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【レビュー】持久系アスリートと3大栄養素

どうも、さかもとです。
今回は「持久系アスリート向けの栄養」をテーマに記事を書きます。

参考論文はこちら↓↓

栄養って大事。
これは、どのアスリートも思っていることですよね。
ただ、トレーニングと違って実感しにくく
なかなか継続的に行うことが難しいものでもあります。

試合間のリカバリーについて、調べている中で
今回の論文に行きつき、面白いなと思ってのでシェアします。

内容は3大栄養素以外のことも書かれていますが
今回は、3大栄養素にフォーカスしてまとめていきます。

炭水化物→タンパク質→脂質の順に結果を記していきます。

概要

「アスリートの栄養」、「スポーツ栄養」、「持久力アスリートの栄養」、「サプリメント持久力」などを検索ワードに1980年から2018年12月までの論文に対して実行されました。

炭水化物

肝臓と筋肉の糖貯蔵の枯渇は
疲労、仕事量の減少、および集中力の低下に関連します。

そのため、特に持久系アスリートにおいては「糖」摂取について
関心の高い方が多いのではないでしょうか。

目安として、炭水化物の摂取量は 1 日あたり体重1kgあたり7g (g/kg/日)
とされますが
中強度から高強度の運動 (1 ~ 3 時間/日) をするものは
6 ~ 10 g/kg/日が必要とされます。
日常活動(毎日 4 ~ 5 時間の中強度から高強度の運動)に極端なレベルで取り組む超持久力アスリートには、1 日あたり最大 8 ~ 12 g/kg の摂取量が必要になる場合も。
国際スポーツ栄養学会 (ISSN) はグリコーゲン貯蔵量を最大化するために
アスリートは 8 ~ 12 g/kg/日の高糖質食を採用する必要がある
と推奨しています。

【レース前の栄養戦略】
90分未満のレース;イベント前の 24 時間で最大 7 ~ 12 g/kg
90分を超えるレース;その前の 36 ~ 48 時間での最大 10 ~ 12 g/kg
【レース中】
60分未満;摂取の必要性↓
1〜2.5h;市販スポーツドリンクを30 ~ 60 g/h を摂取すること
    (理想は10〜15分毎に摂取)
2.5h以上;60 ~ 70 g/h (許容できる場合は最大 90 g/h まで)

タンパク質

1.2 ~ 2.0 g/kg/日の範囲が推奨されています。
長時間の持久運動は異化状態を引き起こし
その結果生じる筋肉の分解を引き起こし
筋肉のクレアチンキナーゼレベル(筋肉損傷のマーカー)
を上昇させる可能性があるため
この摂取量の増加は、持久運動後の筋肉量を維持するために
タンパク質摂取を最適化する理想的なタイミングとなります。

ただし、タンパク質摂取のタイミングは
運動後0〜2hと運動前、どちらで摂取しても同様の効果を示しており
選手の好みによって調整していけばOKとのこと。

タンパク質摂取において、プロテインやBCAAの摂取が主流ですが
最近ではEAA(必須アミノ酸)とロイシンの含有量が高いものが
筋タンパク質合成に理想的な供給源であることが判明したとのこと。

EAAは少し味にクセがある印象(これは個人的なもの)ですが、BCAAだけでなくEAAにも注目して補給していくといいかもしれません。

持久系アスリートにおける摂取の目安は
0.3 g/kg (約 20 ~ 40 g のタンパク質) のタンパク質摂取量で
約 10 ~ 12 g の EAA と
約 1 ~ 3 g のロイシン
1 日を通して 3 ~ 5 時間ごとに
(運動直前または運動後 0 ~ 2 時間の摂取を含む)
合計約 1.2 ~ 2.0 g/kg/日まで摂取すると
最適な効果をもたらす可能性がある。

脂質

少しネガティブな印象がありますが
脂質は細胞膜の基本的な構成要素であり
シグナル伝達と輸送、神経機能に役割を果たし
断熱と重要な器官の保護を提供し
必須の食事性脂肪酸の供給源です。

脂質の中でも最近注目されているのがMCT(中鎖脂肪酸)
MCTはミトコンドリアに直接侵入し
ベータ酸化を介してエネルギーとして使用できるとされます。
これは理論上、アスリートにエネルギーとして容易に
利用可能な脂肪源を提供し
それによってグリコーゲンを節約することができるそう。
ただ、MCT を「有効性および/または安全性を裏付ける証拠がほとんどまたはまったくない」カテゴリーにあるとみなしている協会もあり
「完全に持久系アスリートに有効!」と定義されるまでには至っていないということも頭に入れておきましょう。

まとめ

これまで出ていた情報から大きく変化している印象はないものの
ここまで細く摂取量を示しているレビューも少ないかと思います。

冒頭に触れたように、なかなか効果が見えないものだからこそ
細かく管理して、継続されたのちの効果が楽しみです。

やりきれない選手も多いので、ここにこだわれるというのは
コンディション管理の一つの強みになるのではないかと
思います!


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