マウント会話男⇒モラハラ旦那

会話でマウントを取ろうしてくる男


(こいつと会話をしていると何かチクチクするな…… )って人、いませんか?
こっちは普通に会話をしているつもりなんだけど、ちょくちょく反論めいたことを挟んできてなぜか議論っぽくしてくる人。
会話のキャッチボールで内角低めギリギリのところを攻めてくるヤツ。
「おはようっ!」と右手を上げたらレフトクロスを叩き込んでくるクソ野郎。
そう、会話でマウントを取ろうとしてくる人。
マウント、マウンター、マウンテン!
そう、これはマウンターについてです。

マウンターの行動原理

マウンターはなぜ会話でマウントを取ろうとするのか?
なぜ軽い挨拶にまでレフトクロスを叩き込んでくるのか?
それはマウンターの行動原理が「オレはエラい」というところに設定されているからです。
行動原理というのは何かというと……

簡単かつ分かりにくく例えると
帰宅するとお嫁さんが言いました。
「ご飯にする?それともタ・ワ・シ?」
お腹が空いていればご飯を選ぶかもしれませんし、タワシ欲が強ければタワシを選ぶでしょう。
中にはお腹はペッコペコですがタワシのあとのご飯は格別だという想いで先にタワシを選ぶ人もいるでしょうし
お腹は空いていないけどタワシは外で済ませてきたのでご飯を選ぶと言う人もいるでしょう。
そう、行動原理とは人の行動を左右し決定する個々の価値観のことです。

そしてマウンターは「オレはエラい」という行動原理を以てレフトクロスを叩き込んできます。
会話において相手の言ったことにうなずくのは、相手を認めることであり、それは「エラくない」のでマウンターはうなずく代わりに相手を否定するような会話をします。
マウンターは「はい」「わかりました」「そうですね」といった相手を肯定する言葉を極力避けようとするわけです。

「Aだよね」と言われた時に「Aではない」と否定する
「Bではない」とAであることを否定しないけど同意しない
「そうそうAなんだよね」意味としては同意はしているが「ハイそうですね」とは言わず同じことを言い直すことでギリギリ同意を回避している。
「オレは偉い」の強度によって症状のレベルも様々です。

また同じ様な理由でマウンターは「ごめん」「悪かった」など謝ることが大嫌いです。謝罪をする者は「エラくない」からです。
ミスを指摘されると、自らのミスを認めはするけれど謝る事のない人も同じくマウンターです。

マウンターはその自覚が無い。

しかしなぜマウンターは会話の時にそんな邪魔くさい行動原理を発動させて人を不快にさせるのでしょうか?
それは、マウンターには「オレはエラい」という行動原理に基づいて行動しているという自覚がないからです。

人は、ペコペコならご飯を選びますし、ボッキボキならタワシを選ぶでしょう。
そしてご飯を選んだ理由も、タワシを選んだ理由も自覚しているはずです。

しかしマウンターには「オレはエラい」という行動原理に基づいて会話し、相手を不快にさせているという自覚が全くないのです。

ですからマウンター相手に「お前はなんでエラそうにするんだ?」と言ってもムダですし無意味です。
マウンターには「オレはエラい」という行動原理に則って行動しているという自覚がないのです。
それどころかマウンターは、自分から議論をふっかけるような物言いをしているとも思っていませんし、相手を言い負かそうとか相手を否定しているつもりも全くありません。
マウンターはマウンターなりに極々普通に会話をしているつもりなのです。

私も元はマウンターです。

何故そんなことが分かるのかと言えば、私自身が元マウンターだったからです。
私はある日、友人にこう言われました。
「お前さあ、いつも必ず『それはさあ』とか言うよな?ウザいからやめろよ」
私は衝撃を受けつつも「いやそれは違くてさぁ」とか言ってましたけどね。
私はそんな指摘を受けて自分の言動を振り返ってみましたが、そんなことを言われる覚えはありませんでした。
しかし、それを踏まえて友人を会話してみると確かに、言っていました。
まず「そうだね」とは言わず、たとえその話題が友人の専門分野であっても「でも、それはさあ・・」とか言っていました。
マジで自覚が無いんです。こっちは普通に会話していたつもりなんです。まさか友人に指摘されるほど不快な思いをさせていたんだとは露にも想像していませんでした。

マウントは本能のようなものです。

マウンターは自覚のない行動原理に則って会話しているのです。
この、自覚のない行動原理を深層原理と言います。
そしてこの「オレはエラい」という深層原理はヒトが元々から心の奥底に持っている自覚することない行動原理の一つなのです。

モラハラ旦那の作り方。

男性同士の場合、相手の投げるボールのチクチクに敏感に反応しますが、女性は男性ほど敏感には反応しません。これがマウンター男性がモラハラ旦那になる原因の1つだと思われます。

「オレはエラい」とは言い換えれば「オレがリーダーだ」です。
遠い昔、群れのリーダーと成ったオスは多くのメスとの間に子孫を残すことができたので「オレはエラい」という深層原理はオスの本能に刻まれています。
対してメスは多くのオスとの間に子孫を作ることは難しいので一匹の強いオスの子供を産むために強いリーダーと成れるオスを見極める必要があります。
オスはお互いが群れのリーダーを争う相手なのでボールのチクチクに敏感に反応しますが、メスの場合はそのチクチク感をむしろ受け入れる傾向にあります。

男性マウンターを受け入れた女性は家庭を築くことになりますが、家庭と言うのはいわば最小の「群れ」です。
新たな群れのリーダーとなった男性マウンターは「オレはエラい」という深層原理をさらに強く発揮させていくことになります。
こうしてモラハラ旦那が爆誕します。

モラハラ旦那診断。

ここで唐突にモラハラ旦那診断です。

問1「挨拶」
A:自分から「おはよう!」と挨拶してくる。
B:自分から「おはよう」とはしてこないがこちらから「おはよう」と言えば「おはよう」と返してくれる。

問2「時間」
A:いつも先に待っていてくれる。
B:基本的に五分か十分ほど遅れる。

問3「謝罪」
A:自らのミスや間違いを素直に認め謝罪をする。
B:自らのミスは認めるが素直に謝罪をしない。

問4「あなたのミスへの対応」
仮にゴミが落ちていたとします。それが三回続いた時。
A:ゴミを拾い捨てます×3
B:ゴミを拾い捨てつつもゴミが落ちていたことを咎めます×3

診断結果

診断結果。
オールA。
普通の旦那です。
それ以外はモラハラ旦那。もしくは末期です。

まず問1から見ていきましょう。
挨拶と言うのはごく普通の事に思えますがマウンターにとっては「オレはエラい」に直結する問題です。
挨拶と言うのは自分の存在を相手に知ってもらうという行動です。
しかしマウンターとって挨拶と言う物は群れの下位から受けて返す物なのです。
サルでいうところの毛づくろいに相当する行為です。
自分からは挨拶をしてくることは少ないですが
「おはよう!」「ただいま!」「いつもありがとう!」と返して来ればまだ大丈夫でしょう。

自分から進んで挨拶をしてこない旦那は危険です。
「おはよう!」に対し「あぁ」とか「おぉ」とか謎のうめき声を発する旦那は既に末期を越えています。
諦めて。試合は終わっています。

問2
時間を守らない旦那は危険です。
これは判断が難しいところがあります。モラハラとは関係が無く、ただダラしない人間である可能性もあるからです。まあどちらにせよアレですが。
しかし毎回5分10分遅れて、謝ることもなく悪びれることもない旦那は危険です。
そして人を待たすくせに待たされた時には明らかに不機嫌になる旦那、これはもう末期です。
マウンターにとって人を待たせるという行為はお手軽に「オレはエラい」を実感できる事で、当然「待たせられる」ことは相手が「エラそうにしている」と感じるのですぐに不機嫌になります。

問3
ミスを認め謝罪する旦那。
普通です。普通の旦那さんです。

ミスを認めはしますが、何かにつけて言い訳じみたことを言って謝罪まではしない旦那。
危険です。

ミスは認めず謝罪もしない旦那。
末期です。

ここでは「ミス」と「謝罪」の二つがポイントとなっています。
「ミスを認める」「謝罪をする」どちらも「オレはエラい」に反する行為だからです。
因みにマウンターが謝罪しても「オレはエラい」に反しない状況もあります。
それは謝罪するほどの事でもない場合です。
これは些細な事でも謝ることが出来る良い旦那の可能性もありますが、謝るべき時に謝らず、どうでもいい時にしか謝らない旦那は非常に危険です。

問4
これは比較的に分かりやすいシチュエーションだと思います。
嫁のミスをフォローするかどうかです。
ゴミが落ちていたら拾って捨てる。当然の事であり、わざわざ報告してきたり、ミスだと指摘する必要もないでしょう。
しかしマウンターはそう言ったミスを見逃さずに指摘してきます。

これはマウンターの基本原理のようなものです。
「オレはエラい」という深層原理を満たすために最も簡単な手段は「他人を攻撃する」という事だからです。
攻撃されるのは弱者で、攻撃する者は強者だからです。

黙ってゴミを捨てる旦那は普通です。
ゴミが落ちていたといちいち指摘してくる旦那は危険です。
そして、ゴミを拾えと指摘してくる旦那はそう、末期です。
末期を越えた旦那はあなたを攻撃するためにゴミを探すようになります。

部屋を綺麗に維持するためではなく、あなたを攻撃するためにゴミを探し始めます。
一つ目のゴミを見つけ「ゴミが落ちているぞ!」と指摘し
二つ目のゴミを見つけ「またゴミが落ちているぞ!!」と怒り
三つ目のゴミを見つけ「掃除してんのか!!!」と激怒するでしょう。

もっと詳しくマウンター。

さらにマウンターは「他人に何かをしてあげる」という行為が嫌いです。
もちろん「エラくない」からです。
これも判断がやや難しい所がありますが簡単に言うと、命令することは好きですが、教えてあげるのは嫌いです。
ゴミを拾って「あげる」なんてことはしません。捨てろ!と「命令」してきます。
普通の人は、人に何かをしてあげた時に感謝を返されたことに喜びを感じます。
だから次も、その次も感謝され続ける限り、人に何かをしてあげます。
しかしマウンターは人に感謝されても、あまり喜びを感じません。
感謝されることに期待などしないので人に何かをしてあげることが嫌いなままです。

さらにさらに「命令」することは好きですが、「任せる」ことは嫌いです。
例えばマウンターに旅行の予約をしておくように言われたとします。

「任せる」ことが出来る旦那は予約をしておいてくれたことに感謝するでしょう。

「任せる」ことが出来ない危険な旦那は「ならお前がやれよ!」と言いたくなるレベルでイチイチ口をはさんできます。

末期の旦那は予約された結果を見てからあれこれ文句を言ってきます。
もっと安くとれただろう!?とか、もっといいホテルが取れただろう!?とかです。
「先に言えよ!!!」と言いたくなることを口にするでしょう。
しかし末期旦那はそう言ったことを前もって教えて「あげる」ことをしません。
それはエラくないからです。むしろミスを待つために教えないまであります。

そして恐ろしいことに、これらはすべて無自覚です。
信じられないでしょうが本当です。
これがマウンターです。

マウンターは直せる?


直すのは難しいでしょう。
マウント取ろうとするなと言っても無駄です。
マウントを取ろうとしている自覚が無いからです。
一つ一つ指摘して直してもらうのは難しいでしょう。
「ゴミが落ちていたら拾えばいいじゃない!」と言っても
「お前が散らかしているからだ」と返されるのがオチです。

元マウンターの私自身、比較的マシな方だったと思っていますがそれでも友人に指摘されるくらいだったわけで、自覚が無いというのは本当に恐ろしいのです。
勿論個人差はあります。
ミスを必要以上になじってくるのはおそらくマウンターでしょうが
「こいつーおっちょこちょいだなあ」と笑ってくるのは愛情かもしれませんが、相手を下に見ようとしている軽度マウンターかもしれません。

残念ながら人に指摘されてマウンターを卒業するのは難しいでしょう。
私はと言うと、友人に指摘され自分の会話を注視して自分がマウンターである自覚を持つことが出来、そして改善出来ました。いや改善したつもりです。
私はまだ人に感謝されることに喜びを感じることが出来る程度に、マウンターとしては軽度だったからだと思います。
ただ、他のマウンターに対しては、その深層原理を理解したせいで非常に敏感に不快感を覚えるようになったと思います。

そして私が改善した点は簡単です。
人と会話するときにまず自分のターンを「へえ、そうなんだ」から始める事にしました。
まず相手の意見を尊重するよう気を付けるようにしました。
たとえ相手が明らかに間違っていたとしてもまず相手の意見を尊重することが大事です。
なぜなら会話はキャッチボールだからです。相手が取りやすい所に投げてあげるのがキャッチボールを続けるコツだからです。
内角低めの厳しい所を狙う必要はないのです。
相手がボールにトゲを仕込んできたからと言ってこちらもそれにならう必要はないのです。
普通の人はそういう相手とキャッチボールはしなくなります。
楽しくないからです。
会話は、議論でも勝負でもないのです。

例えば
「カレーは何が好き?私はビーフカレーかな」と言われたときに
「ビーフ?カレーはインド料理だぞ!インドじゃ牛は神聖な動物なんだぞ!カレーはチキンに決まってんだろ!バカが!死ねよ!」
と返すのと
「へえ、そうなんだ!欧風カレーな感じ?日本のカレーってイギリス由来だしビーフカレーが基本なのかなあ。まあでもウチは昔から母親が作るカレーはチキンだったんだよね、だからオレはチキンカレーかな。そういえばカレーって元々インド料理だよね?ビーフカレーってなんかインドの人怒りそうだよね」
と返すのでは相手が受ける印象は全く変わってくるでしょう。

しかし自覚のないままに「オレはエラい」という行動原理を持っている人に「おまえはエラそうにしている」という事を諭すのは非常に難しいでしょう。

マウンターはなぜ生まれるのか?

「オレはエラい」という深層原理が男性の本能のようなものであるなら、なぜマウンターと非マウンターがいるのでしょうか?

マウンターは「オレはエラい」という事を無意識に実感しようとするために非常に攻撃的になります。
その一番手っ取り早く確実な方法は、自分より弱いと思える相手を攻撃することです。
「俺より強い奴に会いに行く」のではなく
「俺より弱い奴に会いに行く」わけです。

それに、普通の人は他人から受けた不快な思いを他人に付き返すようなことは避けるようになりますが
マウンターはそんなことはお構いなしに他人を不快にさせる行動をとり続けます。
これは自分を客観的に見つめることが出来ているかどうかが重要です。
普通の人は他人から受けた不快な思いを、他人にぶつけていないかと自分を省みて行動を改めるでしょう。
しかしマウンターは行動を改めません。自分を客観視する能力が低いからです。
自分がおかしな行動をとっている、異常なほどに攻撃的だという事を客観的に見ることが出来ないのです。
これは当然、重度で末期のマウンターほど自分を客観視できていないという事になります。
軽度マウンターは多少は自分を客観的に見ることが出来ますが、軽度なので自分のおかしな点に気が付きにくいです。
重度のマウンターは明らかにおかしい行動をとっているのですが、それに伴い自分を客観的に見る能力も著しく低いので、自分のおかしい行動に気が付くことが出来ません。

マウンターの唯一の治療法。

マウンターにその不快な態度を改めてもらうためには、自分の行動を見直してもらい、それを客観的に見てどう思うのかという事を、よく考えてもらう事しかありません。
放っておいて治ることはほぼ無いでしょう。少なくとも家庭内においては絶対に自然治癒は見込めません。
マウンターは四六時中四方八方に攻撃しているわけではないからです。
家庭という「群れ」の中でより弱い存在に対し「オレはエラい」を発揮することになるだけです。

この先、何十年とその理不尽で不快な攻撃に耐え続けるか、よく話し合って治療の道を探るかです。

因みに「深層原理」という言葉はついさっき私が作った言葉なので、知ったかぶりして使うと痛い目に合うでしょう。

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