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鯵の味噌汁は20分煮るとおいしい

今日のcakes「おいしい」をつくる料理の新常識」のテーマは〈南蛮漬け〉でした。

この記事の最後に普通の切り身を使った場合について触れています。普通の切り身も食べやすくていいものです。切り身をとると中骨や頭が余ります。これを捨てるのはもったいないので、今日はそれを味噌汁に仕立てます。

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魚の中骨や頭のことを「あら」と言いますが、身はあまりついていないので出汁として使うのが一般的。

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基本は冷たい水からスタートすることです。温度が低いほうがうまみが出やすい、とされています。今回は一匹分のあらに水600ccを注ぎました。2人前なので600ccは多くない? と思うかもしれませんが蒸発分を補っておくのがポイント。

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中火にかけて沸騰したら弱火に落とします。さきほどあらに身はあまりついていないと言いましたが、すこし残った身から旨味成分が出ます。しかし、アラ汁のおいしさは身から出るだけではありません。長い時間煮込むことで骨の軟骨や結合組織が分解されてゼラチンになり、それが特有のコクを生むとされています。

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潮汁は多くのレシピでは10分ほど煮たら出来上がりというパターンが多いですが、実は20分〜25分間、煮出したほうがおいしくできます。コラーゲンを分解するためにはそれなりに時間がかかるのです。この状態で味噌を入れずに酒と塩で調味すれば潮汁ですね。もしも、身があまりにも少ない場合はここに昆布を落とすと、味がもう少し厚くなります。特に潮汁に仕立てる場合には有効な手法だと思います。

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これは別に入れなくてもいいのですが、豆苗が余っていたので投入しました。普通はネギとかですよね。

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味噌を溶き入れます。

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出来上がり。体があたたまる汁です。今回は米味噌を使いましたが、豆味噌でもおいしくできます。吸口に生姜の絞り汁を落としてもいいでしょう。

今回は20分煮ましたが、逆にあまりにも長すぎると骨のカルシウム分が溶けてきて味が損なわれます。このあたりの見極めが難しいところですが、魚の出汁は30分程で抽出できる、ということだけ頭に入れておけば大丈夫だと思います。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!