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兄さんより年上

13年前に亡くなった、兄さんのことを思い出した。そのきっかけは近所の和田堀公園でクラシックギターを弾いている方が有り、その演奏を聞いてからだった。 
兄はクラシックギターの名手だった。私は少女の頃、夜に練習する彼のギターの音を聴きながら眠った。
そんな私にとっては50年ぶりのクラシックギターの生演奏だった。演奏を聞いたその日から、兄さんのことを思い出す日々が続いている。

先日は兄さんの好物だった栗を見つけて焼き栗を焼いてみた。 よほど好物だったと見えて当時中学生だった私に 焼き方を教え、季節になるといつも食べていた。 確かに火起こしで、しっかり 焦げるほど焼いた栗は、茹でたものよりずいぶんおいしかった。
そしてもう一つ思い出す料理はボルシチである。私はその名前すら知らず、クリームシチューしか知らなかったけれど、 外国の寒い国には真っ赤なシチューがあると教えてくれた。 この料理も先日思い出して久しぶりに作ってみた。ボルシチは寒い日に食すととても美味しい。 しかしこの料理を覚えたのは数年前で残念ながら生前の兄さんには食べさせてあげられなかった。
私の幼い頃にギターを聞かせてくれた兄。13歳も年上だった彰(アキラ)兄さん。今の私は、あなたが亡くなった63歳の年齢を超えてしまいました。形見にもらった兄さんのギターは、私が大切に弾いています。この次には、兄さんが大好きだったクロワッサンを焼いてみるつもりです。
また、お供えさせていただきますので、楽しみにしていてくださいね。

え!!サポート! まさか、ソコまでは考えておりません、誰かの目にとまり、楽しんでいただければとってもHAPPYです。