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高い自由度とキャラが魅力のクラシカルRPG『Guild Saga: Vanished Worlds』

※英語のみ。内容はデモ版に基づいています。
『Guild Saga: Vanished Worlds』は精緻なドット絵と高い自由度をもつオープンワールドのRPG。欧米のクラシカルなCRPGのスタイルで豊富なテキストと選択肢をもつ一方、戦闘はグリッド式のターンベース。主要キャラのデザインもアニメ的で親しみやすい。容姿や戦闘スタイル、探索の進め方まで一切がプレイヤーに委ねられており、クラフトやクエスト受注などサブイベントも充実。それでいてプレイ自体は迷わず遊べる極めてクオリティの高い期待作だ。

ゲームはキャラクターを作成するところからスタート。ステータスや出自、得意武器などおなじみの項目がかなり細かく設定できる。戦士や魔法使い、弓使いに盗賊など、キャラの作り方で遊び方は様々に変わってくるだろう。オープニングで船が難破し村にたどり着いた主人公は、再会した仲間とともに周囲の探索をはじめる。

仲間キャラはそれぞれ異なる物語を持ち、サイドクエストや道中の雑談もキャラごとにある。
装備はもちろんスキルツリーも自由に習得可能だ。

フィールドの操作はマウスによるポイントクリックとレトロな味わい。濃密なドット絵が見事で、細かな演出もマップの随所にあるので隅々まで調べて回りたくなる。フィールドを徘徊する敵に出会うとシームレスに戦闘に突入。素早さの早い者からタイムライン式で順番に行動する。

オレンジの移動ポイントと青の行動ポイントは独立している。
赤い体力ゲージの上、白は物理シールドで青は魔法シールド。

任意で習得するスキルは強撃やトラップ、補助回復など多種多様で、最初に設定したプロフィールによって戦略が大きく変わる。今回主人公はスタンダードな戦士で作成したのだが、とりあえず設定していたエンジニアの遠距離ボムが強力だった。属性魔法はプラス・マイナスともに補正ステータスがあり、弱点を突くと強い(逆に相性普通だと火力がでない)。

道中拾えるアイテムにはクスリと笑える解説テキストがついていて、クラフトでさらに遊びの幅が広がる。また、NPCにもしっかり個性があって楽しく、特に自由な探索で見つかるクエストはしっかりしたサイドストーリーが用意されている。総じてテキストににじむキャラの個性が楽しいゲームだ。

レトロなRPGに鮮やかなドット絵と魅力的なキャラクターを載せ、現代的なオープンワールドの自由度を加えた本作にはすっかり魅了されてしまった。開発・販売とも個人名義のようだが、個人開発だったりするのだろうか?


『Guild Saga: Vanished Worlds』はTurnBasedThursday Fest に参加中。すべり込みの大車輪でプレイしてきたので、他の作品も見てみよう。

Songs of Silence(ソングス・オブ・サイレンス)
バンドデシネ系のイラストが魅力のストラテジーゲーム。ストーリーリッチな架空戦記で、大陸を見下ろすターン制の戦略パートとRTSの戦闘パートがある。豊かなファンタジー世界の幻想とリアリティを絶妙な塩梅で描いたビジュアルが見事。

Worlds of Aria(フランス語ほか)
TRPG由来のミニチュア風デザインが特徴のパーティーゲーム(ソロプレイも可)。最大4人で好きなキャラを選び、ファンタジー劇の演者となって行動を選びダイスで成功/失敗を判定する。友達や家族と協力するか、足を引っ張り合うか。いずれにしても楽しいお芝居になること間違いなし。

Magin The Rat Project Stories
ダークな世界観をコミック形式で演出するアドベンチャー + デッキ構築RPG。過酷な世界での選択や感情がテーマになっていて、ADVパートでも選んだ選択肢に応じてカードが手に入ることがある。フルボイスのセリフが格好いい作品。

Yes, Your Grace: Snowfall(英語ほか)
窮状を訴える民の願いを聞き入れるか断るか、厳しい状況の中で選択するドラマを描いた『Yes, Your Grace』の続編。ドット絵をライティングするスクウェア・エニックスのHD-2Dの手法を取り入れ、よりドラマチックな画面に仕上がった。

Hexxen: Hunters
スタイライズドなグラフィックでシュヴァルツヴァルトの森の悪魔やカルト教団と戦うRPG。中世ヨーロッパとファンタジーが交わる世界観で、8人のヒーローや悪魔たちのデザインが魅力的。探索はリアルタイム、戦闘はターン制になっている。

白夜星魂(Souls Of White Star)(中国語・英語)
宇宙を舞台にしたヘックス制のローグライトSRPG。デッキ構築型のゲームでもあり、手札から艦船カードをプレイして自由に艦隊を組める。いずれのカードもエネルギーに変換することができ、強力な砲火や装備と行動力のバランスが勝利のカギを握る。キャラの立ったストーリーモードも要チェック。

Artis(英語のみ)
90年代のJRPG にインスパイアされたというストーリー主導のRPG。静謐な音楽とよく動くドット絵、そして強く響く効果音が他にない空気感を生み出している。AIロボットが存在する世界のようだが、詳細が具体的に語られることは今のところない。かなり個人的な、商業では出ないタイプの作品。

スケッチ風のイラストがお洒落。
それと同時にお茶目なデフォルメもたくさんある。

Cassette Beasts(カセット ビースト)
ポケモンへの愛を感じる仲間集めにカセットテープというテーマでアレンジを加えたオープンワールドRPG。デザインやボーカル入りBGMの良さにくわえ、2対2のタイプ相性バトル(モンスターとのフュージョンも)の独自性も備えた快作。

Wildermyth(英語ほか)
こちらもTRPGの影響を受けた、ペーパークラフトの優しいグラフィックをもつSRPG。最大の特徴はパーティメンバーが自動生成されることで、異なる背景を持つヒーローたちが時に対立し、時に恋に落ちる。どんな英雄にもやがて最期の時がくるけれども、その物語は語り継がれ、やがてあなただけの伝説となる。

Backpack Hero
古くはバイオ4のトランクにも見られた荷物整理をゲーム化。限られたスペースに装備をうまく詰め込んでローグライトなダンジョンを探索しよう。アイテムの組み合わせのみならず、位置取りでもシナジーが成立するのは一つの発明。

Backpack Battles(バックパック・バトル)
Backpack Hero のシステムをPvPにアレンジしたさらなるアイデア作品。「ぼくのかんがえたさいきょうのバックパック」を背負った世界中のプレイヤーが自動で戦う。普通にプレイしているだけで予想もつかない攻略に出くわす可能性もある面白いシステム。

Midnight Protocol
サイバーなインタフェースでハッカー気分を満喫できるパズルPRG。セキュリティをかわしながらコマンド入力でノードを移動し、目的のデータを吸い上げていく。限られたリソースを適宜手持ちのソフトウェアに割り振り、ぎりぎりの確率でステルスを成功させるのがスリリング。

Vault of the Void
StS以降のデッキ構築型ゲームの中でもとりわけ評価の高いカードゲーム。本作特有のルールを理解すれば、ランダム要素を排した理詰めのプレイで高みを目指すことができる。