見出し画像

【マッチレビュー】2019年 J1リーグ 第1節 鹿島アントラーズ(H)vs 大分トリニータ(A)

皆さん!よくやく待ちに待ったJ1リーグが開幕しました。

3年前はJ3で必死に戦っていたチームが、ついについに…しかも6年ぶりのJ1開幕戦の相手はなんと 、昨年のアジア王者・鹿島アントラーズでした。(泣)

・スターティングメンバー

今季の大分の補強は「J2オールスターズ」と呼ばれるほどで、その中からスタメンは伊藤・小塚。タイ代表のティティパン、湘南から加入の高山が開幕戦スタメンを飾りました。

個人的に前田と組むボランチは丸谷だろうと思っていたので、ティティパンを開幕戦でスタメン出場させたのは驚きでした。

・前半

大分は昨年と変わらず3バックとGK高木が、相手の隙間を見つけるようにボールを回し、右サイドの松本怜を軸として相手の裏を取る基本パターンで試合に入りました。

19日にすでに公式戦を戦っている鹿島は、試合開始と同時に高い位置から大分にプレッシャーを掛け、大分のパス回しを阻害するだけでなく、ボールを奪ってからの速い攻撃でゴールへ迫った。しかし、10分を過ぎた頃からプレスを弱めると、落ち着いてパスを回せるようになった大分がペースをつかんでいく。

前半11分、裏抜けを得意とするFW藤本に決定機… 開始11分で2点目のヒントになるシーンは既に作られていた。ビルドアップで深さを作って自陣に相手を引き込み、トップの藤本がハーフウェイ付近まで釣り出した相手CBと勝負になり入れ替わって独走… このカウンター戦法はJ1でも通用した。

(この戦法は徐々に対策されるでしょう。)

この試合で早速、ティティパンが威力を見せた。去年の前田・丸谷ボランチは安定感があったのですが、守備面でバイタルエリアが空いたり課題がありました。この試合ではティティパンが入った事により守備面に余裕ができ、攻撃も更に迫力が増しました。(なぜ丸谷ではなく、ティティパンを起用したのか?試合を観れば分かりました。)

左サイドでは今季加入、高山の個の能力の高さにより、昨季よりサイドの攻撃力が強化されていたと思います。(ST) シャドーの位置で開幕スタメンを飾った伊藤・小塚も(CF) 藤本と素晴らしい連携を見せる。

その左サイドから先制点を奪う。福森の藤本を狙ったパスを鹿島が弾き返し前田がセカンドボールを拾って伊藤へパス。伊藤が小塚へ渡しそこから小塚が絶妙なパスを藤本に送り、藤本が豪快に左足で放ったシュートはネットを揺らした。

藤本憲明はJFLの佐川印刷でアマチュア契約。
佐川印刷がチーム名変更の後活動休止となり、当時J3の鹿児島へ加入。そこから大活躍し、大分トリニータに加入した苦労人。藤本憲明はこれでJFL、J3、J2、J1の全カテゴリーでの開幕戦ゴールを達成!!


先制点を奪われた鹿島ですが、前線中央の攻めを厚くして、大分から主導権を奪い返しにかかる。しかし、攻撃の形を作れず決定的な場面を作れないまま前半を終えた。


・後半

開始早々、流れを継続させて鹿島が同点弾を奪う。FKのチャンスから、競合いでDF犬飼が折り返し、FW伊藤が飛び込んでゴール。

大分の昨年からの弱点であるセットプレーからの得点。今季もセットプレーからの守備は、課題となりそうです。岩政さんも言ってましたが、正確なキッカーのいるJ1の舞台で守備のやり方を考えなくては今後もそこから失点が増えるでしょう。(片野坂監督・コーチ陣の修正に期待しています。)

次第に鹿島にポゼッションを譲り、大分は守備の時間が長くなる。鹿島はレオシルバ・セルジーニョなどで大分の縦の推進力を奪い、守備陣の疲弊を誘う狙いへ。鹿島のチャンスが続き、鹿島の勝ち越しも時間の問題かと思われた。


しかし後半62分に試合の流れが変わる。大分は伊に変えてオナイウを投入。鹿島の4-4-2に対して大分はオナイウ・藤本の2トップにして3-5-2のシステムへ変更。この試合を通してですが、鹿島の守備が機能していなかった印象。入れ替わりが得意の藤本とフィジカルで勝負するオナイウの2人、終始藤本が裏抜けに苦労している状況で、カウンターの起点になるオナイウの投入が決定的に効きましたね。

そのオナイウから2点目を奪う。オナイウがチョンスンヒョンを上手くかわし右足でアウトサイドパスを送る。藤本が抜け出し、落ち着いて流し込み勝ち越しに成功!!

大分はティティパン→丸谷。前田→馬場と交代してポゼッションを狙い、鹿島の攻撃時間を削っていく。鹿島も交代を重ねるが、攻撃力の底上げとまではいかず、藤本にハットトリックか!?という場面を作られ苦しい展開を打開しきれずに試合終了。

大分は6年ぶりのJ1で、大分のNo.10 藤本憲明の活躍で見事に強豪・鹿島アントラーズから勝利を挙げた!!

片野坂監督はシーズン前、今季J1の舞台で戦っていくには「速さ」が課題となると仰っていました。鹿島戦の後半71.81.87分の所に注目して観て欲しい。片野坂体制4年目だが、リードしている中で4人・5人とカウンター攻撃で攻めていく姿勢は初めて見ました。とても驚きました。

これだけはなく、攻守の切り替えの速さも昨季より成長も見えました。キャンプからしっかり積み上げてJ1仕様にチームを持ってきた片野坂監督・コーチ陣の皆さんには本当に感謝です。

次節はホーム開幕戦、昨年も昇格争いを共にした松本山雅との対戦です。今季の補強リストも被っていたとの噂もありました。  スタメンはまた変わってくるのか?松本対策としてどんな対策をしてくるのか本当に楽しみです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?