1匹のネコが、お義父さんと私を繋いだ話


結婚をした。


手続きは一瞬で終わったけれど、双方の関係はこれから続いていく。たとえば親との関係。

私の両親は不仲で、3年前に離婚をした。父は娘に会いたいと強く希望し、私・妹・父親と3人で月に1回食事会をしている。そこそこ楽しいし、これからも続いていくだろう。

母親は実家に住んでいて、私の家から電車で30分のところに住んでいる。何か用があれば行くし、なくても節目の時に帰省する、そのくらいの頻度だ。

仲が悪い家族に産まれたことを、後悔するときもあった。何度もあった。

だけど今は、着地すべきところに落ち着いて、ほっとしている。


一方、旦那は毎週のように実家に帰っている。

理由としては、お義父さんが独り身なことだ。

お義母さんは、旦那が高校生の時に、心筋梗塞で倒れて亡くなった。それからお義父さんは、仕事も家事も、すべて一人でこなし、旦那と妹さんを育て上げた。

妹さんは実家から車で、2時間ほどのところに住んでいる。なかなか帰れないので、旦那が心配するのは至極当然のことだった。

付き合う前は週に一回は帰っていたが、私と付き合ってからは、足が遠のいていた。

一番の理由は、私の存在だと思う。

お義父さんは嫌いじゃないが、私の価値観に理由があった。

私自身は家族との繋がりが薄かったので、旦那の気持ちが、理解はできても共感できなかった。

両親の不仲で散々苦しめられた自分としては、「子供が大きくなったら両親の面倒を見る」という構図が受け入れがたかった。

そのため、お義父さんのところへ行くときは、どうしても緊張したし、前向きに帰れない部分があった。

それが態度や言葉に出てしまっていたのだと思う。

旦那は1人で、実家に帰ることが多くなった。


そんなある日、お義父さんのところにネコが来た。



役場の前に捨てられており、知人が拾ったという。

実家がペット禁止のマンションだったため、子猫の存在に胸をときめかした。

土曜日に、旦那と共に実家へお邪魔し、ネコに会いに行った。


大きな入道雲が空を飾る、晴れやかな午後だった。車から降り、胸を高鳴らせて旦那の後を追う。

庭の隅にゲージがあり、覗き込んだそこには震える子猫がいた。


画像1

かわいい


なんだこの、かわいさは・・・?!世に産み落とされた天使?!しかも初対面なはずなのに、大人しく膝に乗ってくる・・・!!か、かわいい・・・っ!!!

動画を撮っていたのだが、後から見返すと、ひたすら「かわいい」と叫ぶ私がいた。語彙力よ。

まず汚れた体を洗ったのだが、あーーーーもーーーーーかわいかった!!!!!

まず鳴き方。

ひたすらに庇護欲を掻き立てられるのだ。みゃあみゃあ、と切なそうな鳴き声が浴槽に響く。

あぁごめんね怖いよね、でもきれいにしなきゃね、がんばろうね。励ましながら洗った。

タオルでくるみ、手のひらにおさまるほどの小さな体。天使か?天使なのか?生まれてきてくれてありがとう。愛おしさが体を突き抜けた。

ドライヤーで乾かすと、まだ生え揃ってない毛並みが現れた。体はキレイになったが、まだ怯えているらしい。尻尾をピーンと伸ばして、体を震わせていた。

ショッピングモールで買った猫じゃらしを振れば、小さな体で、懸命に追いかけた。写真も撮ったし、何度も撫でた。一通り遊んで、「かわいい」と叫びまくった。

旦那と鼻の下のばしながら、そのネコを「ミィちゃん」と名付けた。

すっかり日が暮れ「帰ろうか」と車に乗ったあと、体が軽くなっていることに気づく。


いや違う、体じゃなく心が軽くなってるんだ・・・!!!


なんというストレス浄化作用。ネコってすごい。世界が平和になる。



それから3か月ほど

画像2

ミィちゃんはすっかり大きくなりました。

ピーンと伸ばしていた尻尾は、今ではゆらりと美しく揺らしている。ふさふさと毛は生え揃い、輪郭がしっかりとしてきた。かわいいとイケメンの融合・・・!(猫ばか)

そして大きく変わったのは、頻度だ。

1年で2回しか会わなかったお義父さん、

今は2週間に1回のペースでお邪魔している。

・・・現金な嫁でごめんなさい。

ミィちゃんはすくすくと大きくなって、元々飼っていた犬とじゃれあっている。

ゲージから出すと、一直線に道路へ飛び出そうとする。足を泥だらけにして、私の体に上ろうとする。私の手を猫じゃらしと勘違いして、急に飛びついてくる。なんかもう、すべてが愛しい。

しかも帰ると、お義父さんが外食に連れて行ってくれる。払いますと言っても、大丈夫とすべて出してくれる。

外食へ行かないときは、おつまみと、地酒を出してくれる。これがまた美味しい。ハモの酢漬け、シソの芽の天ぷら、すべてが美味しかった。地酒もうっとりするようなものばかりで、お義父さんと「どうぞどうぞ」と注ぎながら飲んでいる。運転する旦那の恨めしそうな顔に、毎回笑いながら。


つまみと猫に釣られた嫁でいいのかなぁ・・・天国でお義母さん怒ってないかなぁ・・・と時々不安になり、車の中で旦那に謝ったことがある。

「なんか・・・猫とつまみ目的でごめん・・・」

「ん? いいよいいよ、親父も喜んでくれるし(笑)」


そうやって笑ってくれる旦那が、私は好きだ。



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星見つきこ

20代の派遣OL / 新婚 / プレ花嫁 / 必死に転職活動中 / あの時の自分は何を思ったんだろう。私の書留が、誰かの心に響けば、なによりうれしい。

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