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そばがきの作り方

大晦日に年越しそばのレシピを書きました。

これは乾麺を使っています。かけだしがやや多めの分量になっていて1Lできます。一人前400ccが目安ですから、200ccほど余る計算になりますが、じつはここがレシピの肝。ギリギリの800ccでつくるよりも味のブレが少なく、誰がつくっても安定するのです。乾麺って水気の切り方や種類によって、表面に付く水分量がかなり違うので、味が薄くなったり、濃く感じたりと安定しないのが難点なのですが、たくさんつくることで解決しています。

最近は道の駅などに行くとおいしいそば粉を見つけることができますし、富澤商店で売られているそば粉もなかなかのおいしさでした。そば粉を打つのもなかなか楽しいのですが、家で簡単にそばの香りを楽しむなら「そばがき」がおすすめです。

そばがき
そば粉 80g
水  200cc
醤油 わさび ねぎ

200ccより気持ち多めでもいいくらい。水の割合が多い配合が最近のそばがきの流行です。そばがきといえば漫画『美味しんぼ』21巻にも登場します。

(『美味しんぼ』21巻より引用)

主人公、山岡さんの作り方は茶碗にそば粉を入れ、鉄瓶の熱湯を注いで箸でぐるぐるとかき回し、それを成形するというもの。この作り方はあくまで漫画の話。お湯を注いだくらいではさすがにデンプンが糊化しないので、粉っぽくおいしくない仕上がりになってしまいます。

山岡さんには悪いですが、おいしいそばがきの条件はそば粉に火が通っていること。お蕎麦屋さんでは沸かした湯に一気にそば粉を入れ、力強くかき混ぜながらさらに加熱し、そば粉にしっかりと火を通しています。

その作り方は効率的ですが、そば粉が玉になってしまうリスクがあります。解決策は水でそば粉をきちんと溶いてから、火にかけることです。

横でたっぷりの湯を沸かしておきます。

水とそば粉の混合物を中火にかけ、加熱をスタートします。

ガスコンロの場合は外側から固まってきます。鍋肌からこそぐようにして加熱を続けます。

かなり固まってきました。ここで火を弱火にします。そば粉のデンプンは小麦粉や片栗粉よりも低い温度で糊化するとはいえ、デンプンはデンプン。しっかりと火を入れないと食べられません。とはいえ、加熱時間が長すぎると水分が飛びすぎて硬い仕上がりに。あらかじめ水分量を増やしているので、硬くなるリスクは回避できると思いますが、もしも硬いな、と思ったら最初の水分量を増やしてください。

これくらいが目安です。

団子にして、沸騰した湯で茹でます。

浮いてきたら食べごろ。ここまでしっかりと火を入れることではじめてそば粉の香りが立ってくるのです。

わさび醤油とねぎを添えて食べます。茹で湯にそばの成分があまり出ていないことがわかります。つまり、そば粉の香りを楽しむにはそばがきが最適なんですね。この団子を醤油味の汁(山菜とキノコの汁なんかいいですね〜)に浮かべるとそば団子汁になります。ご飯を炊くのが面倒、という時にはいいメニューです。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!