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OET①

私は2021年度USレジデンシーアプライ際し、コロナにより2020年3月以降のUSMLE step2 CS中止→廃止事件に例外なく巻き込まれ、OETを使って幸いECFMG certificateを取得してレジデンシーにマッチしました。OETを利用してレジデンシーマッチングに参加した人は日本でも両手で数える程しかいないと思います。こちらのページではまず、OETの概要、対策法を自分の経験からお伝えしようと思います。

対策期間:1日5時間程度 x 1ヶ月

OETって何

Occupational English Test といい、元々はオーストラリアをはじめとした国々で医学英語レベルを証明し、英語圏でない出身の医療者が働く際に必要とされていた資格の一つです。日本では大阪にある小さな会場ひとつのみで当時月に1回、定員12人までという何ともこじんまりとした試験で、当時はオーストラリアで医師や看護師を目指す人、イギリスの一部の医療職を目指す人が受けるのみでした。しかしながら、2020年6-7月のECFMGの緊急発表により一気に世界中の医療者から脚光を浴びることとなるのです。(ちょっと大袈裟) コロナウイルスでUSMLE step2CSが中止になった為、代わりの試験としてアメリカがOETを採用しました。

なるべく簡単にお伝えしようとすると、TOEFL IBTのオーストラリア医学英語紙試験バージョンといえば少しはイメージが湧くでしょうか、、、。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4パートで構成されていますが、全てアメリカ英語ではなく、オーストラリアの医学英語が関わっています。(spelling、pronunciation, medication name等) 例えばAcetaminophenなどはParacetamolと呼ばれます。医学英語ということもありやや換算し難いのですがTOEFLだと 95-100に相当するのではないでしょうか。(完全に個人の意見なので参考程度でお願いします) IELTS換算では7と発表されているようです。


OET総論、各論

点数は各項目0-500点で構成されており、350点以上がB、450点以上がAです。ECFMGではBをクリアしていれば合格となります。問題数換算するとR...30/42 問、L...30/42 問、W...27/38点、 S...30/39 点で350点を超えることと同義です。ただし問題点としては、ECFMG certificateに認められるためには全てのセクションを同時にクリアする必要があるということです。完全に個人的な難易度の印象してはListening>>越えられない壁>>Reading=Writing>Speakingといった感じでしょうか。


Listening

鬼門はリスニングです。PartA:患者と医師の問診をリスニングをしながら12問紙に穴埋め筆記するx2セクション(合計24問) PartB:短い医療会話を聞いて1問ずつ選択肢を選ぶx 6 (合計6問) PartC:スピーカーが1人or 2人で数分間話し続けるのを聴きながら6問の問題文を読み選択肢を選ぶx2セクション(合計12問)です。

はっきり言って全部難しいです。特にPartCは鬼畜といっても過言ではなく、全体の話の展開を完全に理解したつもりでもなぜか間違えます。選択肢が非常に巧妙に作られており、それは問題作成者の人間性を疑いたくなるほどです。しかし、問題数の合計42問のうち30問を正解すれば確実にBに到達すると言われており、どのセクションも難易度に関わらず1問1点なのです。ですので、私はしっかり言葉を聞き取り書き写せば確実に点になるAにリスニング勉強時間の70%を注ぎました。Aで20/24 あれば 相当安心できるのではないでしょうか。 スペルミスは大丈夫ですのでとにかく聞いたことをすぐに記載する能力を高めると良いです。 アクセントがかなり強いので、オーストラリア英語に慣れることが要求されると思います。効果があったかは不明ですが私はpodcastの 7news podcastというものを1ヶ月毎日聴き続けました。


Reading

USMLEを受けている人ならば比較的に合格点まで達することができると思います。PartA:15分の間に4枚の薬や病気に関する説明書を読みながら解答用紙の穴埋め(20問) PartB:短文を読み選択肢から選ぶ(6 問) Part C:長文1つにつき8問x2の精読問題(16問)です。


こちらも配点割合から言うと合計確実点30問のうち20問を占めるAが肝です。個人的な戦略としては最初の 3 分間は問題を解かず4枚全ての情報を精読し、残りの 12 分で解く方が良いと思います。 急げば急ぐほど見つけたいものが見つけられなくなり泥沼にはまるので、最初の数分でどこまで情報を叩き込めるかが勝負 だと思います。Bは難易度は高くないですが 4/6 は欲しいところです。C は難しく、分かった気で正解しても結構違うことが多いので、Aで確実に 16/20 以上をとれば心に余裕が出るのではないかと思います。


Writing

5 分カルテ情報を読み40 分で180-200word 程度の referral letterを記載します。

やっている時には特別難しさは感じないかもしれませんが、勉強の時間に比して点数が一番伸びづらいセクションでした。型がある程度決まっていますので、まずはオンラインのクラスの型を参照して覚えることが大切かと思います。個人的には本番が終わった時にライティングが一番ダメかもしれないと思いました。オンラインの練習はタイピングがメインですが、本番は筆記であり勝手が違うので紙に書く練習をお勧めします。また後述しますがSwoosh のオンライン添削サービスの利用をお勧めします。


Speaking
5 分のシナリオ x2セクションです。医師役のシナリオが書かれた紙を渡され、記載されているタスクをこなします。

相手は大阪の会場だと面接官はイギリス人でしたが、かなりゆっくり話してくれてリスニング力はあまり要求されません。しかし、採点者はなんと面接官ではありません。 ボイスレコーダーで録音したデータを本部に送られ誰か知らない人に採点されるので、Body language やSmileは実は全く入りません。USMLE step2CS と違うのはシナリオのバラエティが広いので、テンプレートが使いづらいことかもしれません。 ただ採点は厳しくないような印象ですし、文法ミスに注意しながら相手を思いやる言葉を要所に折り込めば合格点に達するまでは比較的容易かと思います。模試を受けられ今の点数との合格点との差を一度は把握することをお勧めします。


使用教材

OETは、TOEFLやTOEIC、IELTSと異なり勉強できるリソースに非常に限りがあり、下記の教材全てを用いたとしても1ヶ月全力で勉強するとほぼ全て使い果たしてしまいます。1問1問丁寧に解かれることをおすすめします。

OET onlineオススメ度★★★★★ 購入MUSTです。値段は高いですが圧倒的におすすめ。ビデオ講義も豊富で問題も一番洗練され ています。スピーキング模試に関しては採点者の予想得点と本番の点数が全く同じでした。

E2languageオススメ度★★★ Beginner には一番おすすめです。特にJayさんという方のビデオ講義はとても参考になります。また安い値段のプランでも模試や練習問題がついています。ただオンラインクラスはあまりにもBeginner向けのため、テスト形式に慣れてきたらビデオはストップし、付属の練習問題に切り替えて良いと思います。

Swoosh Englishオススメ度★★★ ライティングに関してはこれが一番良いと思います。私は添削 5 回分を申し込みました。ライティング過去50−60問程度の例やそのスコアも記載されています。ライティングプランにもリーディングやリスニング練習問題がついて来たので無理に高いプランを購入されなくても良いかもしれません。

Banderfieldオススメ度★ ライティングリスニングの練習問題プランを購入しましたが、他の教材といくつか問題が被っている上解説はついておらず、とっても残念な教材でした。リソースが底を尽きたら使っても良いかもしれません。

Solo Englishオススメ度 評価不可 1 ヶ月18万円と目を疑う価格ですが、練習問題、スピーキングやライティング練習など全ての必要な要素が含まれています。いつでも24時間担当者に相談できるそうです。練習問題のクオリティには賛否があるようですが、私は購入しませんでしたので詳細はわかりません。 


以上です!

ちなみに私は1ヶ月全力で勉強してL 400、R 420、W 360、S 400 でなんとかECFMG certificateを手に入れることが出来ました。元の私の英語力などは別のページに記載しましたのでまたご参照ください。OET②にはレジデンシーとの関連に関して説明します。

参考になれば幸いです。それではまた!

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