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バケモノの子(ネタバレ無し)

細田守監督の新作ということで早速映画館に足を運んでバケモノの子を見た。公開中ということでネタバレにはシビアに気を使いつつ、観てない人が観るか判断する指標になることを願って思ったことを綴る。

まずこの作品を見ての印象はアニメのタッチでありながら、子供よりも子を持つ者にとってより心打たれる映画であるということだ。私自身、子供がいたらまた違った思いで映画を見ていたと思う。前半部は師弟という関係性を軸に物語が展開する。ここで登場人物について深く知ることができれば後半よりのめり込んで映画を観ることができたのだが、あんまり掘り下げたエピソードが描かれなかったのが残念だった。そして物語が進むにつれて急にぶっこまれるシーンが増え、説明不足なまま物語が進んでいった感は否めない。それをいい感じのラストにもっていったせいで、漠然と観ていたらいい話だったなと思うのに突っ込みどころが多すぎる。映画じゃなくて、一クールのアニメにすればもっと綺麗にまとまったのかもしれない。

共感できるフレーズ、納得できるフレーズはいくつもあって、画や音がきれいで、ただストーリーは粗いという印象。一つ一つのシーンに関してはいいなと思えるものが多かった。ただそのまとまりはいまいちだった。映画に求めるものの違いが露骨にレビューに表れているからだろうか。☆1と☆5の意見にどっちも納得いくという不思議な感覚を鑑賞後に口コミをみておぼえた。ラストに納得いってない人も多いみたいだ。細田監督が描く舞台は素敵だけどテーマは削って心理描写を増やしたほうがまとまりはあったのかな。

いろいろ否定的な面は書いてはきたが、私はこれを映画館に観に行って良かったと思う。ストーリーに難があるだけにDVD借りて見ればいいやという類の映画では無い。どうせ観るなら映画館を薦める。ストーリーが緻密にできてないと嫌な人には向かないが、それを看過出来るなら面白かったと思える。そんな映画な気がする。設定が面白いだけに期待しすぎて見たら肩透かしを食らってしまうから適度に楽しむつもりで観に行って欲しい。



読んでいただいてありがとうございます。 全部無料公開なんで、ちょっとでも支援あったら正直めちゃめちゃ嬉しいです。