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計量失敗と敗北

ONE 163の前日本計量にて若松佑弥がハイドレーションテスト(尿比重)をクリアする事が出来ませんでした。
規定時間にはパス出来ませんでしたが再度ハイドレーションテストを行いパスしたので試合は出来ることになりましたが(水分を沢山採った為に規定体重は超過)ペナルティを支払う形で試合が成立しました。
本当は試合当日までに体重もハイドレーションもしっかりやって相手に確認してもらってからペナルティを支払いたかったのですが、勿論こちらに選択肢は無く相手サイドの要求を全部飲むのが筋だと思い提示された条件に従った次第です

応援してくれている方も多く何故こうなったかの経緯を説明させて頂きます。原因はと言いますと自分の監督不行き届きに他なりません。
自分は計量失敗は誰でも経験する可能性があると思います。
勿論、自分の現役時代はそうでしたが計量は失敗しない人の方が圧倒的に多いと思います。

ユニファイドであってもONEであっても普段の体調管理や食事をしっかり節制できて適正体重ならば失敗は無いはずです。
佑弥はかなり神経質な性格なので食事は節制してグルテンフリーでサプリメントも拘り毎日を過ごしています。
試合後やオフ時に巨大化したりするような事もありません。
それだけ神経質にやっている彼が何故そうなったのか結構聞かれるので経緯と今後の対策を説明します。

過去8戦で本計量で200gとか体重オーバーしたりはしたのですが尿比重の数値はいつも低く余裕がありました。
200gオーバーの理由は計量をジャストでパスするのがプロと言う本人の拘りがあったようで自分で持ってきた体重計との誤差だったりで再計量する事が何度かありました。

ONEで体重を少しでもオーバーすると、また小便が出る分の水分を摂取して体重を再び調整しなければいけないのでただ体重を落とすのと比べて結構手間がかかります。
それは避けたかったので佑弥は今回早めに体重を作っておきました。
前日から1キロちょいなのでユニファイドの水抜きより全然楽です。
ですが自信を持って挑んだ計量は体重がOKでハイドレーションが少しオーバー。
最初はそれでも余裕だと思い水を500m摂って時間内に再トライ。なんと尿比重の数値が2回目は上がっていました。
ちょっとやばいと思い水を1L摂取して汗をかけないので髪をバンテージ用のハサミで切って少しでも体重を減らそうと唾を吐き続けました。
時間がないので厚着で散歩してじんわり汗を流して再々トライ。
3回目のハイドレーションは更に数値が上がりもう時間内にパスする事は不可能になりました。

計量システムの変更
佑弥がONE参戦時の計量のシステムは今とは違い前前日から計量が行われ2日前と1日前にパスをしないといけなくそれができないと試合当日の朝に計量とハイドレーションテスト。
ハイドレーションはパス出来なければ失格。
体重オーバーであれば相手の了解があればペナルティを受けて試合成立と言う形。
しかし言い換えると一回失敗しても試合日にまたトライする事が出来ます。

コロナ禍を経て前々日のが無くなり前日と再テストのみと言う形で最近はやってきました。

しかし今回は更に再テスト無しと言うルールに変更されて、それに伴い体重オーバーする選手が続出しました。
今まで佑弥は試合当日の再テストになるような事はなかったです。

今回、時間内に4度目のテストに挑もうと堀江コーチに電話で指示をお願いしました。
炭水化物を摂取しないとまだ数値は上がると聞き、お粥を200gほどと水を2L摂取。
そこから汗を出さないと体重はオーバーなので汗出しをしました。
13時開始の計量終了のリミットは16時でしたが15:45に計量に呼ばれた時点では完全に体重オーバーしている事は解っていました。
4度目の最終では体重が初めてオーバーしてハイドレーションも失格。しかし4回目の尿比重が3回目よりだいぶ下がっていました。
前日の夜に炭水化物を抜いているのと汗が出過ぎた後に体に水分が吸収されなくなっていたのが失敗の原因でした。

フェイスオフがあるのでジャギジャギに切った髪をシェイバーで刈りました。
移動時間もしっかり水分を摂りハイドレーションのパスを目指しました。
フェイスオフが終わるとGRABを呼んでいち早くホテルに戻り品川朝陽くんの持っていた尿比重計を借りて測ってみるとかなり数値が下がっていました。
ハイドレーションは余裕でパス出来ます。

しかし体重が2kg近くオーバーしているので体重を合わせようと汗出しを開始しようと始めたらONE側から連絡がきました。

現在の状態を教えるとハイドレーションがOKなら測りに来て欲しいと言う話だったのですぐに計量会場に降りました。
ハイドレーションは余裕でパス出来ました。
体重は調整していなかったのですがこの体重ならば許容範囲と言われました。
我々はもう少し時間があればしっかり体重も落とせると伝えました。
2時間後か朝に再計量させてほしいと言ったのですが相手もいる問題なので相手選手と協議するとの事でした。

部屋に戻ると相手側からペナルティの反則金をギャランティから払う提案があるとONEサイドから伝えられました。金額は安くなかったのですがこちらが交渉できる立場ではないと思い提案通りのペナルティを受けて試合が成立しました。
佑弥が汚名返上するには最低でも勝つしかなくなりました。

試合結果は皆さん知っての通り1RでTKO負けでした。
減量による体調不良とかは一切無く試合前のウォームアップでは間違い無く過去最強でした。
帰国してから毎日ミットを持っていますがシンガポールで連日佑弥のミットを持っていたので皆の攻撃がとても軽くなったと錯覚するほどです。
正直負け惜しみではなく10回やれば9回勝てた相手だと思っています。
何故急に打ち合いみたいなことをしてしまったのか?
いろいろ思い当たる節があるので本人とこれから話していきたいと思ってます。それについてはどこかまた別の機会に話すかもしれないし話さないかもしれません。
彼はデビュー戦でずっこけて地獄を味わいました。いままた地獄に落とされたかのようです。

計量に話を戻します。
今後の計量対策としてはONEで使っている尿比重計を購入します。これでもう解決です。

ATAGO尿比重計

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