杏ジャムの作り方

ギリギリ間に合うかな、という感じのアンズを使ったジャムです。

アンズ 500g
グラニュー糖 200g

ジャムをつくるには3つの基本があります。一つは酸性にすること。pH2.8~3.0くらいが最適とされています。酸味の少ない果物を使う場合はレモン汁を足し、ペクチンが少ない場合はペクチンを添加することになります。アメリカやイギリスではジャム用の砂糖(ペクチン入り)が売っているので、それほど悩む必要はないのですが、日本の場合は製菓材料店に行かないとそうした砂糖は売ってないので自分で調節する必要があります。

二つ目は糖度を60%以上にすることです。国際規格でジャムと名乗るには60%~65%の糖度が必要で、これもペクチンがゲル化する条件。一般に果物に含まれる糖分は10~18%くらいなので、砂糖を足す必要があります。

砂糖はグラニュー糖がよく、上白糖だと若干くどい感じになります。糖分はブドウ糖、水あめ、キシロース、オリゴ糖、糖アルコールなどの糖質でも同様に使えるので混ぜる方法もあります。とはいえ日本で売られているジャムの糖度は40~45%くらい。国際規格ではジャムとは名乗れませんが、日本のメーカーは味にうるさい日本の消費者を満足させるために低糖度のジャムを開発してきた歴史があり、世界的にも高品質だと思います。

三つ目は加熱時間をなるべく20分以内に抑えること。高温で加熱しすぎるとペクチンが劣化し、ゼリーの調整が難しくなります。また、フレッシュな香りもどんどん失われるので、ジャムの加熱は短時間で済ませるのがベター。のんびりとジャムを煮る生活には憧れますが、コトコト煮込んでいたらおいしいジャムにはならないので、メーカーでは真空低温の環境で糖度を濃縮したり、高温短時間殺菌技術を導入するなどの工夫をしています。

アンズはよく洗い、種をとりのぞきます。この種はいわゆる杏仁で、香り付けに使いますが、今日は使いません。

分量のグラニュー糖を振りかけて冷蔵庫で3時間~一晩置きます。ペクチンは皮に多く含まれているので、そのまま使います。これくらいの量なら1/4にカットしたほうがつくりやすいかもしれません。

砂糖が溶けて、アンズから水分が出てきました。ここから強火で加熱していきます。

短時間で勝負をつけるために蓋をして加熱します。沸騰したら火を弱火に落とします。

15分間、加熱するとこんな状態。中火に火を強めて、糖度をあげていきます。果肉の食感が残った感じにしたければあまりかき混ぜずに。鍋底だけをこそぐようにして攪拌します。

いい感じになりました。チェックするには冷水を用意します。

こんな風にスプーンで一滴落として、、、

溶けずに固まればOK。これをコップテストと言います。

熱いうちに瓶に詰めて、保存します。蛇口の流水に浸けるなどして温度を下げてから冷蔵庫で保存します。ジャムは本来、保存食。中途半端に砂糖の量を控えたりせずにしっかりと糖度を上げて、保存性を高めるのが原則です。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)

樋口直哉 作家・料理家 主な著作として小説『スープの国のお姫様』(小学館)ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)など。新刊『新しい料理の教科書』が1/17日に発売されました!

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コメント2件

食育通信のジャムのシリーズを思い出します。
溶けそうな程よく熟れた果肉ではペクチンが分解していて、やはりゲル化は安定しないんでしょうか。
程よく熟れた果肉は大丈夫です。もちろん、熟れすぎると分解してしまい、ゲル化は不安定になるので、その場合はペクチンの添加が必要になってきます。逆に熟れていない状態の果実はプロトペクチンという状態なので、やはりゲル化しません。基本的に食べておいしい状態の果物がジャムには向いていると思います。
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