ドイツ人が好む……かもしれない、さっぱりポテトサラダの作り方

洋食の定番として人気のあるポテトサラダ。日本やスペイン、ロシアではマヨネーズで味付けしたポテトサラダが一般的ですが、ジャガイモをよく食べるドイツやフランスでは茹でたじゃがいもをオイルやビネガーで和える方式をよく見かけます。

じゃがいものサラダ
じゃがいも    300g相当(正味)
オリーブオイル   大匙3
酢(米酢) 大さじ1
塩 小さじ2分の1(好みで4分の1に減らしてもOK)
たまねぎのみじんぎり 大さじ山盛り2~
スプラウト(クレスやブロッコリーなど) 1パック
スモークサーモンまたはハム 4枚(適当な大きさに切る)

元ネタは明治43年に出版された『西洋料理教科書』から。この本には茹でたジャガイモの輪切りと玉ねぎをドレッシングで和えた料理が〈ドイツ人が好む料理〉として紹介されています。大正時代にマヨネーズが流行るまでは日本でもこのタイプのポテトサラダが一般的だったよう。

この料理のポイントの一つはオイルの量のバランスです。多すぎてもいけませんし、 少なすぎてもダメです。基本的にはじゃがいも100gにオイルが大さじ1という感じです。

じゃがいもは皮を剥き、1cm幅にスライスします。鍋に入れて、 水を500cc注ぎ、 5gの塩(1%の分量)を加えます。パスタと同じで、ドレッシングを絡める前にじゃがいもに適正な下味をつけておくことが重要です。

さて、ポテトサラダにはオイルの量以外にも、もう一つ課題があります。じゃがいも のパサツキです。じゃがいも料理は熱々のうちに食べる分にはいいのですが、冷める とパサついたり、ひどいときにはゴリゴリと硬くなったりします。

それを解消するためにここで〈砂糖〉を加えます。

砂糖を10g(2%)ほど加えます。砂糖には保水性があるため、ジャガイモをし っとりと茹で上げることができるのです。また、砂糖にはデンプンの老化を防止する働きがある ので、冷めてからも力を発揮します。

茹でているあいだにドレッシングをつくりましょう。ドレッシングの基本は油と酢が3:1です。明治時代のレシピを敬意をはらい、酢は米酢を使っています。塩は油には溶けないので、酢に溶かしてから、油を注ぐようにしましょう。ここにマスタ ードか辛子を少し入れるとよりおいしくなります。(オリジナルのレシピには 〈辛子〉という記述があります)

じゃがいもは限界までやわらかく茹でましょう。じゃがいもは冷ますことである程度、硬くなるので、ここできちんと茹でておかない取り返しがつきません。串をさしてちゃんと確認しましょう。

じゃがいもの水気を切ります。熱いうちに次の作業にとりかかります。普通の作り方 ではこの茹でたじゃがいもをボウルに入れて、ドレッシングで和え、冷ませばいいのですが、この作り方には問題が2つあります。1つはじゃがいもを冷ましているあいだにドレッシングが分離してしまうこと。分離したオイルは油っぽさの原因になります。2つ目はドレッシングの量の調整が難しい点です。

そこでどうするか。

失敗の可能性を下げるためにこんな方法をとります。じゃがいもにかけるド レッシングを刷毛でバットや皿にドレッシングを塗り……

茹でたじゃがいもを並べ、熱いうちにハケか小さなスプーンでドレッシングを薄く塗 っていくのです。素材にドレッシングを刷毛で塗るのはジョエル・ロブションさんのスタイルですが、たしかに均一に味をつけることができます。

落としラップをして、室温で1時間ほど置き、じゃがいもを冷まします。冷蔵庫に入 れるのは硬くなるので避けましょう。もしも、前日から準備しておきたいという場合には冷蔵庫に入れ、食べる前に常温に戻すようにします。(味は悪くなってしまいますが)

玉ねぎのみじん切りをつくります。普通に切ってもいいのですが、丁寧につくるならサラダ用の玉ねぎ専用のみじん切りの方法があります。まず、玉ねぎの頭とお尻を切って、安定させます。それから玉ねぎに縦に切り込みを入れていきます。

次に玉ねぎを九十度回転させて、十字になるように切り込みを入れていきます。

切り込みが入ったら、今度は包丁を前後に動かし、上からそぐように切っていきます。手を切らないように注意。この方法で切ると玉ねぎの繊維が潰れず、粒が立った四角い粒のみじん切りができます。

四角く均一なのがわかりますか? 水に晒します。新玉ねぎならこのまま1時間。

古い玉ねぎなら晒に包んで、冷水のなかでやさしく揉むと辛味とぬめりがとれます。ここまでが下準備。

ここからは食べる直前の作業です。さきほど使ったドレッシングの残りをホイッパーで混ぜあわせ、そこに玉ねぎのみじん切りを加えます。玉ねぎのみじん切りとドレッシングの残りが同量になるように調節します。

あとは材料をすべて混ぜるだけ。玉ねぎのみじん切りで最終的なドレッシングの量を調節しているので、オイルが多すぎてボウルに残る、というリスクは減ります。今回、使ったのはクレスのスプラウトですが、かいわれ大根もおすすめ。またアボカドを入れてもおいしく出来ます。あっさりしていて、美味しいポテトサラダです。

コツはじゃがいもを茹でる時に砂糖を使うことと、ドレッシングを2回に分けて(じゃがいもの下味と最終的な和え)使うこと。スモークサーモンやハムを入れなければ、焼いた魚や鶏肉の付け合わせにも。なんでもない料理ですが、丁寧につくると仕上がりに差が出ます。

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