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世界一子供が幸せなオランダ流「子供を幸せにするたったひとつの方法」

ユニセフ(UNICEF)では数年おきに、独自の調査による先進国の「子供の幸福度ランキング」(An Overview of Child Well-Being)を発表しています。その結果、オランダは2007年2013年の2回、「世界一子供が幸せな国」に選ばれています。
ランキングは教育や安全度、住居環境などの総合点で算出されているのですが、筆者が注目したのはユニセフによりつけられた格付けではなく「オランダの子供自身が自分の環境に高い点数をつけている」という点。
各国の11歳、13歳、15歳の子供たちに「生活の満足度」に点数をつけてもらったところ、オランダの実に95%の子供が中央値より高い点数をつけたのです。これは2位のアイスランド(約90%)にも大きく差をつけ、各国の中でも群を抜いていました。
子供たち自身が、自分の生活に満足している、幸福に感じているということは素晴らしいですね(日本は非対象国)。

そして更に、その前の2007年版のリポートに、気になる項目を見つけました。それは、「孤独を感じるか」という質問に答えるアンケート。この質問は日本もオランダも調査対象になっていたのですが、オランダは「孤独を感じる」という回答2.9%でワースト1位。つまり「子供が孤独を1番感じていない」国だと分かりました。それに対して日本は、実に29.8%の子供が「孤独を感じる」と回答したのです。この数字は調査対象国の中でも群を抜いていて、2位のアイスランド10.3%とも大きく差が開いています。およそ3人中1人の日本の子供が孤独を感じているのですね。
ただし残念ながら2007年版、2013年版ともに上記2問に関しては数字の提示だけで、「何故オランダの子供は幸福を感じているのか」「孤独を感じていないのか」という詳細な分析を見つけることはできませんでした。

そしてある日、筆者はとあるデータに出合います。それは、オランダ統計局(CBS)が発表した「オランダ人の87%は、自分が幸せだと思っている」という調査結果。そう、オランダ人は子供だけではなく、大人も9割近くが幸せだったのです! 

これは、実は地続きなのではないでしょうか。幸せな大人たちに囲まれているから、子供も幸せを感じられるというシンプルな構図なのではないかと思います。ちなみに統計局のリポートでは、オランダ人の幸せはお金よりも「健康、人間関係、仕事」に影響されるようです。お金と仕事は関連していそうですが、切り離されて考えられているということは「やりがい」などの側面が強いのかもしれません。そして人間関係が影響するということは、やはり大人も孤独を感じることがない家族関係や交友関係を維持しているのでしょう。
子供の幸せは親の幸せになり得ますが、親自身が孤独で、幸せを感じていなければ子供は幸せだと思えるでしょうか。日本の大人はもっと、子供のためにも自分自身の幸せについて考えたほうが良いかもしれませんね。


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