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MBA留学中に起業するメリット

こんにちは、Kamackです。前回まではMBA留学の合格するまでの道のりを書いていましたが、今回は入学後、今回の起業プロジェクトに関して、MBA留学がどう起業に役立っているかを書いてみようと思います。

そもそもなぜMBA留学中に起業?

なぜ起業なのかについては、以前自己紹介を書いたときの記事に少し書きましたが、今回はもう少し詳細に書いてみようと思います。

起業に興味を持ったきっかけは、私の社費留学のテーマの一つに「社内起業」を据えており、IESEで社内起業に関して学びたいと思っていたことでした。

当初は2年生の選択授業の一つ「コーポレートアントレプレナー」で社費留学のプロセスや仕組みづくりに関して学ぼうと思っていました。

しかし、私は社費留学で夏休みのインターンが必須ではないため、夏休みは実際に起業経験ができる「Summer Entrepreneurship Experience (サマーアントレ)」で実際の起業体験をすることがベストだと思い始めました。今年2019年1月頃でした。

このプログラムに応募するには、3~4名のメンバーを集め、かつ、起業のアイデアが応募時点で必須だったため、この時から起業ネタとメンバー探しを始めました。

時を同じくして、妻たちがスペインのオーガニックコスメの良さに目覚め、コスメ探索を始めていました。詳細は「Trestはじめました」に記載している記事の通りです。このプロジェクトはメンバーの半分が6月でインターンのため日本に帰国する都合上、5月末までにクラウドファンディング上に乗せるというのが目標になりました。

そのため、前述のサマーアントレとは別の起業プロジェクトになった、というのが現状です。

すなわち、私、実は今起業プロジェクトを2個並列でやっています

一つがスペインから日本へ商品を持っていくクラウドファンディングプロジェクト

そして、もう一つが今サマーアントレでやっている日本からスペイン、もしくはヨーロッパ諸国へ日本の良いものを持ってくるプロジェクトです。

メンバーも2つのプロジェクトで異なり、両方をやっているのは現状私だけです。

以下からは、前者のスペインから日本へ商品を持っていくクラウドファンディングプロジェクト話を書いていきます。後者の日本からヨーロッパへ商品を持ってくるサマーアントレについては、また別の機会に詳細を書きたいと思います。

MBA留学中、起業にコミットする事を決めた理由

このクラウドファンディングプロジェクトは2月から活動が本格化してきました。そして3月に3学期が始まったタイミングで、私はこのプロジェクトを自分の学生生活で最優先にすることを決意し、会社にも月次報告の中で宣言をしました。

最優先にした理由、すなわちMBA留学中に起業するメリットはいくつかあります。

1つ目の理由は、今までIESEで学んだことを実際のビジネスに適用する良いチャンスであること。1学期、2学期とひたすら授業でインプットしてきた学習結果を、今この機会にアウトプットする事で、学びの効果が上がると考えました。

2つ目の理由として、IESEの3学期の授業がアントレと親和性がとても高いこと。「Fundamentals of Entrepreneurial Management」というまさにアントレを扱う授業、ビジネス向けデータ分析手段を学べる「Quantitative Methods for Management」、そしてICTのビジネス活用を学ぶ「Transforming Organizations and Markets with ICT's」。

自分たちでアントレプロジェクトを始めることは、これらの学習との相乗効果をもたらすだろうと期待が膨らんでいました。

他校のMBAの事はあまり詳しくないのですが、おそらく他の学校にも同じようなカリキュラムが用意されていると思っており、時期は異なれ、どこのメリットはMBA全般に言える事だと思っています。

3つ目の理由は、2学期までの私の成績が悪くなく、退学リスクが自分の中でほぼ無くなったこと。社費なので絶対に卒業しなければならないのですが、卒業が見えたので守りから攻めに転じるタイミングであると感じました。

そして、最後ですがこれが一番大切な理由。単純に新しい事へのチャレンジにわくわくしたのです。10年以上のサラリーマン生活で、海外赴任やインド出張、新製品立ち上げといった刺激的な事をチャレンジできた一方で、起業というのは未体験の世界。自分で舵を取るという事への興味が自分を最も動かした要因だったように思います。

プロジェクトでは、スタートアップで経験するであろう典型的な困難に幾度となくぶつかりますが、自分は我慢強いタイプなので、その困難を一つずつ潰していくという事をやっていきました。この詳細については、こちらのnoteに記載していますので、興味のある方は見てみてください。

MBA留学中の起業で実際に得られたメリット

今回の起業を通じて、IESEにMBA留学したことがどのように役に立ったかを3つ挙げたいと思います。

1つ目に、新しい挑戦に対してポジティブで、かつ経験に基づいたアドバイスをくれる人たちが身近にたくさんいます。

例えば、3学期に私の隣に座っていた東欧出身の女性(起業済、今度ホテルの建設予定がありすでに広大な土地を購入済み)には、日本の製品をヨーロッパに持ってくるにあたり、欧州人としてのアドバイスやレギュレーション対応、解決方法などを教えてもらっています。彼女はSEEも参加しているので、引き続きお世話になるつもりです。

以前にも書いたことですが、周りがポジティブでかつ実力がある人たちになると、自分もそれに引っ張られるようにそうなっていきます。環境というのはそれだけ重要なものだと実感しております。

2つ目に、授業との親和性があります。3学期のアントレの授業でアイデアをピッチする機会があり、私もこのデリケートゾーンケア製品のプロジェクトをピッチしました。これはピッチの練習になった以外にも、予想もしなかった二つの効果を生みました。

1つ目の効果は、同じセクションの同級生にプロジェクトを認知してもらったことで、色々な面白い提案を受けるようになったことです。例えば、「サウジアラビアにも製品を持ってこないか」とか、「インドネシアに持ってくるときは親がディストリビュータやってるから声かけてくれたら手伝えると思う」とか、「今やっているインターンで日本の化粧品のディストリビュータがいるから紹介するよ」といった話がどんどん入ってきて、グローバルなMBAネットワークの強さを思い知らされます。これは、やはり欧州のMBAの強みの一つ、ダイバーシティが生きるのだと思いました。

もう1つの効果は、私がピッチをしたこのアントレの授業にありました。教授からは、実際のプロジェクトでピッチしてくれて他の生徒の学びにもつながり非常に良かった、という嬉しいコメントをもらいました。というのも、生徒がピッチしたプロジェクトの中で、本当のビジネスになったのは現時点で私のプロジェクトのみ。さらに、結果として、この授業の成績がAだったのですが、IESEでは上位10-15%しかAが取れないため、私個人の学業としても良い成果となりました。

最後に、IESEのネームバリューとスキルが生きたと感じたことがありました。このアントレプロジェクトで、スペインのサプライヤーとの交渉をするためにメールでファーストコンタクトをする必要がありました。このサプライヤーがどこの骨とも分からない我々の話を聞こうと思ってくれた一つの理由には、我々がIESE Business Schoolという、世界的にはそこまで有名ではないけれど、スペインでは名前が知れたビジネススクールで学んでいるという事は少なからず要因としてあったのだと思います。

また、私が書いたメールが端的にサプライヤーへのメリットを伝えられた結果、この提案が魅力的に映ったのだと思いますし、その後の交渉が上手くいったのも学校で培われたハード・ソフト両面のスキルが生きたのだと思います。

交渉の詳細については、クラウドファンディングの活動報告内に支援者向けに配信していますので、興味がある方はぜひご支援の上、支援者向け活動報告をご覧ください。

まとめ

ここまで長々と少し経験を交えて冗長に書いてきてしまったので、少しわかりやすく整理したいと思います。MBA留学で起業するメリットは以下の3つに集約されます。

1. MBAで学んだハードスキル・ソフトスキルの活用

2. MBAでアクセスできるインフラ(教授・機会・時間)の活用

3. MBAで得た人脈の活用

こう整理してみると当たり前のような話ですが、実際に経験する事で上記のメリットをそれぞれ実感する事が出来ました。社会人をやりながら上記を得る事ももちろん可能ですが、難しい面も多いので、相対的にMBA留学が有利なポイントであるように思いました。

今後MBA留学、さらには起業を目指している方々にこの記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。

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