きじ

田植えの帰り道。雉を見た。

車に乗って出発しようかなーという時。ちょっと向こうの休耕田(というか草ボーボーな元田んぼ)に赤いものが見えたのである。

草の隙間に確かに見える、赤いもの。雉の頭っぽいよなぁと思う。

「あれ、雉じゃない?」

夫と息子に言ってみた。

「あ、確かに。何かいる」

夫と息子は車を降りて近付いた。田んぼの縁に行った辺りで雉も気付いたらしく、隣の田んぼ(やっぱり草むら)に飛んで行った。雉が飛ぶところってあんまり見ないし、珍しいものを見たなぁと思う。驚かせてごめんなさい。

そういえばこの日は、やったら裏山の方からすごい鳴き声が聞こえてきていたのである。雉鳴いてるなーとは思っていたものの。もしかしたらあの雉の鳴き声だったのかもしれない。


次の日、用事があってまたまた実家に寄っていた。庭に出てぼーっとしていたら、走り回っていた息子が言った。

「あそこに雉がいる!!」

見れば確かに、川の辺りに雉の姿。彼はひょこひょこ堂々と道路を渡ってやっぱり草ボーボーな田んぼの方へ行った。前日見たのと同じ雉なのかもしれない。もしかしたら巣があるのかもしれないな。


昔から実家の辺りで雉を見かけることはあったけれども。それにしたって最近、よく見かけるなーと思う。田んぼが草むらになったり、草刈りが間に合ってなかったり。雉好みな場所が増えてきて、近くに住むようになったのかもしれない。

息子も雉を覚えたようだし、私よりも雉を身近に感じるようになるのかもしれないな。


ところで雉の鳴き声ってよく「ケーン、ケーン」と書かれるけれども、どう聞いたって「ケーン」じゃないよなぁと聞く度に思っている。

じゃあ何と表すのだと言われると難しくて、いい表現が見つからないのだけれども。私が鳴き真似をするなら「ア゛、ア゛↗」って感じになるかなぁと思う。でも字の「ア゛」だけじゃ知らない人は全然違う風にとるだろうし、表現しきれていなくて何か違う。硬質で高い感じの「ア゛」。音を字にするって難しいなぁ。



ではまた明日。