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FIFAワールドカップ・欧州予選 グループC 第6節 イタリアvsリトアニア感想

サッカーを愛する皆様、こんにちは。
くろだといいます。
ワールドカップ欧州予選アーカイブ計画として、僕は「#W杯欧州予選グループC全部見るマン 」として今回はイタリアvsリトアニアを取り上げてみたいと思います。

試合前情報

前節のイタリアは、力関係上グループの上位を争う事が濃厚のスイスを相手に引き分けてしまった事で予選グループの趨勢を引き寄せる事が出来ませんでした。前回対戦では0-2と勝利しているうえにFIFAランキングとしても抱えているタレントの質としても絶対に負けられれない一戦となります。そして、その上で前線やバックラインで出場時間を多く取っていた選手への依存度を低減できるように他の選手の起用もにらみたいところです。

対するリトアニアは前節までを見ても、理性的な振る舞いを見せつつもアタッキングサードでの質であったり相手を含めて密度が高くなる局面での脆さを覆すだけのプレーを見せることが出来ずに敗戦が続いています。今節も選手の質の問題から非常に苦しい試合になる事が予想されますが、どれだけ踏ん張ることが出来るのかに注目です。

スタメン

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イタリアは前節までとうって変わってスタメンを大幅に入れ替え。
アンカーのジョルジーニョ(8)だけが連続スタメンという様相。後半に交代でリスク管理をするのかどうかに注目です。

リトアニアはボランチを2枚揃えた陣形は前回のブルガリア戦と同様。
おそらく、ブルガリア戦と同じく中央をしっかり締めつつカウンターのチャンスを伺いたい、という構えでしょう。気になるのは、背番号的に後ろの選手だと思われるダップコス(4)の振る舞いです。もしかすると5バック化した時にディフェンスラインに吸収されたりするのでしょうか。

試合雑感

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試合開始直後から、少し落ち着かないボールの動きを見せつつもイタリアがボールを持ち、押し込もうとする傾向が見える展開に。リトアニアは割と分かりやすく4-2-3-1のブロックを敷きますが、最序盤は積極的にプレスを仕掛けつつ、徐々にブロックが後ろに押し込まれていくような展開を見せていました。
イタリアとしては、ボールポジションが前寄りにある場合の相手の守備ブロックをどうやって崩すかという所に注力する作業という趣きすらありましたが主に左サイドでのキーン(20)、ピラーギ(4)、クリスタンテ(23)のユニットと、ビルドアップ時でのベルナルデスキ(10)とペッシーナ(12)の右サイドでの流動性に合わせたジョルジーニョ(8)やディ・ロレンツォ(2)の配球などでリトアニアのカズラウスカス(9)やスリヴカ(14)に対しての選択肢の迫り方でブロックを歪める形で迫る事によってリトアニアの布陣を窮屈な形に押し込める事が出来た様に思います。

イタリアの先制点もその末に迎える事が出来たものだと言えると思いますが、イタリアの左サイドの仕掛けからのクリアを回収し、右サイドのベルナルデスキ(10)への展開からサイドチェンジでピラーギ(4)へのボールが通り、ヘディングでキーン(20)へ落としたボールをウトクス(8)が処理するもノビコバス(11)のリターンをかっ攫われてキーンがゴールを決めた形。セーフティファーストで蹴り出してしまっても良かったと後付けで言える場面でもリトアニアがボールを繋いで保持する事を志向するチームと思えば必然でもあったのかもしれません。

そうして、早々に失点してしまったリトアニアが浮足立ってしまうのも無理はなく、攻勢に転じますが守備時のポジショニングが大幅に偏る事によってイタリアの右サイドのベルナルデスキ(10)へのクリーンな配球を許し、その上でペッシーナ(12)との連携にラスパドーリ(9)が絡んでゴールを許してしまいます。

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公式記録ではオウンゴールですが、(シュートは枠外とはいえ)実質ラスパドーリのゴールと言えるシーンでしたので、少し気の毒だったな、と。(インモービレだったら入っていないという謎の信頼があります)

早々に2失点をしてしまえばよほどのことが起きない限りは試合の趨勢が大きく傾いてしまうのは自明とはいえ、少し残念な気持ちもあります。
イタリアは落ち着いてリトアニアのブロックを攻略していけばいいですし、左右に揺さぶって幅を取っている選手にクリーンな配球を出来ればリトアニアのディフェンスラインに対して張り付いている選手のそれぞれが連携に絡む事によって有利な状況を作り出せますしラスパドーリが決めた3点目もそんな状況から生まれたものでした。

こうなるとリトアニアは対策という対策を見出せない状況ですし、それぞれの選手が目付を出来ずにベルナルデスキからワンタッチで配球されたキーンが易々と4点目を決めるのを許してしまう事になります。

後半に入ってからはおおよそ練習試合モードに。
リトアニアもブロックを形成して受けに回り続けるよりも少しでも状況を寄せようと頑張りますが全体として意思統一された動きを見せることが出来ません。
というより、局面での彼我戦力差が激しい事から陣形を寄せざるを得ないという状況から前線の枚数を増やしてプレスに行こうと試みても押し込まれた段階でバックラインを厚くしようと試みても、局面で悉く自由に振る舞う事を許さざるを得ない状況ではリトアニアにこれ以上打てる手もなく。

その象徴が5点目のディ・ロレンツォのシュートだったわけですが、その中でもやれる事を全力でぶつけ続けたリトアニアには最大限の敬意を表したいと思う試合でもありました。

注目選手

カラブリア

この試合はどうにも評価が難しい試合ではありましたが、後半から投入されたカラブリアに注目してみたいな、と思います。
現在はACミランに所属し、過去にはイタリアのアンダー代表に名を連ねている事から非常に興味深い選手であります。
今節では本職が右サイドバックでにもかかわらず左サイドで起用された事、ほぼ試合が決まった中での出場などエクスキューズはありますが、キックのフィーリングや攻め上がりのタイミングなど期待できる輝きを見せてくれたように思います。
より強度の高い試合でどの様な仕事が出来るのかを見てみたいなと思いますが、この前のチャンピオンズリーグではどうだったのでしょうか・・・やはり、WOWOWに加入するしかないのでしょうか・・・気になります。

DAZNさんにおかれましては、是非ともチャンピオンズリーグの放送を取り返して欲しく思います・・・なにとぞ・・・なにとぞです・・・(;´Д`)

さいごに

これでワールドカップ欧州予選の9月シリーズは終わりになります。
グループCとしてはイタリアが優勢に進めるかと思いきや、ドローが絡んで勝ち点では首位に立っているものの、グループ上位を争っているスイスと北アイルランドは2試合少ない消化という事で星勘定次第ではワールドカップにストレートイン!という訳にはいかない状況が続いています。

イタリアは残り2試合を全勝で終えることが出来れば得失点差で首位をキープできるかもしれませんが、ボール保持を志向した結果として喫したブルガリア戦でのドローを思い出すとまだまだ油断はできません。

10月シリーズ以降はスイスはもちろん、北アイルランドがグループ内でどの様な対策を打ってくるのかに注目して見てみたいと思います。

それでは、また10月にお会いしましょう。

試合結果

2021.9.9
カタールW杯欧州予選 第6節
イタリア 5-0 リトアニア
チッタ・デル・トリコローレ
【得点者】
ITA:11'キーン 14'オウンゴール 24'ラスパドーリ 29'キーン 
   54'ディ・ロレンツォ

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