フォローしませんか?
シェア
どうか連れて行って。 貴方が愛した山の頂へ。 枯れた木々の美しいシルエット。 冬山が朝陽に煌めきだす。 どうか見捨てないで。 凍てつく冬山の夜に、灯火を与えてくれたひと。 愛している。他には何も、もう何も。
貴方が死んで初めて 気づいたことがある この世にあるすべてに終わりがあること 夏の海に溶けゆくささやかな光 貴方のいない旅を続けていく
あなたの虹彩に映り込む流星。
強く、優しく、生に清く、死に潔く。 あなたの孤独の在り方は美しい。 論争、誹謗中傷、ひずんだ正義、 押し寄せる波の中、 目を閉じれば、ゆける。 ―――あなたの美しい森。
illustration by Kay Nielsen
いかなるときも貴方と共に。 呼吸をせよ、前を見て。 震えてきしむ足を、動かして。 思考を止めるな、 反芻される言葉に、惑わされるな。 私の聖域には、誰も入れない。
紺色のパーカー。黒い髪。 冬の風が少し残る光の中。 私の魂に春はやってくる。 もっとあなたをみていたい。 もっとあなたの声を聞きたい。 鼻孔をくすぐるその残香。 あなたは春を撒いてやってくる。
ただ午後の光の中で、君の肩にもたれて眠りたい。 せまりくる夜の果て。 僕はなにも怖くない。 僕は此処に居ていいし、君も此処にいていい。 誰の許しも必要ない。 さあ、黄金と青の時間がやってくる。
あなたの指先の美しさに気付いてしまった。 あなたの澄み切った瞳に気付いてしまった。 清かなる声で名前をよんで。 いくえにも重なっていく瑪瑙(めのう)の河よ。 わたしを連れてゆけ、 そのたおやかな流れのままに、連れてゆけ。 あなたのもとへ、あなたのもとへ。
あなたが帰ってきた秋の白昼夢。 変わらぬ瞳の色。黒い髪。声。笑い声。 ああ、まだ忘れていない。
ビルの森の中、 見上げれば琥珀の宇宙、凪いだ海の中に沈む七番目の鯨。 目を閉じればいつでも「静かな場所」へ行ける。
ゆっくりと、 それでいて、 終わりが早い 君を表すための比喩より 簡単な言葉を連ねた絵本でいい 幼い落書きを 眠る前に描くから
目覚めは琥珀色の湖 祈りは幻想の砦 幾つもの柵を乗り越えて 貴方を抱きしめにきた 素敵な物語じゃない 執心は悲劇を生み続ける 締め付けられる痛みほど 貴方の生を感じられる