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シティリーグ バトロコ小山優勝 レポートと調整記録

はじめまして!
HN:ガルシア(@Trubbishx3)と申します。
平日は社会人として働きながら、休日の趣味としてポケモンカードをプレイしています。

好きなデッキは早く盤面を完成させてサイドを取り切るタイプのデッキです。ちなみに、今回使ったデッキもこれに当たります。

2017年に日本代表の権利を得て世界大会に出場し、Day1を通過したことがあります。
現在は、主にその世界大会の事前練習にて知り合った友人たちと調整することが多いです。

いつか記事を書きたいと思っていましたが、いい機会なので書いてみることにします。
主に「既存のデッキを改良する際の思考」、「サイドの取り方・取らせ方」にフォーカスを当てて記事を書きました。
ルール改定直前ということもあり、直接参考になる情報は少ないかもしれません。ご了承ください。
以下が本文となります。


先週末のシティリーグ シーズン1にて、
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ミカルゲ》を使用。


デッキ選択の経緯

10月度シティリーグ分析

抽選応募に当選し、11/9 スタンダードレギュレーション トーナメントセンター バトロコ小山駅前シティリーグに参加する権利を得ていた。
CL東京ではエクストラを選択していたため、CL東京終了時点ではスタンダードにおけるメタゲームへの理解がほとんどない状態。
使用デッキを決定するにあたって、最も重要になるのは過去にどんなデッキが使われていたかを知り、その後のメタゲームの動きを捉えることであると考えている。
なので、10月は毎週末開催されるシティリーグから最新の情報を得て、直前の週末に調整しつつデッキを選択することにした。
ありがたいことに、10/30時点で10月度のシティリーグの結果とデッキリストのほとんどがプレイヤーズクラブ上で公開されたので、上位デッキを参考に調整を進めることができた。

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10月度 シティリーグ 入賞デッキ情報

その結果として、10/26 トーナメントセンター バトロコ高田馬場にて優勝した《ひかるミュウ》+《オーロット&ヨノワールGX》のデッキが現環境に存在するアーキタイプの中でも頭一つ抜けて強いと感じた。

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10/26 トーナメントセンター バトロコ高田馬場シティリーグ 優勝

簡単に説明すると、《ひかるミュウ》によるエネルギー加速から、早い段階で《オーロット&ヨノワールGX》のワザを打つことで、常に中打点を出しつつ相手の手札へ干渉を行うデッキである。

手札への干渉と言えば、CL東京時点では、《ゾロアークGX》と《ペルシアンGX》の特性で必要パーツをかき集め、相手のサイド枚数が2枚以下の状態から《リセットスタンプ》と《ムサシとコジロウ》を組み合わせて相手の手札をゼロにするデッキタイプが存在していた。

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結局スタン落ちまでずっと環境にいた《ゾロアークGX》

《リセットスタンプ》、《ムサシとコジロウ》を絡めて手札をゼロにする場合、相手のサイド枚数が2枚以下、《マタドガス》を絡めても3枚以下であることが条件となる。
要するに試合における終盤にしかこのギミックは使えないため、相手にしたプレイヤーはある程度そのタイミングを予測することができる
相手のサイドを取り切れるようにボードを準備しさえすれば、いくら手札がなくなろうと、そのまま殴って勝つことができるし、《ジラーチ》、《ヤレユータン》を準備して手札を補充し、解決パーツを探すことも想定される。
これらの動きを止めるためのさらなる対策として、《ゾロアークGX》側には《アローラベトベトン》や《ライチュウ》が採用されている。

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《ゾロアークGX》による逆転を補佐するカードたち

状況を解決するために要求されるカードの数が多く、高HPのたねポケモンであり、多くの場合《ゾロアークGX》を倒せるTAG TEAM GXを筆頭とした現在のスピード環境には今一つついていけないのではないかと考えていた。

《オーロット&ヨノワールGX》の動きは、《ゾロアークGX》のそれとは全く別のものだった。
《ひかるミュウ》の加速によって相手より早く盤面を完成させ、繰り出されるワザ《ナイトウォッチャー》による効果は、予想よりはるかに強力だった。

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現在のスタンダードレギュレーションにおいて、1ターンのテンポを失うことは、負けに直結すると考えている。特定のターンのうちにプレイしなければいけないカードが明確に存在することが多い。
1ターンでもサポートを打つことができなかったら、1ターンでもエネルギーを付けることができなかったら、1ターンでもその時に打つべきワザを打つことができなかったら…… 相手のポケモンはそのまま自分のポケモンを倒し、もうサイドを追いつけない状況になってしまう。こういった展開でそのままゲームが終わることは、決して少なくない。
《ナイトウォッチャー》は、この展開を積極的に作り出すことができる。
2枚のカードを手札から山札に戻すことで、相手は常に高いハードルでカードを探し、プレイし続けなければならない。
2回、3回と連続して打っていけば、ハードルを越えられないターンを迎え、そのまま負けてしまう。
《ナイトウォッチャー》を耐える高HPのポケモンは多くの場合、解決札を絞られながら《ペイルムーンGX》できぜつする。
また、弱点とする悪タイプのデッキの代表格に、先述した《ゾロアークGX》が挙げられるが、そこに対するテックカードとして《アーゴヨン&アクジキングGX》が採用されているのもポイントだ。

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《こだわりハチマキ》込みの《ジェットピアス》によって《ゾロアークGX》を一撃で倒すことができる上、相手の《こだわりハチマキ》込み《ライオットビート》による130-150ダメージ×2回で倒すプランを特性《ぼうしょく》によって回避することができるのもかみ合っている。
極めつけに《カオスオーダーGX》の存在である。残りサイドが2枚以下になった時点で、《アーゴヨン&アクジキングGX》に要求を満たすエネルギーが付いてワザを宣言できるなら、手札や盤面に依存せず勝利することができる。
1枚で、このデッキの弱点としている《ゾロアークGX》に勝てるポテンシャルを持っているカードであると判断し、このデッキの対応力の広さを認識した。

以上より、《ひかるミュウ》+《オーロット&ヨノワールGX》が10月度時点でのベストデッキであると判断。
調整メンバーの一人が11/3 トレカの洞窟 CARD WORLD TOWER AKIBAシティリーグにて使用し、ベスト8に入り優先権を獲得した。

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11/3 トレカの洞窟 CARD WORLD TOWER AKIBA シティリーグ ベスト8

10月度シティリーグにおいて、他に目立った印象を受けたデッキとして《フーパ》+《ルカリオ&メルメタルGX》LO、《ゴルーグ》、《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》派生が挙げられた。

変更点
IN

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《ルナアーラ◇》
《フーパ》+《ルカリオ&メルメタルGX》LOの解決枠として採用した。逃げの重いポケモンを縛られないように盤面を管理しつつ、落ちたエネルギーを《フルムーンスター》によって付けなおすことで有利な展開をしていく。LO側に突破手段がなければ、このポケモンのみで勝利することもできる。

《フィールドブロアー》
《ゴルーグ》の《ムキムキパッド》、《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ケルディオGX》の《混沌のうねり》を割るために採用した。

《グレートキャッチャー》
ミラーにおいて、先にエネルギーのついた《オーロット&ヨノワールGX》に対してワザを打つために採用した。

OUT
《ムサシとコジロウ》
《マチスの作戦》
《マタドガス》

早い段階で相手の手札を減らすために必要なカードを抜いた。
いずれも強力だが、打つ状況が限定的であり、打たずに勝利することも少なくなかったため、明確に有利を取れる相手が増えるカードに枠を割いた。
事実としてLO系統に3回マッチして、《ルナアーラ◇》で全て勝利しているため、この変更は成功だったと言えるだろう。

候補デッキの選定

調整時点でかなり手応えを感じていて、同じデッキを使う予定だった。
しかし、この週の時点で既に《オーロット&ヨノワールGX》系統の入賞報告が相次いでいることから、次週ではこのデッキに有利な選択をするべきである、という話が出た。

具体的には、
・《オーロット&ヨノワールGX》を一撃できぜつさせる要素を持っている
・高耐久TAG TEAM GXから非GX中心のデッキまで、幅広いデッキタイプに対応できる
・序盤に狙うべき動きが決まっていて、かつ要求枚数が少ない
(序盤の《やぶれかぶれ》から沈黙するデッキは極力使いたくない)

以上が選択すべきデッキに求められる条件だった。
この条件をもとに直前の週末で調整した結果、2つのデッキが候補に挙がった。

《カラマネロ》バレット

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《ジラーチ》+TAG TEAM GXの組み合わせに強く出られる《アブソル》を《カラマネロ》デッキに組み込み、《基本悪エネルギー》を入れることによって《サイコリチャージ》による加速からワザ《シャドーシーカー》で、《オーロット&ヨノワールGX》をきぜつさせるギミックを取り入れた。
こちらのデッキも《オーロット&ヨノワールGX》による押し付けを狙えるなど魅力的なポイントも多かった。
しかし、序盤の《やぶれかぶれ》に屈することが多いことと、《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》に先攻から《オルタージェネシスGX》を使われた場合、《オーロット&ヨノワールGX》の《ペイルムーンGX》ではカウンターの動きとして不十分に感じられたことから使用を断念した。

《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《フーパ》

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《ケルディオGX》を押し付けるマッチアップにおいて、《無人発電所》と《リセットホール》の《マーシャドー》の採用率がかなり高く感じたため、いっそ《ケルディオGX》の枠を《フーパ》に差し替えよう、という考えから構築した。
特性《バンデッドガード》で自身は無敵になりながら、《オルタージェネシスGX》によって火力が上昇した《フーパ》の《こだわりハチマキ》込み《ちょうねんりき》によって、《オーロット&ヨノワールGX》をきぜつさせることができる。
TAG TEAM GX主体のデッキに自然と勝ちのルートを持てている上、非GX主体のデッキにも《オルタージェネシスGX》によってサイドを取り切ることができるため、対応範囲は広く、シティリーグで使うのに向いていると考えた。
が、相手の《ケルディオGX》や《ゲッコウガGX》に対して余計に弱くなっている点、《アルティメットレイ》で加速できなかった場合、《フーパ》ではワザを打つためのエネルギーのテンポが悪い点などの解消できない課題も多かった。

結果として、どちらのデッキも実践投入できるレベルまでには至らなかった。
週末の調整が終わり、ああ、このまま《オーロット&ヨノワールGX》を使うんだろうな……と思いながら一人回しをしている中、突如として聞いたこともないデッキの記事が目に入ってきた。

デッキの詳細な内容についてはここでは触れないが、自分の欲しているデッキの条件をほぼ満たしていた。
この記事が投稿されたのが11/5(火)の夜。
社会人であるため、土曜のシティリーグまでに使える時間は平日21:00-24:00ごろの一人回しのみであったが、このデッキに賭けてみようと思い、記事を読み込んた後に調整を始めた。

十分な時間もないので、直前の週末のシティリーグで使用率の高かった
《オーロット&ヨノワールGX》
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ケルディオGX》
《ピカチュウ&ゼクロムGX》

に限定して、何度か対戦してみた。

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凱 選手使用 《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ミカルゲ》

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最初はベースのデッキリストのまま調整していたが、プレイしていてほとんど不満を感じることがなく、完成度の高さを感じた。
何枚かを自分の希望に合わせて差し替え、最終的な使用デッキとすることにした。

ベースのデッキからの変更点

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11/9 トーナメントセンター バトロコ小山駅前シティリーグ 使用リスト

IN

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《ナゲキ》
《せせらぎの丘》
《カウンターエネルギー》

OUT
《ミュウ》
《フーパ》
《戒めの祠》

こちらのデッキが公開されている都合、《ピカチュウ&ゼクロムGX》との対戦において、相手が《ミュウ》を出されることを警戒した場合、《タッグボルトGX》を使うかどうかのそもそもの判断やGXワザを切るタイミングが変わってくると考え、ならばいっそ《ミュウ》を抜き、別のカウンタープランをデッキに組み込もう、という考えからこの3枚を投入した。
《グズマ&ハラ》から《せせらぎの丘》と《カウンターエネルギー》をサーチし、そのまま《せせらぎの丘》から《ナゲキ》を出して《カウンターエネルギー》からワザにつなげることで闘弱点のポケモンに対して奇襲をかけることができる。
《ナゲキ》のワザの達成条件も《ミカルゲ》の特性で簡単にクリアできる点もかみ合っている。
また、地味に使用率が上がっていると感じていた《ゾロアークGX》や《シルヴァディGX》に対しても有効なアタッカーである。
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ミカルゲ》は特性持ちのたねポケモン主体で構成されているデッキなので、《ゾロアークGX》や《シルヴァディGX》は早期に《アローラベトベトン》を立ててくると想定。
仮に先攻2ターン目に《アローラベトベトン》を場に置かれた場合、《ミカルゲ》は《うらみだめ》を1度しか使うことができず、《レインボーエネルギー》を付けても《ハッスルベルト》の発動条件を満たすことができないため、アタッカーとしての機能を果たせなくなってしまう。
しかし、《ナゲキ》が代わりのアタッカーとして圧力を与えることで、《ミカルゲ》は一度でも特性が使えれば、その役割を果たすことができる。
最速で《アローラベトベトン》を置かれても、《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》2体と《ナゲキ》で十分に戦うことができると判断した。

IN
《シロナ》2枚
OUT
《グズマ&ハラ》
《ハプウ》

最序盤から打てて、できるだけ多くのカード枚数を確保できるカードとして《シロナ》を最優先にサポートの配分を決定した。
《ナゲキ》によるカウンタープランを遂行するために《グズマ&ハラ》はある程度の枚数を確保しておきたかったが、《ナゲキ》を先に出して《アルティメットレイ》からエネルギーを付けて圧をかけていくプレイも悪くないと感じていて、それに付随してスタジアムサーチの需要も下がったため、2枚とした。

当日のマッチアップ

予選
1 先 ○ 《マタドガス》
2 先 ○ 《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ミカルゲ》
3 先 ○ 《カラマネロ》+《アーゴヨン&アクジキングGX》
4 後 × 《ミュウツー&ミュウGX》+《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》
5 後 ○ 《シルヴァディGX》+《マグカルゴ》 トーナメント
先 ○ 《ルガルガンGX》+《ゾロアークGX》
先 ○ 《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《シルヴァディGX》
先 ○ 《フーパ》+《ルカリオ&メルメタルGX》LO

8回戦中6回先攻を取ることができ、決勝戦以外はすべて2ターン目に《オルタージェネシスGX》を宣言することに成功。
1ターン目に《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》とエネルギーを確保しつつ、《シロナ》から次のエネルギーと入れ替えソースを探しに行く展開が多かった。
また、実際に調整をしていないマッチアップではあったが、想像通り《ゾロアークGX》と《シルヴァディGX》との対戦での《ナゲキ》の圧力は凄まじく、《アローラベトベトン》下でも思い描いたプラン通りに勝利。
必要だと判断したカードが実際に活躍したので、変更点については概ね成功だったと言えるだろう。
4回戦では回復カードを上手く使われ、高HPのポケモンを崩せずに負けてしまった。終盤《ミカルゲ》で250ダメージを出す準備はできていたため、《ミュウ》の《サイコパワー》を使う選択肢が残っていれば落とすことがなかったかもしれない。

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対《ピカチュウ&ゼクロムGX》のみの意識で《ミュウ》を外したのは反省点。HP260-280帯のTAG TEAM GXポケモンを処理するルートはもっと厚く持っておくべきだった。
決勝戦では、2ターン目から《ミカルゲ》で相手のポケモンを倒していく展開となった。《ダイゴの決断》のカウンターで《やぶれかぶれ》を使用し、展開が遅れているところを《ミカルゲ》で殴り続けた。《ミカルゲ》の継戦能力が高いおかげで相手が《ルカリオ&メルメタルGX》を出してライブラリアウト体制を作るころにはこちらはサイドを4枚取得していて、その時点で既に残り時間はほとんどなく、そのまま時間切れとなった。

《オルタージェネシスGX》の強さ

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今回の調整で、初めてゲーム中に解除されることのない《オルタージェネシスGX》を使ったが、その圧倒的なゲーム短縮力に驚愕した。

「先に自分の6枚目のサイドを取る」という勝利条件を、ある程度ポケモンカードに慣れているプレイヤーたちは自然と効率的に行うようにしている。

まず、TAG TEAM GX、GX、非GXにポケモンを分類した場合、現在のスタンダードにおいて構成されるデッキのボード形成タイプは大きく4つに分けることができる(あくまでよくあるボード形成のタイプであり、例外は存在する)。

TAG TEAM GX + 非GX
例:
《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ミカルゲ》
《ひかるミュウ》+《オーロット&ヨノワールGX》
など
非GXが倒されることについてはそこまでのリスクがなく、TAG TEAM GX2体を押し付けて勝つ方針を取ることが多い。
大物のTAG TEAM GXを補佐する役割で《ジラーチ》や《マーシャドー》などの非GXポケモンが組み込まれていることがほとんどだが、《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ミカルゲ》に関しては逆に非GXの補佐をTAG TEAM GXがしている形になっている。

TAG TEAM GX + GX + 非GX
例:
《レシラム&リザードンGX》
《ピカチュウ&ゼクロムGX》
など
《ジラーチ》や《マーシャドー》による展開を基本としつつも、アタッカー性能をフルに発揮するために、状況に応じて《カプ・テテフGX》や《デデンネGX》を使って勝負を仕掛けに行く。
多くのTAG TEAM GXデッキがこれに当たる。

GX + 非GX
例:
《ゾロアークGX》
《シルヴァディGX》
など
主にGXを並べてボードを形成していくタイプ。
非GXを低リスクで倒すことができるが、TAG TEAM GX相手には火力が足りないことが多く、何らかの追加アプローチが存在していることが多い。

非GX
例:
《ゴルーグ》
《ドリュウズ》
など
非GXのみで構成されているデッキタイプ。
同時に取られるパターンを除けば「サイドの取らせ方」的な意味では最も管理が楽。なぜなら、どのポケモンを倒されても取られるサイドの枚数が同じだからである。

以上の4タイプでほとんどのパターンを網羅している。
①~③のように、倒した時にサイドを複数取られるポケモンを使っているほとんどのプレイヤーは、サイドをちょうど6枚取らせてくれることはないだろう。
例えば、TAG TEAM GXを2体倒せば3+3で6枚ちょうど取り切ることができるが、その過程において非GXやGXを挟んでくる。
それによって、残りサイド1、2枚の状況でTAG TEAM GXの相手をしなければならないことがある。つまり、ゲームに勝利するために、7、8枚分のサイドを取る労力を使っていることになる。
終盤の《グズマ》が強いのも、この状況を打開できる力を持っているからであると考えている。
前提として互いに6枚のサイドを取得して勝利することを目指している場合、「相手が先に6枚目のサイドを取る」という状況を阻止しているのだ。
この状況に対して、《オルタージェネシスGX》を使うことによってあり得ないような効率でサイドを取り切れるようになる。

①、②に関しては、ほとんどTAG TEAM GXと非GXを場に展開することを前提としているため、サイドを4枚と2枚の2アクションで取り切ることができる。
今回の対戦結果では、
vs《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》+《ミカルゲ》
エネルギーを貼る → 《オルタージェネシス》→ 非GXを倒して2枚 → 戒めの祠のダメージ込みでTAG TEAM GXを倒して4枚
4ターンで6枚のサイドを取りきって勝利している。

③に関しては、GXが場に並ばないとデッキとして話にならないことがほとんどのため、3枚と3枚の2アクションで取り切ることができる。
今回の対戦結果では、
vs《ルガルガンGX》+《ゾロアークGX》
エネルギーを貼る → 《オルタージェネシス》→ GXを倒して3枚 → GXを倒して3枚
ここでもまた、4ターンで6枚のサイドを取りきって勝利。

④は、2枚、2枚、2枚の3アクションとなる。
そもそも、多様化していた非GXの多くを根絶させた原因が《オルタージェネシスGX》にあるとすら思えるほど劇的に有利となる。
サイドを取り切るのにかかるターンが(サイドを取るために本来必要だったターン×3 −《オルタージェネシスGX》を宣言するターン)の分で2ターン分の短縮になり、多くの非GXはその速度に対応できずにサイドを6枚取り切られてしまう。
今回の対戦結果では、
vs《マタドガス》
エネルギーを貼る → 《オルタージェネシス》→ 非GXを倒して2枚 → 非GXを倒して2枚 → 非GXを倒して2枚
一般的には倒しきるのにターン数がかかるとされている、非GXメインのデッキとの対戦ながら、5ターンで6枚のサイドを取りきって勝利。

いずれのパターンにおいても、ほとんどの状況で《オルタージェネシスGX》を使うことでちょうど6枚を最短距離で取り切ることが可能になるのである。
つまり、ゲームの勝利条件を簡単に達成できるようになる。
他のデッキは歩いてゴールに向かっているのに、《オルタージェネシスGX》使用後は車で一直線にゴールに向かっているようなものである。

また、一気に取れるサイドの枚数が多い → 最終盤に残っているサイドの数が多いということにもなり、《リセットスタンプ》などのカウンタープランにも強い(最後にTAG TEAM GXを倒すプランであれば、最大で4枚のサイドを取らずに残して置ける)。
実際、大会を通して《リセットスタンプ》からの逆転負けを喫したことはなかった。

おわりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
初めて記事を書いた都合、分かりづらい部分もあったかと思いますが、読んでいただいた方の今後の何かの役に立てば幸いです。

感想や意見、質問などございましたら、Twitterアカウント(@Trubbishx3)までDMなどいただければお返事させていただきます。

それでは、また新シリーズにてお会いしましょう。

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