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世界の新しい生活様式

こんにちは。

  今日は、『アフターコロナのニュービジネス』を読んで思ったことについて書きたいと思います。

1 進化するオンライン学習

 日本の大学では、コロナが終息すれば元の対面授業に戻って良かったねというシナリオが描かれています。一方、中国やイギリスでは、早い段階からデジタル教育やオンライン教育を進めてきたことから、デジタル教科書や音声教材、動画教材のコンテンツがかなり充実しているようです。すると

 学校や先生の役割も"ティーチング"(授業を行う)から"コーチング"(わからない箇所を指導したり、モチベーションを高めたりする)へと変わってくる(43頁)

 なるほど。教員の役割もただ授業で一方的にしゃべればそれで済むというわけではなく、学生の学習・成績データを見ながら、「君はさぼり癖があるようだね。だったら毎日、夜8時にアラームをセットして予習するのが良いでしょう」といった形で学習習慣を身につけさせるコーチング力が必要となりそうです。

2 不動産バーチャルツアー

 不動産物件の案内方法も大きく変わっています。日本国内では、イツデモ内見のサイトがあり、利用者を伸ばしているようです。

 海外でも、不動産の内見がリモートで行われることにより、購入者がより判断しやすくなっています。

 米国では、コロナ禍でも不動産の売り上げはそれほど減少しなかった。下支えに一役買ったのが、物件のバーチャルツアーだ。数年前からドローン撮影した動画で、家全体、庭、近隣の様子が閲覧できるような工夫を不動産業界では行ってきた(79頁)

 リアルな不動産に加えて、今後はバーチャル不動産の動向にも目が離せませんね。

3 ZOOM演劇

 劇場は客席の数が限られているため、チケットの売り上げには限りがあるのですが、ZOOMで演劇を見る場合には座席に限りはありません。そのため、多くの劇団は舞台をZOOMで撮影して、劇場で観覧するお客さんとリモートで参加するお客さんを取り込んでいます。さらにドイツでは、単に舞台で行う演劇をZOOMで流すのではなく、画面の中で演劇を行っているようです。

 例えば、全員が画面に現れている場面から、ロミオとジュリエットのみのシーンに移行する際は、その他の演者がZOOMから退室して2人きりになる演出を行った。さらに、幕切れも会議の終了という形で表現した。(93頁)

 ZOOMの機能をうまく使って、新たな演劇を表現しているのですね。工夫次第で、まだまだ演出の幅が広がりそうです。

4 スローライフ動画配信

 田舎でのんびりと暮らしたい。都会で暮らす人が、一度はあこがれるものですよね。実際に、スローライフをテーマにした奥平眞司さん(OKUDAIRA BASE)のyoutube動画が大人気となっています。

 世界を見渡すと、中国では、リー・ズーチーさんのyoutubeが大人気となっています。

 配信する動画は、中国の田舎で畑仕事や大工仕事、料理などを行う様子を淡々と流すので、セリフはほとんどない。しかし、自然の中でのスローライフな暮らしや清楚な雰囲気の彼女の魅力が、クオリティの高い映像で配信されると、その姿が中国の多くの人々の心を奪った。(156頁)

 さすが、中国ではチャンネル登録者、再生回数など、1桁違いますね。

5 庭消費

 自宅でアウトドア気分を味わう人が増えています。

 英国の戸建て住居は基本的に庭付きであり、ロックダウンのさなか、その庭を活用して旅感覚やアウトドア体験、娯楽を楽しむ人が増えた。野外で使えるTVプロジェクターやスクリーンの購入者が急増し、換気の良い庭に設置して親戚や友人、近所の人たちと距離を置いて座って映画やスポーツ観戦を楽しむことが人気だ。(179頁)

 自宅で野外シネマを作るのは、とても楽しそうですね。これは早速、実践してみようと思いました。

6 寄付と共感

 世界では、寄付の仕方にも大きな変化が生じているようです。お客さんを呼ぶことができなくなった動物園では、動物の餌代を寄付で賄っているところもあるようです。

 自分の「寄付」を元手に、園長がライブ配信で餌やりをして即座に感謝を伝えることで、自身も動物を育てる一員になった疑似体験が可能になる。(227頁)

  なるほど、世界では自分の寄付が、即座に動物のえさとなり、あたかも自分が育てているような体験をすることができるようなのです。

 また、イタリアには「善意の二重払い」という寄付の方法があるそうです。

イタリア・ナポリには、伝統的に「カフェ・ソスペーゾ(保留のコーヒーという意味)」と呼ばれる慣習が根づいている。カフェ(バール)で1杯のコーヒーを飲むときに、裕福な人が2杯分の代金を支払い、もう1杯分はコーヒー代を払えない人のために使うものだ。(258頁)

 単なる金銭の寄付ではなく、コーヒーを味わえるという寄付者と同じ体験を、第三者にも届けることができるという仕組みです。これを応用すれば、おいしい果物を味わえるという体験を、児童養護施設の子たちにも味わってもらえることができそうだと思いました。

7 散歩で地域コミュニケーション

 ステイホームが続いた世界では、通りから見える窓際にぬいぐるみを飾るということがブームになったようです。親子が近場で楽しむことができないか、ということから考え出されたイベントのようです。

 デンマークでは、住宅街を散歩しいながらいえいえの窓際に飾られた「ぬいぐるみ探し」を行うのが、親子の楽しみとなったのだ。(261頁)

 近所を散歩することで、運動不足を解消することができるだけでなく、一体感のある地域コミュニティ作りができるという点で、非常に面白いですね。

 ソーシャルディスタンス社会では、人々はテクノロジーの力を使って、人と人との結びつきをより強固にしていることがよくわかりました。

 では、今日はこの辺で、また。

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