる文化があって、それはそれでいいんですけど、続けていることをやめたり、休んだりする自由があっても思うんですよ。もう少し、気軽に休んだり、逆になにかをはじめたりできれば世の中の風通しも少しはよくなるんじゃないかな。

北欧について書かれたルポ・ノンフィクションではこちらの本がおすすめです。

著者は日本では「英国一家、日本を食べる」という本で知られるマイケル・ブース。こちらの本はバラク・オバマが演説で引用したこともあり、彼の著作のなかでもっとも売れた本らしいです。この本がそんなに売れてなくて「日本を食べる」が売れている現実を知ると、日本人ってまー、自分たちのことにしか興味がなくなったんだなぁ、と遠い目をしたくなりますが、どちらも面白い本です。

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