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ステーキになにつけて食べる?

皆さんはステーキになにをつけて食べますか? シンプルに塩、コショウでもいいのですが、今日はいくつかの調味料を試してみます。

牛肉の旬は実は冬。寒い時期は脂の質もよく、一年で一番おいしい牛肉が食べられるのは2月(1月にと畜した肉が食べごろになる頃)です。先日、スーパーに行ったら結構、いい肉が売っていたので、購入。

国産牛のヒレ肉です(これで2000円くらい)肉の見分け方はまず赤身が小豆色をしていること。次に脂肪の模様を見て、脂肪の白い枝の先が細かいものを選びます。脂の量は好みですが、これくらいが僕は適正だと思います。もちろん、霜降り牛肉の良さがある、という主張も理解できますが、それだったらしゃぶしゃぶとかすき焼きにしたほうがおいしく食べることができるでしょう。

1.5cmの肉を焼く方法は以前紹介しましたが、2cm〜2.5cmくらいの厚みがあったほうが本当はおいしい。分厚いので今回は焼き方が少し変わります。とはいっても前回は終始、強火でしたが途中で火を中火に落とすだけです。

薄めに塩を振っておきます。重量比で0.4%くらいが目安。あとから味付けして食べますからね。

強火でフライパンを予熱します。表面温度の目安は230度。かなりの高温なので、心配になりますが、大丈夫。ちなみに市販のサラダ油(キャノーラ)の発煙点が232℃くらいで、ピュアオリーブオイルが242℃ですから、ピュアオリーブオイルを選ぶのがベター(参考https://en.wikipedia.org/wiki/Smoke_point)。澄ましバターも熱に強いので、贅沢するならアリです。

発煙点を超えると油が分解し、まずくなるので、肉を投入して温度を下げます。肉は常温に戻して……とよく聞きますが、冷蔵庫から出したてでも大丈夫。ただ、加熱時間が全体の20%ほど変わってきます。例えば常温に戻してから3分焼いてちょうどいい具合になる肉があったとして、冷蔵庫から出したての肉の場合は3分30秒強かかるということ。

20秒ごとに裏返しながら焼いていきます。

肉を置いた部分のフライパンの表面温度が下がるので、肉を動かすことで焼き目を均一につけます。

肉が分厚くて重いと肉の下の部分に油が入りません。そういう意味でも肉を動かすことは合理的です。

20秒経過して、ひっくり返すとこんな状態。この頃になるとフライパンの表面温度があがってくるので、ここで火加減を中火に落とします。

何度も裏返しながら焼いていきます。

3分焼きました。

火を消した五徳の上にバットを置いて、そこで肉を5分間休ませます。そのあいだに肉の中心温度が3〜4℃ほど上がります。

これくらいがロゼの焼き色。これくらいで中心温度は54℃です。

焼き具合を確かめるのは端を切るのが簡単。もしも生っぽいな、と思ったらもう一度フライパンで焼きます。肉汁が逃げる気がしますが、切った部分からだけなので限定的。心配はご無用です。

さて、このヒレステーキ。なにをつけて食べましょうか?

まずは基本の塩、コショウ。塩の味は粒子の大きさによって異なるので、いろいろな種類を試してみるのも楽しいでしょう。

お次は辛子醤油です。カラシ醤油は脂が少ない肉に向いています。

わさび醤油が好き、という方も多いのでは。ワサビ醤油の場合、濃口醤油ではなく、再仕込み醤油を使うというパターンもあります。脂の多めの和牛などを食べる場合はわさびが最高にあいますね。

もっと脂の多い──例えばサーロインなどを食べる場合はポン酢+大根おろしがおすすめです。

こちらが必殺技の卵黄1個に対して醤油大さじ1/2を加えた黄身醤油です。にんにくを漬け込んだにんにく醤油を使うと個性も出せます。

卵黄を絡めると味が一気にリッチになってご飯にあう味になりますね。脂の少ない国産牛のヒレ肉にはこれがベストではないでしょうか?

最後に変化球です。肉のイノシン酸と旨味の相乗効果があるグルタミン酸を多く含むケチャップをつけて食べるパターンです。アメリカ合衆国大統領のドナルド・トランプが好む食べ方。安価なアメリカ産の牛肉などをやや雑に焼いて、ケチャップをつけて食べると結構いけます。

いろんな味のバリエーションを用意しておくと楽しいですね。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!