管理社会の片隅で

いろんな手続きをしに、役所に行ってきた。

まずは転出や転入かなぁとそこの課に行き、そこでいろいろ書いて。その後、「次はこの課に行ってください」「次はこの課に」という感じで、次にやることを言ってくれるので割とスムーズにいった。

やはりこう、転出や転入はよくあることで、だから役所の人も慣れているのだと思う。

やることもメインは子どもの医療費やら学校やらのこと。自分の中でも馴染みがあるというか、割と必要だよなぁと納得する事柄なので、「これは何のためにやっているんだろう??」という疑問もそんなに無かった。


ただまぁ、「この社会のルール」に照らし合わせたら疑問はないものの、「そもそもこれって必要なのかなぁ」という思いがないわけではない。

この世に生まれた時から私には戸籍があり、住所が変わったらその変更を登録して。家族構成、収入、その収入にかかる税金。いろんなことが登録され、管理されている。

それがこの市町村、都道府県、更には国を維持していく上で必要なことというのは理解できるけど(そもそもそういう仕組みありきで今成り立っているわけで)。ただそれが絶対に必要でこのやり方しか無いのかと言われれば、きっとそうではないのだろうとも思う。


私は役所で出会った人たちのことを知らない。普段から顔を合わせて挨拶する仲ってことはない。

それでもその人たちがちょっと操作すれば、私の情報を簡単に見ることができる。その情報を取り出して印刷することができる。

役所はそういう仕事をする所だし、彼らがそれを悪用しているとかそういうことではなくて。ただ、全く知らない人が私の情報を登録して、取り出して。そういうことをできる管理された社会なんだよなぁという。

おそらく役所に勤める大半の人は、私と同じ市町村に住んでいるのだと思う。私は全く知らない人とあまり意識しないまま、「同じ市町村」「同じ都道府県」「同じ国」というくくりに置かれ、管理されている。

正直、自分とは関わりのない部分が多すぎて。市町村単位でさえ、その規模は「自分ひとり」の関わる範囲と違いすぎると思う。だけど私はそこに登録され、管理されている。何とも実態と合っていない感覚があったのだった。


この社会はいろいろ規模が大きいというか。無駄に大きく複雑にしているのだろうなぁと思う。

ひとりの人がただ生きたいように生きていくのに、こんな規模のくくりも登録も必要ないのだ。

本当、管理するのが好きな社会だよなぁと、役所に行って改めて思った数日間だった。



ではまた明日。