マルコスジュニオールについての分析

いよいよ明日から新シーズンが始動する。待ちに待ったシーズンだ。昨季は苦しんだ。とにかく苦しんだ。しかし、実りのあるシーズンであったことは確かである。ポステコグルーが1年間手塩にかけて創り上げたサッカーが今季熟成し、ようやく結果に繋がるかと思うと膨らむ期待は大きい。

さて、新シーズンを迎えるにあたってオフシーズンに補強を敢行したマリノスであるが、これに関しては近年稀に見るほど積極的で、かつ成功と言えるものに近かったのではないかと感じる。まず、先の2シーズンのようなゴタゴタがなく、昨季終盤のスタメン11人は全員残留の見込みが立っていること。大黒柱で精神的支柱であった中澤佑二の引退は小さくない痛手ではあるが、戦力的に大幅に減退したとは言いがたい。多くの選手の契約更新が発表されておらず、始動日を"練習生"として迎えることの不安は確かにあるが、今季はチーム始動が例年より1週間早いこともあり、ある程度しょうがない部分もあるのではないか。むしろ、近年の反省を生かし、かなり早い段階から選手とコミュニケーションを取って契約の話を進めていたというフロントの動きの早さを讃える年にしたい。

今オフの動きにおいて、唯一懸念点があるとすれば、FW陣である。昨季CFを務め、多くの得点を生み出したウーゴヴィエイラ、伊藤翔が2人ともクラブを去った。2人とも昨季において自分の色を出しつつ、効果的な働きを見せていただけに不安が残る。代わりにクラブは浦和から李忠成、フルミネンセからマルコスジュニオールを獲得し、なおもブラジルのバイーアからエジガル・ジュニオという選手の獲得に迫っているという報道がある。マリノスのサッカーにおいて、FW陣の働きはとてつもなく重要なポイントである。よって、この3人の働きがチームの浮沈の鍵を握っていると言っても過言ではない。

そこで、今回は新三羽烏の1人、マルコスジュニオールにスポットライトを当ててみたい。
まず、データで見る彼の特徴であるが、どのニュースソースでも述べられている通り、身長167cmと小柄な選手である。

仮に彼をCFとして起用する場合、求められるタスクは以下の通りである。
・決定力
・リンクマンとしての働き
・戦術理解力
・ウーゴ以上カイケ以下のビルドアップへの貢献
・裏抜け
・守備意識の高さ

今回参考にした試合は、2016年1月に行われたコリンチャンスvsフルミネンセである。この試合でマルコスは4-3-3のCFとしてスタメン出場、後半から左のWGに移り、70分くらいでベンチに下がっている。先に断っておきたいのは、3年前の試合であるため、現在の彼の姿とは多少異なっている可能性がある。

この試合を通じてマルコスが放ったシュートはたったの1本。フルミネンセにとってアウェイゲームということもあり、そもそもチャンスが少なかったことも深く関係しているが、彼が純粋なストライカーではないことは確かである。そのシュートチャンス自体は、味方との連携のなかでバイタルエリアから放ったグラウンダーのミドルシュートである。ボールを受けた時点で敵が寄せてきていることを感知し、素早い振りのトーキックに切り替えた彼の判断力とその場に合わせたプレー選択は、長所だと感じた。
そんなわけで、マリノスのCFに求められる決定力に関しては、この試合では見極めることができなかった。

次に、裏抜けについてである。回数こそ少なかったが、裏抜けによって相手DFラインを後ろに下げさせるシーンはいくつかあった。もともとスピードがあるタイプであるため、自分の特徴の活かし方は心得ているようである。裏抜けのタスクはしっかりとこなせる選手ではあるだろう。

次に、彼の戦術理解力である。これは、残る2つの観点である、リンクマンとしての働きウーゴ以上カイケ以下のビルドアップへの貢献と深く関係する部分であるため、まとめて述べることにする。
結論から述べると、彼は極めて高いレベルでこのタスクをこなしてくれる選手である。小柄ながら、細かい動きでマークを外し、懐にボールを収め、味方へ確実にボールを流す。アデミウソンほどのゴリゴリ感はないが、大柄のDFに当たられてもロストすることはほとんどない。一連の動作がスムーズであり、これはマリノスのサッカーにマッチした特徴である。

最後に守備意識。フルミネンセがハイプレスを掛けるチームでなかったことは関係しているが、プレス時のコース限定、プレスバック共にデキる男である。球際の負けん気の強さもあり、「ファイター」という印象を受けた。

以上が1試合で見たマルコスジュニオールの特徴である。ボスが彼をどこで使おうとしているのかはわからない。CFなのかウイングなのか。しかし、どのポジションでもかなりやれる選手ではありそうである。とにかく働き者。チームのために戦うことのできる選手である。肝心の得点力には疑問が残るが、そこは他の選手が一人10点取ることで補うことのできる部分であることから、あまり深刻に考える必要はないのではないだろうか。あとはいかに早く他の選手との連携を深められるか。開幕から大爆発は難題ではあるが、キャンプを怪我なく過ごすことができれば、4月を目処にフル稼働は可能なのではないか。


地球の裏側から横浜にやってきた「クリリン」ことマルコスジュニオールに注目である。

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