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基本の冷製トマトパスタのコツはソースをシェイク!

熱い日本の夏にぴったりのパスタといえば冷製トマトソース。日本独特のメニューで「イタリアにはないからつくらない」というポリシーの人もいますが、日本の気候にはぴったりです。

冷製トマトソース(2人前)
フェデリーニ 160g
水 1.5l
塩 22.5g
〈トマトソース〉
ミニトマト(大きめのもの) 380g相当
オリーブオイル 60cc
赤ワインビネガー 15cc(大さじ1)
ハチミツ 小さじ2分の1~1
塩 小さじ2分の1
黒胡椒 少々
バジル 少々

まずはおいしいトマト選びから。酸味と甘味のバランスがいいトマトが一番ですが、 フルーツトマトは価格が高すぎるので除外。しかし、普通の大きいトマトは味にばらつきがあるので、今回は大きめのミニトマトを使います。ミニトマトやミディトマトは品種の関係で味のばらつきが少ないか、と思います。

あとは名脇役のバジルを組み合わせました。乾燥のオレガノもいいと思います。

ミニトマトはおいしいのですが皮が硬いのが難点。そこで皮は湯剥きします。十字に切り込みを入れる、とかいろいろと料理本には書いてありますが、葉をとってミニトマトを二十秒ほど湯に通し、冷水にとれば皮は剥けます。

四等分にしました。小さなミニトマトなら二等分でしょうか。 このとき蓋ができる容器でソースをつくるのがこのレシピの肝です

結構、大量のオリーブオイルが入ります。ビネガーを加えますが、今回はコクのある赤ワインビネガーを使いました。他にレモ ン汁でもOK。レモン汁のほうが酸味が優しい仕上がりになります。ビネガーははっきりとした酸味が残り、夏っぽい味わいに。好みで米酢でもOK。

塩とここで隠し味のハチミツが入ります。ハチミツの量も好みで調節しますが、ここ で甘味をつけておくとトマトの味の差は結構、ごまかせます。(cakes連載「レストランの味を再現! トマトの冷製パスタ」を参照してください)

バジルや胡椒を加えて、冷蔵庫で冷やします。

パスタを茹でます。通常のパスタは塩分濃度1%の湯を用意しますが、この後、表面を水で洗ってしまうので1.5%の塩分濃度で茹でます。冷製パスタはここでしっかりと下味をつけておかないと味がボケます。

パスタはフェデリーニを使いました。パッケージに表示されている茹で時間は6分ですから6分20秒茹でます。ジャストアルデンテだと冷やした時に硬くなりすぎますが、茹で過ぎた場合は元には戻りません。このあたりが難しいところ。好みの食感を探しましょう。パスタの種類はカッペリーニやスパゲッティーニでもいいと思います。あとは冷たいパスタをつくる場合のささやかなコツとしていつもより少なめにする、 というのがあります。冷たい料理は味が濃いので、量を控えたほうがおいしく食べられます。

茹で上がったパスタを流水で冷やし、さらに氷水で冷やします。お蕎麦やうどんなどに慣れている日本人には普通の料理法ですが、タリア人には驚きの光景のようです。

と言いながらイタリアでも昔は茹で上がったパスタは水で洗っていたそう。原書房から出ている『パスタの歴史』という本によると、17世紀初頭に出版されたジョヴァンニ・デル・トゥルコの『エプラリオ』という本では茹であがった冷水で洗うことが推奨されているとのこと。「当時のイタリア料理においては、パスタを水で冷やすことも珍しくなく、家庭にいたっては20世紀末になってもこの習慣は廃れていなかった」 そうです。もちろん冷やしたパスタはソースで温めていたようですが、手で食べていたわけですからぬるい状態が一般的だったのかもしれません。

余談はさておき、冷やしたパスタの水気はペーパータオルできっちりと取りま しょう。ここが冷製パスタをつくるときに共通するポイントです。温かいパスタであればフライパンで水分量の調整が出来ますが、冷たい場合はそうはいかないので。

冷蔵庫で冷やしておいたソースを絡めます。 ここがこのレシピの最大のポイント。蓋付きの容器をよく振って、トマトの水分とオリーブオイルを乳化させま す。

乳化させたソースをパスタを絡めます。温かいソースを和える場合は鍋を激しく振らなくても適正な水分と乳化剤、オイルがあれば乳化しますが、冷たいパスタの場合はそうはいきません。なので蓋付きの容器にソースを入れて、シェイクすると簡単なのです。

ソースはきちんと乳化しています。少しですがハチミツを入れてあるので、それもソ ースのとろみに影響しています。

あとは盛りつけるばかり。器は冷凍庫で冷やしておくといいでしょう。モッツァレラチーズを混ぜたり、ツナ缶を混ぜるとさらにボリュームが出ます。ランチにどうぞ。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!