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文化的アプローチがコンゴ民主共和国への日本が出来る有効な支援策では?

伝統的に男性文化として受け継がれてきた「サプール」が、最近では多くのコンゴ人女性とその子供たちがデザイナースーツを着始めています。

女性のサプールは「サプーズ(Sapeuse)」と呼ばれ、「プチ・サップ」というサプール見習いの子どもたちまで現れたり、新しい動きが目立ってきたそうです。

White people invented the clothes, but we make an art of it.
「服を発明したのは白人だが、私たちはそれを芸術にしている。」

パパ・ウェンバ

サプール文化を通じて、女性は自己表現の新たな方法を見出し、社会における自分たちの立場を再定義しています。
これは、伝統的な性別役割に対する挑戦であり、より広範な社会変化の兆しかもしれません。

Ladies and Gentlemen of The Congo by Tariq Zaidi(写真集が見れます)


コンゴ民主共和国(DRC)における女性の社会進出の課題


植民地時代のDRCでは、女性は主に家庭内での役割に限定されていました。欧州の影響が強い一方で、伝統的な文化との間には緊張関係が存在していました。
独立後の混乱期を経ても、女性は、社会的、政治的に二次的な役割に留まっています。
教育や職業の機会は限られており、現在もDRCの女性の社会進出は、まだ多くの課題に直面しています。

特に教育の機会の不平等、性に基づく暴力、そして伝統的な性別役割の固定化が大きな問題です。
これらの課題に対処し、持続可能な解決策を見つけることが、今後の女性の社会進出に不可欠です。


女性の色彩感覚とファッションセンス 


DRCの女性は、伝統的な色彩感覚を維持しつつ、現代的なファッションセンスを取り入れています。
コンゴの伝統衣装「Liputa」は、鮮やかな色と複雑なデザインで知られており、単なる衣服以上のものでDRCの文化的豊かさと多様性を象徴しています。

筆者がAIで生成したイメージ

Kinshasaに拠点を置くファッションデザイナーは、伝統的なコンゴの布地を使い、現代的なデザインを取り入れた服を制作しています。
この動きは、ファッション業界に新たな視点をもたらし、女性のエンパワメントと社会進出を促進する可能性はあると考えます。

特に、女性デザイナーたちは、ジェンダー平等や女性の権利、社会正義などのテーマを彼女たちの作品に込めています。

国際的なファッションイベントへの参加を通じて、さらに影響力を拡大していき、コンゴの文化的アイデンティティを代表し、女性の社会進出とエンパワーメントの象徴となれるのではないでしょうか?

筆者がAIで生成したイメージ

アートの視点

Chéri Sambaの絵画

Chéri Sambaは、コンゴ民主共和国を代表する現代アーティストの一人。

彼の作品は通常、ビビッドで鮮やかな色彩を特徴とし、強烈な視覚的インパクトを持ちます。しばしばDRCの社会的、政治的な現状を反映し、特に都市生活、社会的不平等、文化的アイデンティティに焦点を当てています。

Amani Bodo

Amani Bodoは、Kinshasaを拠点に活動する若手アーティストの一人

彼の作品は、伝統的なアフリカンアートの要素と現代的なテクニックを組み合わせたものです。日常生活の風景や社会的・政治的なメッセージを含むことが多く、現代アフリカ社会のリアリティを表現しています。鮮やかな色彩と独特の構図を用いることで、視覚的な魅力と深い意味を持つ作品を生み出しています。

アマニ・ボド個展「コンゴ・アヴェニール」↓ ↓ ↓


才能豊かな女性のアーティストも絶対いるはずです



音楽の視点


キンシャサは”音楽の都”と称されることがあります。
パパ・ウエンバを輩出した都市ですから、まだまだ多くの才能あるミュージシャンが埋もれていると思います。

メイトル・ギムス(Maître Gims)


キンシャサ出身のフランスのラッパー
2022年カタールワールドカップの決勝の舞台で歌を披露

スティング(Sting)とシャギー(Shaggy)の「Gotta Get Back My Baby」に参加


キンシャサは、若者たちによる豊かな文化的エネルギーがあふれる都市

しかし、多くの若者が貧困や社会的制約に直面しており、彼らは音楽を自己表現の手段として、ニューヨーク・ブロンクスでのヒップホップの台頭のように、キンシャサは新たな音楽カルチャーの発祥地となる可能性を秘めているのでは?


<筆者の勝手な妄想>

日本は、技術、教育、文化交流の面で豊富な経験を有しており、これらを活用してキンシャサの音楽シーンをサポートすることが可能です。
日本からのサポートにより、キンシャサの若者たちがより広い視野を持ち、国際的な舞台で活躍する機会が増えます。

音楽教育プログラムの提供
日本の専門家によるワークショップやトレーニングプログラムを通じて、若者たちの技術と知識を向上させる。

音楽交流イベントの実施
日本とキンシャサのアーティストが参加する交流イベントを通じて、文化的理解と協力を深める。

スタジオ設備の提供
録音やプロダクションのための設備を提供し、若者たちが自分たちの音楽を創作し、世界に発信できる環境を整える。


筆者がAIで生成したDRC発ヒップホップ・ユニットを紹介しましょう!



何も支援できない自分がもどかしい


「資源の呪い」に取り憑かれたDRCへのサポートは簡単ではないことは百も承知している。レアメタルを取り巻く利権構造と闇はアンタッチャブル。


先日、東大生が主催したイベントが行われました。
学生主催のイベントは大変意義あることだと思います。


私は、より多くの人に知ってもらいたく、コンゴ民主共和国などのアフリカ関連記事を投稿しています。

「音楽・アート・ファッションといった若者に興味あるテーマに絡めてDRCの現状を伝えた方が、真実が伝わりやすいのでは?」

と考えています。


日本において「サプール」は、ファッションの一時期のブームに過ぎず、既に「過去の事」になっているでしょう。残念

そして何より、愛する黒人音楽のルーツであるアフリカへのリスペクト

今後もアフリカへの何らかの支援策を模索していきたいと思います。



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