《電結の荒廃者》の数だけ強くなれるよ~MCQ行脚記録~

0.冒頭

トーナメントでの敗北。

それを繰り返すとミシックチャンピオンシップ(旧プロツアー、以下MC)から振り落とされるのは自然の摂理で、4年を超えるMC参戦もとうとう途絶えようとしていた。

前回のMCロンドンではここを勝てばMC権利を獲得+ゴールドレベルへの復帰を懸けた2連戦に敗北、またチーム武蔵のチームメイト、トップエイトが確定した渡辺雄也の受賞資格も失う失格も重なる。

自前での権利獲得を逃した後のチームシリーズでの上位入賞に伴う権利獲得も潰えるダブルパンチで、流石の私も大いに堪えた。


これは踏み出しではなく”降り”。

ともすれば、MCQ(ミシックチャンピオンシップ予選)への参戦である。

ここ数年、MCQの前身であるPTQは、まずPPTQという予選の予選を勝利したのちに、シーズンごとに各1回行われるRPTQという本戦予選でTop8に進出したプレイヤーに権利を付与するシステムであった。

だが、ここに来てシーズン中毎週末のように各地で行われ、”優勝者”のみに権利が与えられる、私がプロツアーに焦がれしのぎを削った当時のウィナーテイクオール形式の純然たるPTQ制度に立ち戻ったのである。

システムに呼び戻された可能性

現状、来シーズンのプロ制度も完全に不透明で、しかもMCQを優勝したとしても航空券を得られず獲得出来るのは権利のみと、まさかの出るだけでマイナスからスタート。

果たしてこの逆風でMCQを行脚することに意味があるのかと自問自答もしたが、ここで走るのを止めてしまうともう復帰することは難しく、引退の2文字も見えて来る。

取り敢えず今シーズンは回ってみよう、難しいことはそれから考えよう。

の後回し精神でMCQ行脚に繰り出すことに決めたのであった。


1.スケジューリング

国内のMCQ予選は以上の通りだ。

・MCQ一週目 東京/群馬

・MCQ二週目 大阪/大阪

・MCQ三週目 大阪/石川

・MCQ五週目 広島/大阪 

これら計8回のMCQに出場することを決めた。

MCQ四週目の名古屋はスキップすることにした。単発のMCQの為に関東から名古屋に遠征するのはコストが掛かり過ぎる。

これから兎角制度の変更がなく、このMCQ制度が継続する、かつ自分がそれらに出場し続けるとなるとコスト意識は重要な要素だ。

これに6月8日~9日で開催されるグランプリ台北にも出場する。グランプリ台北で得られる権利は次のMCのバルセロナではなく、それの次のMCリッチモンドの権利となるが、MCQのフォーマットであるスタンダードと同フォーマットで開催され、MCリッチモンドの権利も有していない私にとって出場しない選択肢はない。


2.MCQ一週目 東京/群馬

■MCQ群馬

あれ?MCQ東京は?と思うかも知れない。

MCQ東京@晴れる屋はまさかの定員いっぱい、満員御礼、予約戦線に敗れて出場出来ず。

敗因としてはまだ前回のMCロンドン終了後、現地時間で深夜の3時に予約が開始されて数十分で予約が埋まってしまったこと。

まさかそんな早く埋まると考えていなかったので虚をつかれた。

Arenaの流行後、MtGの盛り上がりはすさまじいものがあり、リアルのMCQにもここまでの影響が出るのかと驚いた。

と、いうことで気を取り直してMCQ群馬からの参戦となった。

・環境予測

この当時の環境トップはエスパーミッドレンジ。

前週のMOMCQでも同アーキタイプが複数入賞し、新環境での頭角を現した。

前環境ではミッドレンジの王たるスゥルタイミッドレンジの影に隠れ、器用貧乏感否めないエスパーミッドレンジだったが、灯争大戦加入により大幅強化。

モダン環境にも影響を及ぼしている《時を解す者、テフェリー》を筆頭に《ドビンの拒否権》《暴君の嘲笑》などのマルチカラーで取り回しの良いスペルが増え、《第1管区の勇士》のシナジーも太く強くなった。

対抗馬は赤単。

ショック》はエスパーミッドレンジの核たる《第1管区の勇士》《正気泥棒》をテンポ良く対処することが出来、評価が上がっている。

《実験の狂乱》も、《屈辱》ではなく《ケイヤの誓い》を採用している関係からプレイさえ出来れば場に定着しやすいカードだ。


勿論《聖堂の鐘憑き》という赤単にとってはカード3枚分くらいのアドバンテージを取るカードを有している為基本的にはエスパーミッドレンジ側が有利に思える。

だが、それ以外で赤単に強いカードは《ケイヤの誓い》のみで、当時のエスパーミッドレンジは《ケイヤの誓い》の採用は1~2枚程度にとどめており、それら以外のパーツは赤単に弱いことから外野視点ではそこまでの相性差を感じなかった。

・使用デッキ

使用デッキは青白スーパーフレンズ。

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