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かんがえこと-2 9.16

9.10(月)くもり→雨

帰りは大雨のピークにぶつかり、びしょぬれ。夜のかえりみちは少しこわいけど、雨が降っているとあまりこわくない。

夜はみちくさ市の本を選ぶ。自分のすきな世界にすることと、売れるかどうかと、どんな人が多いか想像してジャンルを決めることと。前回のみちくさ市はけっこう売れた実感があるけれど、なんというか、寄せていってたような気がする。蔵書も仕入れるものも「売れるのかどうか」が基準になっていて、はじめてでそんな基準あってないようなものかもしれないけれど、利益どうこうよりその世界を介して出会った人と交流したりそういう場であるんだろう本来は。販売やっていると自然とそういう視点になっているのだろうか。仕事であればよいけど古本市は。私が古本市に参加する目的は。

9.11(火)くもり

7時に目が覚めて、もう一度寝たら9時だった。6月にはじめた「ひとり朝活」はだんだんやらなくなってしまってる・・・一度今日はいっか、と思うとどんどん、まいっか、のほうに頭がなっていって、食事とかおべんとう作りとかなんでもそうだけど、結果やらなくなる。だから結局、1ミリでいいからつづけること。

なつかしい本棚のための「しずかな日々」を読む。なつかしい記憶がどんどんよみがえってきて息苦しくなる。おばあちゃんが住んでいた中井の家は今どうなっているのか、久しぶりに行ってみようか。いのお書店という本屋の名前を耳にする。昔夏休みに行ったあの本屋だろうか。あえて調べてはいない。

9.12(水)くもり

ラジオを聴くタブレットの調子が悪いので、朝は無音ですごす。となりの家のピアノの音が聴こえてくる。なぜかマイナー調の曲ばかり弾いている。

店のBGMはなぜか情熱大陸の曲とチャルダッシュのエンドレスで、だれか変えなよ、と思いながら聞き入っている。無性に楽器が吹きたくなる。そういえばさいきんまた楽器をやっていたころに酷使していた唇の傷がうずいていた。これまでもときどきあったけれどそのたびに傷は再生して、そのうち傷がなくなれば私の体に唯一残った楽器奏者だった部分は消えていくのかもしれない。すでに楽器をやめて社会人歴のほうが長くなっている。

9.13(木)晴

土釜おこげでごはんを炊く。洗面台で洋服を手洗いする。時間がほしいと言いながら、文明に反抗したいわけではないのだけれど。夜はさいきんはまっている、牛乳とお酢でつくるチーズ、をつくる。1月に買ってそのままだった、大人の活版印刷機をつくる。

9.14(金)くもり、雨

昼は3件配達に回る。10年いる街でも、雑居ビルの中まで入ることはそうない。たばことほこりの臭いのしみついたエントランス。どこへ連れていかれるかわからないエレベーターはちゃんと6階で止まった。出てきた人ははでなしましまのジャケットを着ていた。変わろうとしている街、この街でビルがひとつなくなって、思いをめぐらせる人はどれだけいるんだろうか。

9.15(土)雨

買い物に出かけたい気はしていたけれどどこに行きたいのかわからず、雨だし、ひきこもることにする。中途半端なTODOリストは見ないことにする。みちくさ市の準備と、本を読んで過ごす。「ネットスーパー」は便利。

9.16(日)晴

みちくさ市を楽しむ。気さくに話しかけている人々には、私がかかえている、これきいたらどう思われるか、とかそういうどうでもいい、重たいものが、一切なくて、ただ素直に、感じたことを、相手に、贈りかえす。

もうすこし、話したいと思う。


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