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黄金の羽根を拾える人は強い

こんにちは。

 長年、法律を見れば世の中の仕組みが全て分かると考えてきました。しかし、橘さんの『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』を読んだときに、ITの発達による知識社会では、法律を眺めるだけでは決して太刀打ちできない知識人たちがたくさんいるんだと痛感しました。

 この著書を通じて、今まで私が気づかなかった世界について書き留めておきたいと思います。

1 法律は資本家の視点で作られる

【黄金の羽根】Golden Feather
 制度の歪みから構造的に発生する"幸運"。手に入れた者に大きな利益をもたらす。(32頁)

 社会制度、つまり法律は資本家が応援する議員によって作り上げられている。だから必然的に国家の次に資本家が有利となるように設計されているのだ。
 すると、どんな小さな資本家でもその恩恵を受けることができてしまう。このことにいち早く気づけた人が大きな力を持つことができているのだ。

2 お金持ちの方程式

 JFKの勝利の方程式より強力な、唯一無二のお金持ちの方程式が存在する。

資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り) (96頁)

 収入を増やす、支出を減らす、資産を運用する、というピタゴラスの定理並に美しい方程式なので、トイレに飾って毎日眺めていたい。

3 持ち家派vs賃貸派

 現金3000万円を持っている人が、時価総額3000万円のマンションを月額12万5000円で借りていたときに、親から「家賃を払うのはもったいない。3000万円でマンションを買ったらどうだ」と言われたので、3000万円のマンションを買ったとしましょう。このとき、あなたはどのように考えるだろうか。持ち家派と賃貸派の永遠の議論が続く中で、橘さんは次のように考えます。

 この金融資産を株式に投資すると、年6%の配当を得ることができるとしましょう。年間の配当総額は180万円(3000万円×6%)です。
 彼は、マンションを購入することで年150万円の家賃を節約できましたが、その一方で、年180万円の配当を得る権利を失いました。差し引きすると、30万円マイナスです。(188頁)

4 二重課税、三重課税

 日本の課税制度についても興味深い記述があります。

ひとは、所得がなければ消費できません。同様に、所得がなければ資産を持つこともできません。ということは、(個人に対する)消費課税や資産課税は、所得に課税されたあとの二次課税になります。相続税は、所得税を支払い、消費や資産運用をしたあとの、死亡時に残った財産への課税ですから三次課税です。累進税率による所得課税自体が不平等なのに、同じお金に二度も三度も課税するのでは税の公平性はさらに歪んでしまいます。(260頁)

 税金を取ることに関しては超一流の人材がそろっている日本では、黄金の羽根を拾っている人がターゲットになりやすいかもしれません。それでも、知識で武装した人は、強靱な盾でそれを押し返しているのでしょう。

 世の中を複眼的にみる力を養っていきたいと思えた名著でした。

では、今日はこの辺で、また。

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