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FGM(女性器切除)を知っていますか

今日、ツイッターでこのようなツイートを見かけました。

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このツイートに書かれている「二次元の絵」というのはこちらの話です。

長くなるので、私はここではこのポスターの話はしません。
その代わり、冒頭のスクショのツイートにある「女性器切除」についてお話させてください。

女性性器切除(英語の頭文字をとってFGMとも)とは、アフリカや中近東の一部に残る習慣。女性の外性器を全部もしくは部分的に取り去るものです。
“女子割礼”と表現されることもあるようですが、ユダヤ教などに見られる(男子への)割礼とは比較にならないほど残酷な習慣です。世界中で毎日8千人、毎年約300万人が施術を受けるのだそう。
日本からは遠い世界の出来事のように思われがちですが、毎年何万人(※)という女性や少女が非衛生的な施術を受け、命を落とすことも多いと言われています。
(※世界中で毎日8千人、毎年約300万人が施術を受けるという統計あり)
施術から回復して生き延びることができても、素人による雑な縫合や後遺症で、排尿や月経のたびに激痛を覚えることがあるのだそう。いわんや性交をや。

かつて私は、この習慣を知り非常なショックを受けました。そこで、昔懐かしmixiで、反FGMコミュニティを立ち上げたりもしていました。
日本には「FGM廃絶を支援する女たちの会」という非営利団体も存在し、FGM廃絶を目指すアフリカの人々への支援を行ったり、日本での啓蒙活動をされています。日本に住んでいた時は、この会の主催イベントに参加したり、毎年募金をしたりしていました。(余談ですが、郵便振替じゃなくて会の銀行口座があればオランダからも募金できるのに。。。)

そういった経緯もあり、冒頭のツイートには、非常に怒りを覚えました。
女性器切除を受けた女性たちは、間違いなく性暴力の被害者です。けれど、だからといって彼女たちの存在を、「誰かの口を塞ぐため」には決して使って欲しくありません。小さく見える女性差別も、大きく見える女性差別も全て根源は同じです。仮に冒頭のツイ主が「もっと女性器切除を受けた人々を助けるべき」と思うなら、個別で「FGM廃絶を支援する女たちの会」に募金でもしてくれたらそれでいいのではないでしょうか。ポスターに不快感を示す人の口を塞ぐ必要は何もないのです。
万引きも銀行強盗も等しく犯罪なように、ポスターによる不快感も女性器切除もすべて女性差別なのですから。

ちなみに、「FGM廃絶を支援する女たちの会」は、Facebookページも持っています。閲覧しやすいほうをご参照くださいませ。

実際に女性器切除を受けた女性たちの手記も、日本語に翻訳されています。7歳で性器切除され、13歳で見知らぬ男と強制結婚させられたセネガル人女性の「切除されて」や、遊牧民出身からスーパーモデルになったワリス・ディリーさんの手記「砂漠の女ディリー」が有名です。

映画では、2004年カンヌ国際映画祭で「ある視点部門」グランプリを受賞した「母たちの村」があります。

ぜひ多くの人々に、FGMの実態を把握していただきたいです。
そして私も、次回の日本帰省の際には、「FGM廃絶を支援する女たちの会」にまた募金したいと思います。

※6月8日追記
スーダンでのFGM禁止法について書いたこちらのnoteも併せてご参照ください。


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