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キャベツの千切りの基本

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に続く切り方の基本シリーズです。今回はトンカツやコロッケ、生姜焼きに添えるキャベツの千切り。ちなみに冬キャベツは持って重いものがおいしく、春キャベツは持って軽いものがおいしいです。

キャベツの千切りは調理師学校の多くが試験課題にしています。今は機械で切ることがほとんどなのですが、手で切れるに越したことはありません。

まず4分の1にカットするところからはじまります。

続いて芯の部分をカット。これで底が平らになるので扱いやすくなります。

続いて中心部分を抜き取って、厚みを減らします。慣れてきたらこの作業の必要はなく、そのままカットしますが、慣れないうちは真ん中を別にしたほうが楽です。

手で押して平らにすると切りやすいです。

ここからが千切りです。千切りは「引き切り」が基本です。押切りでもできますが。その場合は包丁を押しながら切るので力が余分にかかります。引切りであれば包丁の重さで落とすだけなので、手が疲れないのです。

切る方向は葉脈に対して垂直に切っていくのが基本です。線維を断ち切ることでやわらかい歯ごたえになります。春キャベツの場合は葉脈に対して平行に切ったりもしますが、、、

包丁の根本を意識して、

引いて切ります。根本を意識するのは根本がまな板につけば切れているからです。この時、包丁の腹が左手の人差し指にあたった状態であれば手を切ることはありません。つまり、牛刀のような重くて、大きい包丁を使った方が楽ということです。(写真の包丁は軽いので千切りにはあまり向いてません)実際に手切りしている店では重い包丁で切っていると思います。

包丁を当てて

引いて切ります。早く切る必要はないので、丁寧に切ること。

切るときに手首が上がると高確率で指を切ります。包丁の動きが安定しないからです。手首は固定して、肘を起点に動かすようにすると軌道のブレがなくなります。このあたりは野球のバッティングフォームとちょっと似てますね。もちろん、切れる包丁をつかうのは絶対条件です。

肘を起点とした円運動を意識して、包丁を当てては引くことを繰り返すとあっという間に千切りにでき、キャベツがなるべく長くなるように切ると見栄えがします。お刺身と同じでキャベツの細胞を壊さないほうがシャキシャキ感が残るので、その点でも力を入れない引切りがベストです。

キャベツは水にさらすとパリッとします。しかし、長く晒すと味が抜けるので、1分に留めましょう。この時、重要なのは水の温度です。1分つけると10℃以上の水ではあまり変化が出ませんが、5℃だとシャキシャキになります。もちろん、10度でも長くつければパリパリになりますが、味は抜けてしまいます。冷たい水につけることで細胞壁が硬くなるので、余計な水分を吸い込む心配が減るのです。

上手に切れていればバリバリになります。細胞が壊れていないからです。

機械切りよりも手で切ると不均一さが出るので、口に入れたときにおいしく感じます。もちろん、トンカツ屋さんのように大量につかう店では機械切りですが、手で切れるに越したことはないので練習あるのみ、です。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!